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縁とゆかりのあるオトコ、運命に出会う その4
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あの日から目を開けても閉じても彼女の映像が瞼の裏に投影される。
会えない時間が少しだけ、ほんの少しだけリオネル青年を冷静にさせたが本当に一瞬だった。
見えない姿がちらつくならば、本物見ちゃえば治るのでは?という発想になったかどうかはわからないがリオネル青年は仕事の合間に時間を決めて”小悪魔系天使マリー・ファルマ嬢捜索”活動を行うこととした。
まずは、貴族銘鑑である。
国内の貴族が列挙されたこの分厚い図書の頁をめくっていく。
この国でファルマの姓は貴族の中で比較的よくあるものだ。貴族銘鑑は、姻戚関係上国内外の貴族が列挙されているためその数は多い。根気よく見ていく。しかし、該当する家門はない。
リオネルも貴族であるから、貴族銘鑑の閲覧も利用もしたことはあるが領主名以外の記載ルールは知らなかった。
(そうか、成人前の女性は後継者になるもの以外は載せていないのだな。知らなかった)
成人後は女性で未婚の場合、親と同じ欄に、また既婚女性は配偶者として夫と同じ欄に記載されるというルールもある。
(しかし、成人前だとして、貴族女性なのに労働しなくてはいけないとはよほどの事情があるのだろうか・・・食はしっかりとっているのだろうか、心配だ)
いつのまにか発想がオカンのソレになっているがリオネルは眉間の皺を深め心配をも暴走させる。
(あんなに小さく小食であるだろうに労働を強いられているとなれば婚約などは政略的で。。。まさか金に物を言わせてどこかの油ぎったジジイの後妻に、とか、あぁぁぁなんということだ)
つい先日までハリー・ウィトワの婚約者であると思い込んでいたが先日件の令息は婚約を公にし新聞に載っていたので除外された。
幼少の頃から賢いご子息と有名だった伯爵家の嫡男リオネルくんは、思い込みと妄想で肝心なことを見落としていた。
ファルマ嬢を簡単に見つける方法その1;
寮管理役の氏名と所属部門は寮の1階中央扉の掲示板に掲げられているのでそこで確認する
←マリアンヌとの遭遇を果たした後に気づく
方法その2;
ハリー・ウィトワに尋ねる
←最も簡単、最短ルート
こんな簡単なことにも気が付かず、複雑に考えすぎてしまうところが恋に振り回される哀れな童貞といったところでしょうか。
小悪魔沼から早く解放されたい、と捜索活動にがんばりつつも新入り研究所員としての仕事もおざなりにはしないシゴでき研究所員のリオネル・デ・オリウス氏もうすぐ21歳。
彼は入職早々、配属された生産研究所の連絡系統を一新する提案書を2日で書き上げ1週間後には部内の業務効率を爆上げした。
連絡ミスで度々揉めていた案件を激減させ部内の雰囲気を改善させたその功績で入職早々部門長以下、無口スペシャリストの新入職員を下にも置かない待遇で接するようになった。
おかげで彼は勤務時間中堂々と敷地内探検をしている。気分転換、発想の刷新、早くなれるためなど理由はどうにでもなり適当なことを言い連ねてもみんなで「どーぞどーぞ」と送り出してくれる。
そもそもこの連絡システムは、無口な己が楽をするためだけに考案した自己中心炸裂システムだったのだが。
(あぁ、今日も天使はこの空の下で息をしているんだろうか)
もしかしたら今いる場所に天使が降臨したかもしれないと、周り3立方メートル分の空気をすいこむ肺活量の持ち主であるリオネル君。195cmの巨体は伊達ではない。
そのときだった。
(匂う、小悪魔天使の香りがどこかからする)
股下90cmの天賦の歩幅を生かし、豪速速歩で研究棟から事務本館へとのびる渡り廊下を急ぐ。
(どこだ、どこだ、どこだ、どこだっ)
すると生産研究棟の裏手にある園芸実験場にあの茜色を見つけた。その距離80M!!!
今彼は2階の渡り廊下にいるがここから下の階まで降りていては見失うかもしれないとおもいリオネル青年飛び降りる、まるで東風暗部の達人のようなみのこなしで。
周囲にいた人間は何が起こったのかわからなかった。
先程までそこにいた長身の男が突如視界から消えた直後、下からドンっという音がした。
動体視力にすぐれたその場にいた巡回衛士が2階渡り廊下から音のする方向を見ると煙を上げて着地した白衣の男が園芸実験場まで足を引き摺りながらすごいスピードで進んでいく。
一瞬、不審者かと思ったがあの巨体は生産研究所では有名な新入職員でかつ平民の自分が直接手を出せる相手ではない有名貴族であったため追求するのをやめた。
(いっ、イタぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!)
着地で痛めた足が痛いのか、マリアンヌが居たぁ~!の勝鬨なのかわからない雄叫びを心の中でぶちあげたリオネル青年。
長身の青年は身を隠せる場所はないかときょろきょろと周りを見渡すと良い感じの丸太を積み上げた場所があったのでそこに身を隠した。といってもちょっと膝をおっただけで目はしっかり積み上げた丸太の上から覗かせている。
(はうっ、女神が芋つるに慈悲を与えている!)
マリアンヌがもうすぐ収穫を迎えるスイートポテトという甘味の強い絶賛開発中の新種の芋の観察をしているところだった。
「今度の交配にはこのツルから取ろうかしら。それとも・・・」
観察日記と収穫記録を照らし合わせながら目の前の”マリアンヌの実験場”に植えられている実際の芋を丁寧に見ている。
(女神は、研究員だったのか?しかし、研究員名簿に載っていたファルマ姓の女性に該当者はいなかったはずだが・・・)
ふむっ、と思案するリオネルであったがあることに気づく。
(ファルマが旧姓ということはないか?)
衝撃的な仮定にガーン、と鳴物が脳内で響き渡って目の前が真っ暗になっているうちにマリアンヌは消えてしまった。正確には午後の仕事に戻っただけであるが。
そのあと、どうやって持ち場の研究所に帰ってきたのかわからない。心あらずな状態で仕上げた論文は学生時代の最終期に行った実験の取りまとめであったが、その画期的な内容に部内は騒然になっていた。しかしその喧騒はリオネルの耳も頭もスルーしていく。
リオネルの記憶が戻ったのは翌日の昼のこと、昨日と同じ場所で小悪魔系天使ことマリエンヌの笑顔を見た時だった。
(かわいいなぁ、あの子の夫であるやつがうらやましい・・・)
ぼーっと丸太のこちらから見つめていると、温室から出てきた老齢の男性がこちらに気がついたきがした。さっと丸太の陰に身を潜めて少し時間をおいて顔を出すと先程の老人にとびきりの笑顔を向けるマリアンヌがいた。
(もしや、あの老人が彼女の夫?)
そう考えた瞬間リオネルの体から老人に向けてすごい量の殺気が飛ばされた。
しかしその直後、リオネルの殺気は霧散し代わりにどこからかやってきた締め付けるような殺気で体が硬直させられた。
目の前の光景に目をやると老人と目が合った刹那、全身の力が抜けるような感覚が襲いくる。
(もしかして、あのジジイから飛ばされた殺気だと?)
錘をつけられたように水に沈み込むような感覚でまだ体は動かせないが頭だけは、働く。
憎い、あのオスが憎い。
体内で燻り発散できない怒りに呼応するかのように、突如空が一部曇りだし大粒の雨が研究所の上にだけ降り出した。
「ババ様、すごい雨です、温室に逃げましょう」
そう言ってマリエンヌがババビアゴの手をとり温室へと入っていった。
「はぁつ、一体なんだ・・・」
声も出ない状態から解放されると、雨足は少し弱まってきた。
「お前は、何者だ?」
驚き声のする方を見上げると先程の老人がこちらを見下ろしている。再び殺気を放たれ膝と手を濡れた地面につけさせられる。
「ぐっ、ぅ、あなたこそ何者だ?」
「私が尋ねている」
殺気の量を増やされ喉の締まる感覚に心臓が鼓動を早める。
「わ、私はリオネル・デ・オリウスだ」
「何をしていた?」
ここで黙ってもどうしようもないと悟ったリオネルは正直に答えた。
「人を探していた、ファルマ嬢だ。彼女のことを知りたい、知りたくて」
「理由は?」
「そ、それは・・・」
そうだ、なぜ彼女のことを知りたいのだろう。
「わからない、です」
「・・・惚れたな」
「なっ? ほ。ほほほほ、惚れたって?」
「着いてこい」
マリアンヌよりさらに小柄な庭師に連れられて、巨体ではあるがその線の細さが目立つ灰色の髪の幽鬼のような男がいつのまにか雨の上がった庭木の間へと消えていった。
会えない時間が少しだけ、ほんの少しだけリオネル青年を冷静にさせたが本当に一瞬だった。
見えない姿がちらつくならば、本物見ちゃえば治るのでは?という発想になったかどうかはわからないがリオネル青年は仕事の合間に時間を決めて”小悪魔系天使マリー・ファルマ嬢捜索”活動を行うこととした。
まずは、貴族銘鑑である。
国内の貴族が列挙されたこの分厚い図書の頁をめくっていく。
この国でファルマの姓は貴族の中で比較的よくあるものだ。貴族銘鑑は、姻戚関係上国内外の貴族が列挙されているためその数は多い。根気よく見ていく。しかし、該当する家門はない。
リオネルも貴族であるから、貴族銘鑑の閲覧も利用もしたことはあるが領主名以外の記載ルールは知らなかった。
(そうか、成人前の女性は後継者になるもの以外は載せていないのだな。知らなかった)
成人後は女性で未婚の場合、親と同じ欄に、また既婚女性は配偶者として夫と同じ欄に記載されるというルールもある。
(しかし、成人前だとして、貴族女性なのに労働しなくてはいけないとはよほどの事情があるのだろうか・・・食はしっかりとっているのだろうか、心配だ)
いつのまにか発想がオカンのソレになっているがリオネルは眉間の皺を深め心配をも暴走させる。
(あんなに小さく小食であるだろうに労働を強いられているとなれば婚約などは政略的で。。。まさか金に物を言わせてどこかの油ぎったジジイの後妻に、とか、あぁぁぁなんということだ)
つい先日までハリー・ウィトワの婚約者であると思い込んでいたが先日件の令息は婚約を公にし新聞に載っていたので除外された。
幼少の頃から賢いご子息と有名だった伯爵家の嫡男リオネルくんは、思い込みと妄想で肝心なことを見落としていた。
ファルマ嬢を簡単に見つける方法その1;
寮管理役の氏名と所属部門は寮の1階中央扉の掲示板に掲げられているのでそこで確認する
←マリアンヌとの遭遇を果たした後に気づく
方法その2;
ハリー・ウィトワに尋ねる
←最も簡単、最短ルート
こんな簡単なことにも気が付かず、複雑に考えすぎてしまうところが恋に振り回される哀れな童貞といったところでしょうか。
小悪魔沼から早く解放されたい、と捜索活動にがんばりつつも新入り研究所員としての仕事もおざなりにはしないシゴでき研究所員のリオネル・デ・オリウス氏もうすぐ21歳。
彼は入職早々、配属された生産研究所の連絡系統を一新する提案書を2日で書き上げ1週間後には部内の業務効率を爆上げした。
連絡ミスで度々揉めていた案件を激減させ部内の雰囲気を改善させたその功績で入職早々部門長以下、無口スペシャリストの新入職員を下にも置かない待遇で接するようになった。
おかげで彼は勤務時間中堂々と敷地内探検をしている。気分転換、発想の刷新、早くなれるためなど理由はどうにでもなり適当なことを言い連ねてもみんなで「どーぞどーぞ」と送り出してくれる。
そもそもこの連絡システムは、無口な己が楽をするためだけに考案した自己中心炸裂システムだったのだが。
(あぁ、今日も天使はこの空の下で息をしているんだろうか)
もしかしたら今いる場所に天使が降臨したかもしれないと、周り3立方メートル分の空気をすいこむ肺活量の持ち主であるリオネル君。195cmの巨体は伊達ではない。
そのときだった。
(匂う、小悪魔天使の香りがどこかからする)
股下90cmの天賦の歩幅を生かし、豪速速歩で研究棟から事務本館へとのびる渡り廊下を急ぐ。
(どこだ、どこだ、どこだ、どこだっ)
すると生産研究棟の裏手にある園芸実験場にあの茜色を見つけた。その距離80M!!!
今彼は2階の渡り廊下にいるがここから下の階まで降りていては見失うかもしれないとおもいリオネル青年飛び降りる、まるで東風暗部の達人のようなみのこなしで。
周囲にいた人間は何が起こったのかわからなかった。
先程までそこにいた長身の男が突如視界から消えた直後、下からドンっという音がした。
動体視力にすぐれたその場にいた巡回衛士が2階渡り廊下から音のする方向を見ると煙を上げて着地した白衣の男が園芸実験場まで足を引き摺りながらすごいスピードで進んでいく。
一瞬、不審者かと思ったがあの巨体は生産研究所では有名な新入職員でかつ平民の自分が直接手を出せる相手ではない有名貴族であったため追求するのをやめた。
(いっ、イタぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!)
着地で痛めた足が痛いのか、マリアンヌが居たぁ~!の勝鬨なのかわからない雄叫びを心の中でぶちあげたリオネル青年。
長身の青年は身を隠せる場所はないかときょろきょろと周りを見渡すと良い感じの丸太を積み上げた場所があったのでそこに身を隠した。といってもちょっと膝をおっただけで目はしっかり積み上げた丸太の上から覗かせている。
(はうっ、女神が芋つるに慈悲を与えている!)
マリアンヌがもうすぐ収穫を迎えるスイートポテトという甘味の強い絶賛開発中の新種の芋の観察をしているところだった。
「今度の交配にはこのツルから取ろうかしら。それとも・・・」
観察日記と収穫記録を照らし合わせながら目の前の”マリアンヌの実験場”に植えられている実際の芋を丁寧に見ている。
(女神は、研究員だったのか?しかし、研究員名簿に載っていたファルマ姓の女性に該当者はいなかったはずだが・・・)
ふむっ、と思案するリオネルであったがあることに気づく。
(ファルマが旧姓ということはないか?)
衝撃的な仮定にガーン、と鳴物が脳内で響き渡って目の前が真っ暗になっているうちにマリアンヌは消えてしまった。正確には午後の仕事に戻っただけであるが。
そのあと、どうやって持ち場の研究所に帰ってきたのかわからない。心あらずな状態で仕上げた論文は学生時代の最終期に行った実験の取りまとめであったが、その画期的な内容に部内は騒然になっていた。しかしその喧騒はリオネルの耳も頭もスルーしていく。
リオネルの記憶が戻ったのは翌日の昼のこと、昨日と同じ場所で小悪魔系天使ことマリエンヌの笑顔を見た時だった。
(かわいいなぁ、あの子の夫であるやつがうらやましい・・・)
ぼーっと丸太のこちらから見つめていると、温室から出てきた老齢の男性がこちらに気がついたきがした。さっと丸太の陰に身を潜めて少し時間をおいて顔を出すと先程の老人にとびきりの笑顔を向けるマリアンヌがいた。
(もしや、あの老人が彼女の夫?)
そう考えた瞬間リオネルの体から老人に向けてすごい量の殺気が飛ばされた。
しかしその直後、リオネルの殺気は霧散し代わりにどこからかやってきた締め付けるような殺気で体が硬直させられた。
目の前の光景に目をやると老人と目が合った刹那、全身の力が抜けるような感覚が襲いくる。
(もしかして、あのジジイから飛ばされた殺気だと?)
錘をつけられたように水に沈み込むような感覚でまだ体は動かせないが頭だけは、働く。
憎い、あのオスが憎い。
体内で燻り発散できない怒りに呼応するかのように、突如空が一部曇りだし大粒の雨が研究所の上にだけ降り出した。
「ババ様、すごい雨です、温室に逃げましょう」
そう言ってマリエンヌがババビアゴの手をとり温室へと入っていった。
「はぁつ、一体なんだ・・・」
声も出ない状態から解放されると、雨足は少し弱まってきた。
「お前は、何者だ?」
驚き声のする方を見上げると先程の老人がこちらを見下ろしている。再び殺気を放たれ膝と手を濡れた地面につけさせられる。
「ぐっ、ぅ、あなたこそ何者だ?」
「私が尋ねている」
殺気の量を増やされ喉の締まる感覚に心臓が鼓動を早める。
「わ、私はリオネル・デ・オリウスだ」
「何をしていた?」
ここで黙ってもどうしようもないと悟ったリオネルは正直に答えた。
「人を探していた、ファルマ嬢だ。彼女のことを知りたい、知りたくて」
「理由は?」
「そ、それは・・・」
そうだ、なぜ彼女のことを知りたいのだろう。
「わからない、です」
「・・・惚れたな」
「なっ? ほ。ほほほほ、惚れたって?」
「着いてこい」
マリアンヌよりさらに小柄な庭師に連れられて、巨体ではあるがその線の細さが目立つ灰色の髪の幽鬼のような男がいつのまにか雨の上がった庭木の間へと消えていった。
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