85 / 93
第3章 策謀、紛争、ついでに縁談
(16)新たな加護の披露
しおりを挟む
収穫祭が間近に迫る他、国境付近での不穏な動きもあって落ち着かない気分のまま過ごしていたカイルは、ある日、会議室に主立った武官文官を集めた。
「皆、集まって貰ったのは他でもない。収穫祭の時期に合わせてトルファンを訪問したいと、ヴォール男爵から申し入れがあった」
開口一番のカイルの台詞に、寝耳に水だった面々は怪訝な顔を見合わせる。
「はぁ? ヴォール男爵ですか?」
「カイル様がトルファンに入って一年半以上の間、まともに交流をしてこなかったのに」
「何をしに来るんですか?」
「第一、向こうでも収穫祭とかの時期ではないんですか?」
「先方の都合は知らないが、取り敢えず断る口実もない。それで取り敢えず、了承の返事をしておいた。各自、それに伴う準備や対応をよろしく頼む」
全くと良いほど付き合いがない隣領の領主が何をしに来るのかといぶかった面々だったが、カイルが軽く頭を下げたのをみて揃って頷く。
「それはまあ……、確かに断る理由はないでしょうが……」
「よろしく頼むと言われても……」
「まあ、多少面倒ごとが増える程度でしょう」
「そうですね。宿泊や歓迎の晩餐の準備と、祭り見物に出歩く場合の護衛に人手を割くくらいですかね」
「それくらいで済むでしょうか……」
武官側の末席に座っていたエディが、独り言のように呟く。それを耳にしたロベルトが、彼に視線を向けながら尋ねた。
「エディ? お前、何か気になる事でもあるのか?」
「このひと月ほどカルスタに出向いていたんだが、情報収集をしていて時折不審な人物が出入りしているのを確認した。服装や装備から考えて、明らかにヴォール男爵の家臣ではない、客人扱い。しかし身元を示す物は明らかにしていない。真っ当な家臣や騎士ならありえない」
そこまで聞いたロベルトは、僅かに表情を険しくしながら問いを重ねる。
「つまり? 正式な使者や伝令なら保持していたり目立つところに掲示、携帯している主家の家紋や所属の騎士団章を、わざと外したりしまい込んでいる連中らしいって事か? 単なる傭兵が出入りしているという事でもなく?」
「ああ」
「そうか……」
エディの報告についてロベルトが考え込み、室内に沈黙が満ちる。するとここで、文官側の末席にいたディロスがさりげなく尋ねてきた。
「エディさん。因みに、その人達の中で最も気になる人達ってどんな人ですか?」
そう問われたエディは、本気で困ったような表情になった。
「う~ん、どんな人と言われても、説明しにくいな。取り立てて特徴のある人間ではないし。凄く気になったのは文官と武官一人ずつ、どちらも年齢は四十代前半から半ば、身長も俺より少し高い位で、顔に目立つほくろとかあざや傷とかもないし……」
「顔は記憶していますか?」
「それはまあ……。人の顔を覚えるのは得意な方だし。また見れば、あの人物だとすぐに分かるよ」
「それなら描いてみてください」
「え? 描くって、その人の絵を」
「はい」
唐突なディロスの要求に、エディは一瞬呆気に取られてから盛大に首を振った。
「いやいやいや、それは無理だって! 俺はこれまでまともに絵を描いた事なんかないからな!! せいぜい子供の頃に、地面に木の枝で落書きをした程度で!」
「カイル様に任せれば大丈夫ですよ! よろしくお願いします!」
動揺著しいエディからカイルに視線を向けたディロスは、無茶振りにも程がある要求を繰り出した。
「ディロス? 私もあまり絵は上手くないが……。第一、実際に見てもいない人物の絵など描けないぞ?」
盛大に顔を引き攣らせながら、カイルは抵抗した。しかしそれを見たディロスが、怪訝な顔になって尋ねる。
「あれ? カイル様は知らないんですか? 歴代の加護保持者の中に《見たままを本物そっくりに描ける加護》の保持者がいた筈ですけど」
「確かに、あのリストにはあったな」
ディロスの情報をダレンが肯定し、カイルは唖然としながら謝罪する。
「……そんな加護があったのか? すまない、頭に入れていなかった」
「そうと決まれば、ちょっと待っていてください!」
「ディロス?」
いきなり席を立って部屋を出て行ったディロスを、殆どの者は唖然として見送った。
「なんだ、あいつ」
「まさか今から、絵を描く準備をする気かよ」
「いくらそっくりに描けるからと言っても、画材を準備してかきあげるまでにかなりの時間がかかるだろうが」
「静粛に」
「…………」
何人かはぶちぶちと文句と非難の声を漏らしていたが、ダレンの一睨みで全員が口を閉じる。しかし大して時間をかけずに、ディロスが必要な物を手にして戻って来た。
「お待たせしました! エディさん、どうぞ!」
満面の笑みでディロスが差し出した物を見て、エディの目が点になった。目の前の紙は分かるにしても、何やら細い布をグルグルと巻き付けて先端だけ出ている黒い物を指さしながら、問いを発する。
「あの……、ディロス。これって何かな?」
「半年ほど前に、あそこのデルゾン山脈で掘り当てた鉱脈から産出した鉱物です。これまで他の場所でも見つかっていますが、貴金属としての価値は無い上に硬くないどころか脆くて、無用の産物と思われていたんですよね。でもこんな風に細い棒状に削り出せば、立派な携帯筆記具として使えるんですよ。ほら、こんな風に」
説明と同時に問題の物体を掴み上げたディロスは、手に持ってその先端を紙の上に走らせた。するとその通りに紙に黒線が書き入れられ、筆記具といえばペンとしか認識していない面々が、興味深そうな視線を向ける。
「へえ? これは凄いな。これって黒鉛だろう? 燃えないし砕けやすいし、鉱脈を見つけてもすぐ閉じられるのが常なのに」
「さすが、エディさん。知ってたんだ。じゃあよろしく。あ、カイル様も」
見聞を広めているエディに感心した目を向けてから、ディロスはカイルに向き直って声をかけた。それでカイルは言われた通り、エディに加護を行使させようとする。
「ええと……。それならエディ。悪いがその紙に、気になった人物の顔を描いて貰って良いかな?」
「はあ……。どこまで見たままを描けるかどうか分かりませんが、試してみます」
(記憶にある、見たままの画像を描き出すことができる加護。それをエディが使えるようにする。エディが以前に見た通り、絵に描くことができる)
カイルが一心不乱に、エディに付与する加護について考え始めた。対するエディはいかにも自信なさげに黒鉛の棒を手にして絵を描き始めたが、大して描いていない状態で狼狽した声を上げる。
「はぁあぁぁぁっ!? おい、嘘だろ、これっ!!」
「……………」
この場に居合わせた者は全員、カイルの加護を知らされており、エディに同情する視線を向けながら押し黙っていた。それから少しの間、エディは「そんな馬鹿な⁉︎」とか、「信じられん‼︎」などと一人で騒ぎつつも順調に描き続け、静かに黒鉛の棒を置いた。
「終わりました……」
「ああ、エディ。ご苦労」
「終わりましたが……。これ、俺が描いた絵じゃありません……」
「気持ちは分かる。ゆっくり休んでくれ」
軽く前方に絵を描いた紙を押しやりながら完成の報告をしたエディは、そのまま机に突っ伏して呻いた。それを見たカイルは、できるだけ優しい口調で彼を労う。
その間にディロスが席を立ち、エディの席まで来て問題の用紙を見下ろすと、苦々しい口調で告げた。
「皆、集まって貰ったのは他でもない。収穫祭の時期に合わせてトルファンを訪問したいと、ヴォール男爵から申し入れがあった」
開口一番のカイルの台詞に、寝耳に水だった面々は怪訝な顔を見合わせる。
「はぁ? ヴォール男爵ですか?」
「カイル様がトルファンに入って一年半以上の間、まともに交流をしてこなかったのに」
「何をしに来るんですか?」
「第一、向こうでも収穫祭とかの時期ではないんですか?」
「先方の都合は知らないが、取り敢えず断る口実もない。それで取り敢えず、了承の返事をしておいた。各自、それに伴う準備や対応をよろしく頼む」
全くと良いほど付き合いがない隣領の領主が何をしに来るのかといぶかった面々だったが、カイルが軽く頭を下げたのをみて揃って頷く。
「それはまあ……、確かに断る理由はないでしょうが……」
「よろしく頼むと言われても……」
「まあ、多少面倒ごとが増える程度でしょう」
「そうですね。宿泊や歓迎の晩餐の準備と、祭り見物に出歩く場合の護衛に人手を割くくらいですかね」
「それくらいで済むでしょうか……」
武官側の末席に座っていたエディが、独り言のように呟く。それを耳にしたロベルトが、彼に視線を向けながら尋ねた。
「エディ? お前、何か気になる事でもあるのか?」
「このひと月ほどカルスタに出向いていたんだが、情報収集をしていて時折不審な人物が出入りしているのを確認した。服装や装備から考えて、明らかにヴォール男爵の家臣ではない、客人扱い。しかし身元を示す物は明らかにしていない。真っ当な家臣や騎士ならありえない」
そこまで聞いたロベルトは、僅かに表情を険しくしながら問いを重ねる。
「つまり? 正式な使者や伝令なら保持していたり目立つところに掲示、携帯している主家の家紋や所属の騎士団章を、わざと外したりしまい込んでいる連中らしいって事か? 単なる傭兵が出入りしているという事でもなく?」
「ああ」
「そうか……」
エディの報告についてロベルトが考え込み、室内に沈黙が満ちる。するとここで、文官側の末席にいたディロスがさりげなく尋ねてきた。
「エディさん。因みに、その人達の中で最も気になる人達ってどんな人ですか?」
そう問われたエディは、本気で困ったような表情になった。
「う~ん、どんな人と言われても、説明しにくいな。取り立てて特徴のある人間ではないし。凄く気になったのは文官と武官一人ずつ、どちらも年齢は四十代前半から半ば、身長も俺より少し高い位で、顔に目立つほくろとかあざや傷とかもないし……」
「顔は記憶していますか?」
「それはまあ……。人の顔を覚えるのは得意な方だし。また見れば、あの人物だとすぐに分かるよ」
「それなら描いてみてください」
「え? 描くって、その人の絵を」
「はい」
唐突なディロスの要求に、エディは一瞬呆気に取られてから盛大に首を振った。
「いやいやいや、それは無理だって! 俺はこれまでまともに絵を描いた事なんかないからな!! せいぜい子供の頃に、地面に木の枝で落書きをした程度で!」
「カイル様に任せれば大丈夫ですよ! よろしくお願いします!」
動揺著しいエディからカイルに視線を向けたディロスは、無茶振りにも程がある要求を繰り出した。
「ディロス? 私もあまり絵は上手くないが……。第一、実際に見てもいない人物の絵など描けないぞ?」
盛大に顔を引き攣らせながら、カイルは抵抗した。しかしそれを見たディロスが、怪訝な顔になって尋ねる。
「あれ? カイル様は知らないんですか? 歴代の加護保持者の中に《見たままを本物そっくりに描ける加護》の保持者がいた筈ですけど」
「確かに、あのリストにはあったな」
ディロスの情報をダレンが肯定し、カイルは唖然としながら謝罪する。
「……そんな加護があったのか? すまない、頭に入れていなかった」
「そうと決まれば、ちょっと待っていてください!」
「ディロス?」
いきなり席を立って部屋を出て行ったディロスを、殆どの者は唖然として見送った。
「なんだ、あいつ」
「まさか今から、絵を描く準備をする気かよ」
「いくらそっくりに描けるからと言っても、画材を準備してかきあげるまでにかなりの時間がかかるだろうが」
「静粛に」
「…………」
何人かはぶちぶちと文句と非難の声を漏らしていたが、ダレンの一睨みで全員が口を閉じる。しかし大して時間をかけずに、ディロスが必要な物を手にして戻って来た。
「お待たせしました! エディさん、どうぞ!」
満面の笑みでディロスが差し出した物を見て、エディの目が点になった。目の前の紙は分かるにしても、何やら細い布をグルグルと巻き付けて先端だけ出ている黒い物を指さしながら、問いを発する。
「あの……、ディロス。これって何かな?」
「半年ほど前に、あそこのデルゾン山脈で掘り当てた鉱脈から産出した鉱物です。これまで他の場所でも見つかっていますが、貴金属としての価値は無い上に硬くないどころか脆くて、無用の産物と思われていたんですよね。でもこんな風に細い棒状に削り出せば、立派な携帯筆記具として使えるんですよ。ほら、こんな風に」
説明と同時に問題の物体を掴み上げたディロスは、手に持ってその先端を紙の上に走らせた。するとその通りに紙に黒線が書き入れられ、筆記具といえばペンとしか認識していない面々が、興味深そうな視線を向ける。
「へえ? これは凄いな。これって黒鉛だろう? 燃えないし砕けやすいし、鉱脈を見つけてもすぐ閉じられるのが常なのに」
「さすが、エディさん。知ってたんだ。じゃあよろしく。あ、カイル様も」
見聞を広めているエディに感心した目を向けてから、ディロスはカイルに向き直って声をかけた。それでカイルは言われた通り、エディに加護を行使させようとする。
「ええと……。それならエディ。悪いがその紙に、気になった人物の顔を描いて貰って良いかな?」
「はあ……。どこまで見たままを描けるかどうか分かりませんが、試してみます」
(記憶にある、見たままの画像を描き出すことができる加護。それをエディが使えるようにする。エディが以前に見た通り、絵に描くことができる)
カイルが一心不乱に、エディに付与する加護について考え始めた。対するエディはいかにも自信なさげに黒鉛の棒を手にして絵を描き始めたが、大して描いていない状態で狼狽した声を上げる。
「はぁあぁぁぁっ!? おい、嘘だろ、これっ!!」
「……………」
この場に居合わせた者は全員、カイルの加護を知らされており、エディに同情する視線を向けながら押し黙っていた。それから少しの間、エディは「そんな馬鹿な⁉︎」とか、「信じられん‼︎」などと一人で騒ぎつつも順調に描き続け、静かに黒鉛の棒を置いた。
「終わりました……」
「ああ、エディ。ご苦労」
「終わりましたが……。これ、俺が描いた絵じゃありません……」
「気持ちは分かる。ゆっくり休んでくれ」
軽く前方に絵を描いた紙を押しやりながら完成の報告をしたエディは、そのまま机に突っ伏して呻いた。それを見たカイルは、できるだけ優しい口調で彼を労う。
その間にディロスが席を立ち、エディの席まで来て問題の用紙を見下ろすと、苦々しい口調で告げた。
0
お気に入りに追加
23
あなたにおすすめの小説
義母に毒を盛られて前世の記憶を取り戻し覚醒しました、貴男は義妹と仲良くすればいいわ。
克全
ファンタジー
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
11月9日「カクヨム」恋愛日間ランキング15位
11月11日「カクヨム」恋愛週間ランキング22位
11月11日「カクヨム」恋愛月間ランキング71位
11月4日「小説家になろう」恋愛異世界転生/転移恋愛日間78位
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
【完結】おじいちゃんは元勇者
三園 七詩
ファンタジー
元勇者のおじいさんに拾われた子供の話…
親に捨てられ、周りからも見放され生きる事をあきらめた子供の前に国から追放された元勇者のおじいさんが現れる。
エイトを息子のように可愛がり…いつしか子供は強くなり過ぎてしまっていた…
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
幸福の魔法使い〜ただの転生者が史上最高の魔法使いになるまで〜
霊鬼
ファンタジー
生まれつき魔力が見えるという特異体質を持つ現代日本の会社員、草薙真はある日死んでしまう。しかし何故か目を覚ませば自分が幼い子供に戻っていて……?
生まれ直した彼の目的は、ずっと憧れていた魔法を極めること。様々な地へ訪れ、様々な人と会い、平凡な彼はやがて英雄へと成り上がっていく。
これは、ただの転生者が、やがて史上最高の魔法使いになるまでの物語である。
(小説家になろう様、カクヨム様にも掲載をしています。)
愛しいあなたが、婚約破棄を望むなら、私は喜んで受け入れます。不幸せになっても、恨まないでくださいね?
珠宮さくら
ファンタジー
妖精王の孫娘のクリティアは、美しいモノをこよなく愛する妖精。両親の死で心が一度壊れかけてしまい暴走しかけたことが、きっかけで先祖返りして加護の力が、他の妖精よりとても強くなっている。彼女の困ったところは、婚約者となる者に加護を与えすぎてしまうことだ。
そんなこと知らない婚約者のアキントスは、それまで尽くしていたクリティアを捨てて、家柄のいいアンテリナと婚約したいと一方的に破棄をする。
愛している者の望みが破棄を望むならと喜んで別れて、自国へと帰り妖精らしく暮らすことになる。
アキントスは、すっかり加護を失くして、昔の冴えない男へと戻り、何もかもが上手くいかなくなり、不幸へとまっしぐらに突き進んでいく。
※全5話。予約投稿済。
異世界転生者〜バケモノ級ダンジョンの攻略〜
海月 結城
ファンタジー
私こと、佐賀 花蓮が地球で、建設途中だったビルの近くを歩いてる時に上から降ってきた柱に押しつぶされて死に、この世界最強の2人、賢王マーリンと剣王アーサーにカレンとして転生してすぐに拾われた。そこから、厳しい訓練という試練が始まり、あらゆるものを吸収していったカレンが最後の試練だと言われ、世界最難関のダンジョンに挑む、異世界転生ダンジョン攻略物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる