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2話
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私の名前は『ルイーズ』と言うそうです。
よちよち歩きが出来る様になりました。
夜泣きと発熱の日、死んだ魚のような目をしていた私。
両親は慌てふためき、メイドの様な格好のお姉さんも慌てふためき、家中が大変でした。
しかし、絶望の淵に立たされながらも冷静な部分があり、行き交う人間模様を観察していました。
その時にっ!!魔法がある世界だと知ったんですよ~♪(ムフフ)
医者の様な爺さんが、何かを呟き、淡い光に包まれた私。
熱のだるさが消え失せ、摩訶不思議な現象に瞳を輝かせ、テンションが上がってしまった私は……。
碌に言葉も発せない癖に(なにそれっ♪魔法?どうやって使えるようになるの?)
質問攻めををしてしまいました。
キラキラの瞳で「うっきゃ♪きゃー?あうあうきゃ~?」と言ったのです。
その様子を見た両親も、メイドのお姉さんも、手と手を取り合い感涙の涙を浮かべてました。
私は反省しました。
大切に想ってくれてる両親やメイドさんに感謝と謝罪を…………。
(お父さん、お母さん、お姉さん方、ごめんなさい。この世界の楽しい事を探して、元気に過ごします。)
「とっとぅ、はっはぁ、ね~、あい。うぶぅ~あい」
すると…………。
お父さんは「父様と言ったぞっ!」と感激して スリスリ……。
お母さんも「母様って言ったわ♪」とハグ&スリスリ……。
メイドのお姉さんも、ワナワナ震えて「お嬢様ぁ~」とすすり泣く。
まさに、カオス!
もみくちゃにされて、また熱を出さなかった私はえらいと思う。
そんなこんなで健やかに成長し、歩行が出来る様になった私♪
探検中です。
もちろんメイドのお姉さんも一緒ですが。
メイドのお姉さんは、二十歳前後で名前は『ジル』と言うそうで、私のお世話担当だそうです。
よちよち歩きが出来る様になったとはいえ、転びやすいの私は手を繋いでもらってます。
行きたい所を指で指示すると付いてきてくれます。
家の中は、高級感のある家具に暖炉もあります。部屋数は……たくさん(行動範囲が狭い為、数えきれません)
お庭に行くと、テレビやアニメでしか見たことのない東屋があったり、色とりどりのお花が咲いてて 楽園のようです。
庭の端っこが見えないので、相当広いみたいです。
かなりのお金持ちっぽいので商人?もしや貴族?
推測してると、父様が帰ってきました。
馬車で……。
馬車には偉そうな紋章が施されています。
「きじょく(貴族)?」と言うと、ジルが「ええ、お嬢様は侯爵家の御息女でございますよ」と……ニッコリ。
詳しく聞こうとしたら、父様がこちらにやってきて 抱っこされてしまいました。
「ルイーズ~ただいま~いい子にしてたかい?」父様は甘々です。
やはり、異世界だろうと父親ってものは、娘には甘いみたいです。
「とぉさま~おきゃえりなさいでしゅ~きょうは、おにわとおへやをぼーけんしました」
「そうかそうか~」父様は、愛情過多です。スリスリがとまりません……。
「とぉさま、かめーをおしえてくだしゃい(父様、家名を教えてください)」
気になった事を聞いてみます。
「かめ?」
「ちあいましゅ~かめー、おにゃまえでしゅ(違います。家名、お名前です)」
「家名かぁ~ルイーズはお利口だね~」スリスリ……。
父様は、お話するだけで お利口という。
親バカっぷりが酷く話が前にすすみません。
ぷっくりと頬を膨らませて抗議します。
父様に満面の笑みを浮かべ、頬を突きます。
「ルイーズはふくれた顔も可愛いね♪家の家名は、ハウンドだよ。」
(ルイーズ・ハウンドっ!!)
前世でプレイしたゲームの一つに、全年齢対象・剣と魔法の恋愛RPG「戦巫女・悠久の時を超えて」に出てきた渋いイケメン宰相が「アベル・ハウンド」って名前だったはず……。
「とぉさまのおにゃまえは?」
「ん? アベル・ハウンドだよ♪」
(確定・・・)
一家団欒の夕食の後。
メイドのジルにお風呂に入れられ、寝かしつけられた様に見せかけて、ジルが退室するのを見届けた後、この世界の事を整理する。
確か、邪神が穢れを振り撒いて、魔物が狂暴化して荒れたこの世界。
あらゆる文献を元して、魔法省の人が異世界から巫女を召喚する。
巫女も戦えないといけないと、剣も魔法も特訓しつつ、魔物退治にレベル上げ。
剣や魔法は、攻略対象を選び、個人レッスンを申し込む。
その時、会話パートの選択肢で好感度を上げ。
絆が深まると専用の合体技も覚える。
攻略対象は王子、王子の側近、まだ生まれてない弟、まだ出会ってないルイーズの幼馴染に邪神(後に人型になる)
確か、弟が14歳で2歳離れた姉に意地悪されてたな……病弱な姉は我が儘な性格だったらしい。
毎日、言葉の暴力を浴びせられ、暗い性格になってしまった弟を優しく労わり心を解きほぐし、最後は姉と対峙して、姉を修道院に送る。(悪かったと改心して残りの人生を祈りで捧げるだっけ)
しかし、私は病弱なのか?
今は健康だけれど、気を付けるために手洗いうがいを徹底して様子を見るか。
王子は正義感が強くて王道、1週目で攻略するのにおすすめされてるだけあって、サクサク進む。
側近は腹黒で魔法に長けてた。武門に秀でている家系に生まれながら、武術の才能がなく、反面魔法は得意なものだから 家族と溝があった。その溝を巫女が埋めてハッピーエンド。
幼馴染は……自分の母親が病気で早くに亡くなったので、病弱なルイーズを気に掛けてくれる優しい子。
普段から気を張って明るくしてるけど、気の抜けない状態が続き、息苦しさを感じはじめる。
そこで巫女の優しさに触れて、涙を流しながら弱音を吐く……なかなか良い話だったな~(前世の私は涙腺弱かったもんな~)
邪神は、周回した後で解放されるストーリーだったけれど、リアルだとどうなるんだろう??
全パラメーターMAXで挑まないといけない鬼畜使用だったし。その為に、恋愛そっちのけで何周もして、ひたすらパラメーター上げの巫女帰還ノーマルエンド。
でも……この帰還エンドが曲者で、異世界が穢れに穢れきって、もう人類は助からない。
せめて、異世界の巫女だけでも助けようと元の世界に送還。(こっちの世界じゃあBADエンドじゃん)
これは回避したい……。
邪神ルート以外は軽く進むので、全年齢対象仕様のおかげだね。
よし!
これから病気になるかはわからないけど、予防できることは予防して、自分も強くなってこちらの世界のBADエンド回避するぞ!!
よちよち歩きが出来る様になりました。
夜泣きと発熱の日、死んだ魚のような目をしていた私。
両親は慌てふためき、メイドの様な格好のお姉さんも慌てふためき、家中が大変でした。
しかし、絶望の淵に立たされながらも冷静な部分があり、行き交う人間模様を観察していました。
その時にっ!!魔法がある世界だと知ったんですよ~♪(ムフフ)
医者の様な爺さんが、何かを呟き、淡い光に包まれた私。
熱のだるさが消え失せ、摩訶不思議な現象に瞳を輝かせ、テンションが上がってしまった私は……。
碌に言葉も発せない癖に(なにそれっ♪魔法?どうやって使えるようになるの?)
質問攻めををしてしまいました。
キラキラの瞳で「うっきゃ♪きゃー?あうあうきゃ~?」と言ったのです。
その様子を見た両親も、メイドのお姉さんも、手と手を取り合い感涙の涙を浮かべてました。
私は反省しました。
大切に想ってくれてる両親やメイドさんに感謝と謝罪を…………。
(お父さん、お母さん、お姉さん方、ごめんなさい。この世界の楽しい事を探して、元気に過ごします。)
「とっとぅ、はっはぁ、ね~、あい。うぶぅ~あい」
すると…………。
お父さんは「父様と言ったぞっ!」と感激して スリスリ……。
お母さんも「母様って言ったわ♪」とハグ&スリスリ……。
メイドのお姉さんも、ワナワナ震えて「お嬢様ぁ~」とすすり泣く。
まさに、カオス!
もみくちゃにされて、また熱を出さなかった私はえらいと思う。
そんなこんなで健やかに成長し、歩行が出来る様になった私♪
探検中です。
もちろんメイドのお姉さんも一緒ですが。
メイドのお姉さんは、二十歳前後で名前は『ジル』と言うそうで、私のお世話担当だそうです。
よちよち歩きが出来る様になったとはいえ、転びやすいの私は手を繋いでもらってます。
行きたい所を指で指示すると付いてきてくれます。
家の中は、高級感のある家具に暖炉もあります。部屋数は……たくさん(行動範囲が狭い為、数えきれません)
お庭に行くと、テレビやアニメでしか見たことのない東屋があったり、色とりどりのお花が咲いてて 楽園のようです。
庭の端っこが見えないので、相当広いみたいです。
かなりのお金持ちっぽいので商人?もしや貴族?
推測してると、父様が帰ってきました。
馬車で……。
馬車には偉そうな紋章が施されています。
「きじょく(貴族)?」と言うと、ジルが「ええ、お嬢様は侯爵家の御息女でございますよ」と……ニッコリ。
詳しく聞こうとしたら、父様がこちらにやってきて 抱っこされてしまいました。
「ルイーズ~ただいま~いい子にしてたかい?」父様は甘々です。
やはり、異世界だろうと父親ってものは、娘には甘いみたいです。
「とぉさま~おきゃえりなさいでしゅ~きょうは、おにわとおへやをぼーけんしました」
「そうかそうか~」父様は、愛情過多です。スリスリがとまりません……。
「とぉさま、かめーをおしえてくだしゃい(父様、家名を教えてください)」
気になった事を聞いてみます。
「かめ?」
「ちあいましゅ~かめー、おにゃまえでしゅ(違います。家名、お名前です)」
「家名かぁ~ルイーズはお利口だね~」スリスリ……。
父様は、お話するだけで お利口という。
親バカっぷりが酷く話が前にすすみません。
ぷっくりと頬を膨らませて抗議します。
父様に満面の笑みを浮かべ、頬を突きます。
「ルイーズはふくれた顔も可愛いね♪家の家名は、ハウンドだよ。」
(ルイーズ・ハウンドっ!!)
前世でプレイしたゲームの一つに、全年齢対象・剣と魔法の恋愛RPG「戦巫女・悠久の時を超えて」に出てきた渋いイケメン宰相が「アベル・ハウンド」って名前だったはず……。
「とぉさまのおにゃまえは?」
「ん? アベル・ハウンドだよ♪」
(確定・・・)
一家団欒の夕食の後。
メイドのジルにお風呂に入れられ、寝かしつけられた様に見せかけて、ジルが退室するのを見届けた後、この世界の事を整理する。
確か、邪神が穢れを振り撒いて、魔物が狂暴化して荒れたこの世界。
あらゆる文献を元して、魔法省の人が異世界から巫女を召喚する。
巫女も戦えないといけないと、剣も魔法も特訓しつつ、魔物退治にレベル上げ。
剣や魔法は、攻略対象を選び、個人レッスンを申し込む。
その時、会話パートの選択肢で好感度を上げ。
絆が深まると専用の合体技も覚える。
攻略対象は王子、王子の側近、まだ生まれてない弟、まだ出会ってないルイーズの幼馴染に邪神(後に人型になる)
確か、弟が14歳で2歳離れた姉に意地悪されてたな……病弱な姉は我が儘な性格だったらしい。
毎日、言葉の暴力を浴びせられ、暗い性格になってしまった弟を優しく労わり心を解きほぐし、最後は姉と対峙して、姉を修道院に送る。(悪かったと改心して残りの人生を祈りで捧げるだっけ)
しかし、私は病弱なのか?
今は健康だけれど、気を付けるために手洗いうがいを徹底して様子を見るか。
王子は正義感が強くて王道、1週目で攻略するのにおすすめされてるだけあって、サクサク進む。
側近は腹黒で魔法に長けてた。武門に秀でている家系に生まれながら、武術の才能がなく、反面魔法は得意なものだから 家族と溝があった。その溝を巫女が埋めてハッピーエンド。
幼馴染は……自分の母親が病気で早くに亡くなったので、病弱なルイーズを気に掛けてくれる優しい子。
普段から気を張って明るくしてるけど、気の抜けない状態が続き、息苦しさを感じはじめる。
そこで巫女の優しさに触れて、涙を流しながら弱音を吐く……なかなか良い話だったな~(前世の私は涙腺弱かったもんな~)
邪神は、周回した後で解放されるストーリーだったけれど、リアルだとどうなるんだろう??
全パラメーターMAXで挑まないといけない鬼畜使用だったし。その為に、恋愛そっちのけで何周もして、ひたすらパラメーター上げの巫女帰還ノーマルエンド。
でも……この帰還エンドが曲者で、異世界が穢れに穢れきって、もう人類は助からない。
せめて、異世界の巫女だけでも助けようと元の世界に送還。(こっちの世界じゃあBADエンドじゃん)
これは回避したい……。
邪神ルート以外は軽く進むので、全年齢対象仕様のおかげだね。
よし!
これから病気になるかはわからないけど、予防できることは予防して、自分も強くなってこちらの世界のBADエンド回避するぞ!!
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