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私は、二人の間で交わされているやり取りに、私は自分の存在など初めから無かったかのように……私は空気になったかのような気分になったけれど、しかし私が処刑されるかされないかの瀬戸際であることを思い出しそんな気分からすぐに脱却し……二人に向かって叫んだ。私の立場はどうなるんだと。そして、私の気持ちなんてまるで無いかのように私抜きで会話をする二人にもちゃんと聞いてもらう必要があったのだと気付いたからだからだった。
そんな私が発した声に、二人が反応するのは当然のことだった。だって私が声を上げたことで二人の会話が終わったのだから。二人は私に向き直り……それから王太子の彼が私に対して、すまないと、そして私の気持ちを無視したわけじゃないと私に謝罪をするのだが……それは私が欲しい言葉では全く無くて……私が求めていたのは断罪イベントを起こさないための方法であって……。だから私は王太子である彼に言ったのだ。何故こんなことになったのか……と。すると彼は困った顔で、私に対して愛の言葉を囁き続けた結果だと答えてきたのだけれど……それはおかしいでしょう?だって私の気持ちを聞かないでどうしてそんなことをしているのか分からないと私は彼に問い返したのだ。
王太子の彼の言い分に納得がいかないまま彼の返答を待っていたら……何故か、今度はレイスが口を挟んできた。王太子の言葉に対しておかしいと……。それには私も激しく同意だと言いたいところだが私は今それどころでは無いし、そんなことを言っている場合でもないのだった……何故ならば、私は処刑を避けたい。
だから、王太子と彼の二人の話から何かヒントが得られればいいと黙って聞いていたけれど……レイスの言うおかしいところなんてどこにも無いじゃないと、私は思ったのだ。
そして彼は、レイスに私と婚約したのは自分なのだから私が誰を好きでも関係など無いはずだろうと、そんなことを言い出し……レイスはそれに対して王太子である彼に食って掛かった。私はそのレイスに対してまたかと頭を抱えた。
そう、それはゲームではよく見られた光景でレイスは、ヒロインと王太子が恋人になったことを祝福せず二人を祝福した王太子に食って掛かったりした。でもそれは……ヒロインと王太子の二人の愛に感動し、自分の失恋を受け入れ、二人を応援したいと思っていたからで決してレイス自身が嫉妬していたわけでも王太子のことを好きだったわけでもないはずなのだ。
そしてまた、レイスのこの発言もゲームの中では何度も出てきたものだった。だから私はそれを知っていたしそんなレイスに対して、そんな態度だといつか断罪されると忠告してきたのだ。そしてそれは的中するのだが……。
そんな私が発した声に、二人が反応するのは当然のことだった。だって私が声を上げたことで二人の会話が終わったのだから。二人は私に向き直り……それから王太子の彼が私に対して、すまないと、そして私の気持ちを無視したわけじゃないと私に謝罪をするのだが……それは私が欲しい言葉では全く無くて……私が求めていたのは断罪イベントを起こさないための方法であって……。だから私は王太子である彼に言ったのだ。何故こんなことになったのか……と。すると彼は困った顔で、私に対して愛の言葉を囁き続けた結果だと答えてきたのだけれど……それはおかしいでしょう?だって私の気持ちを聞かないでどうしてそんなことをしているのか分からないと私は彼に問い返したのだ。
王太子の彼の言い分に納得がいかないまま彼の返答を待っていたら……何故か、今度はレイスが口を挟んできた。王太子の言葉に対しておかしいと……。それには私も激しく同意だと言いたいところだが私は今それどころでは無いし、そんなことを言っている場合でもないのだった……何故ならば、私は処刑を避けたい。
だから、王太子と彼の二人の話から何かヒントが得られればいいと黙って聞いていたけれど……レイスの言うおかしいところなんてどこにも無いじゃないと、私は思ったのだ。
そして彼は、レイスに私と婚約したのは自分なのだから私が誰を好きでも関係など無いはずだろうと、そんなことを言い出し……レイスはそれに対して王太子である彼に食って掛かった。私はそのレイスに対してまたかと頭を抱えた。
そう、それはゲームではよく見られた光景でレイスは、ヒロインと王太子が恋人になったことを祝福せず二人を祝福した王太子に食って掛かったりした。でもそれは……ヒロインと王太子の二人の愛に感動し、自分の失恋を受け入れ、二人を応援したいと思っていたからで決してレイス自身が嫉妬していたわけでも王太子のことを好きだったわけでもないはずなのだ。
そしてまた、レイスのこの発言もゲームの中では何度も出てきたものだった。だから私はそれを知っていたしそんなレイスに対して、そんな態度だといつか断罪されると忠告してきたのだ。そしてそれは的中するのだが……。
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