196 / 639
第196話 貴族的立ち振る舞い
しおりを挟む
「さて、では改めて伺いたいのだが、アンカース卿曰く今年の魔法学院期末試験は、貴公所有のダンジョンで実施すると言うのは間違いないか?」
「はい。変更がなければその予定です。何か問題でも?」
「いや、問題はない。最初に確認しておきたかっただけだ。それと特別クラスも受け持つと聞いたが、それも間違いないな?」
「ええ。そうです」
ニールセン公は落ち着かない様子で辺りに視線を泳がせると、大きくため息を吐いた後、明らかに声が小さくなった。
その様子から聞かれてはいけない話なのかと推し測るも、隠す程の内容ではないように思う。
「その特別クラスにウチの息子がいるのだが、知っているか?」
「いいえ。一度挨拶に伺いましたが、自分の自己紹介しかしていませんので、個人のお名前は把握していません。顔を見れば思い出すかもしれませんが……」
「そうか……。どこから話せばいいものか……」
両膝の上に両肘を乗せると、項垂れるように頭を下げるニールセン公。まだ決心していないのだろう。その表情からは、迷いが見て取れる。
「ウチは代々騎士を輩出する名門。私だって若い頃は剣術指南役として王宮を訪れていた時期もある。だが、息子にはその才能がなかった。なんの因果か、息子に発現した適性は魔術。小さな頃から剣を学ばせていたものの、それが才能として開花することはなかったのだ。剣の師としては最高であろうノルディック氏を招き、学ばせたにもかかわらずだ」
「はぁ……」
だからどうしたと言わんばかりに、やる気の欠片もない生返事が出てしまう。
身の上話は正直言ってどうでもいい。さっさと核心を聞きたいのだが、相手の顔を立て、今は我慢だ。
そもそもノルディックを剣の師に迎えたのが、間違いだったのではないだろうか?
剣の使い方が上手いからといって、指導が上手いとは限らない。
あのノルディックが真面目に人にものを教えるような性格をしている様には思えなかった。
「結局剣の道は諦め、息子には魔術を学ばせることにしたのだ」
「それは、俺にノルディックの代わりをしてくれということですか? 魔術を教えろと?」
「いや、違う。息子の目を覚まさせてほしいのだ」
「はい?」
「息子を魔法学院に通わせると、メキメキとその頭角を現し数々の魔術を身につけていった。我が息子ながら恐ろしいほどの才能だ! そうは思わないか!?」
「見ていないので、わかりかねますが……」
学園では挨拶しかしていないと言っているのに、名前も知らぬ学生達の成績なぞわかるはずもない。
親バカぶりを遺憾なく発揮しながらも、その身を乗り出し声を荒げる様子は滑稽だ。
厳しそうな強面で、さらには体育会系のような体格。そのギャップが余計にそう感じてしまう。
親が子供を思う気持ちはわからなくもないが、それを他人に押し付けるのはいかがなものか……。
「息子はそれを鼻にかけているんだ。学院内では手の付けられないほどの問題児で、私の名前を使い好き放題だという噂。残念だが、今の息子に家督を譲ることは出来ない。貴族としての礼儀作法は全て叩き込んでいるはずなのだが、あれでは家を潰してしまいかねないのだ」
「失礼ですが、息子さんのお名前は?」
「アレックスだ。アレックス・ディ・ニールセン。良い名前だろう?」
「そ……そうですね……」
顔が引きつらないよう当たり障りなく相槌を打つ。
特別クラスの問題児と聞いて、なんとなくそうじゃないかとは思っていたが、やはりあのクソガキのことらしい。
……というか、すでに詰んでいる気がする。あの性格を正すのは、生半可な努力では実を結ばないだろう。
俺が奴の師であるノルディックを殺したのだ。それ相応の恨みを向けられても仕方がない。
「何故自分なんです? ノルディックの件は知っていますよね? ならば自分は不適格では?」
「確かにそうだ。貴公も私の属している派閥は知っているだろう。少なからず恨みもある。だが、任せられるのが貴公しかいない」
「と、いいますと?」
「アレックスの実力は、冒険者の物差しで測ればシルバーとゴールドの間といったところだ。そこそこ腕は立つだろう。少なくともそれ以上の実力者が必要なんだ」
「それはいくらでもいるのでは? 学院の教師でも可能だとは存じますが?」
「そうじゃない。重要なのは貴族に屈しない者でなければならない事だ。それが絶対条件なのだ」
確かに俺になら実力でも敵わず、権力を振るっても意味がない。
とはいえ、相手は俺のことを良く思っておらず、マイナスからのスタート。前途多難だ。
「言いたいことはわかりました。ですが、それを俺が引き受けると思いますか?」
「もちろんそれ相応の報酬を用意しよう。言い値で出す……と言いたいところだが、失礼ながら貴公を調べさせてもらった。カネは受け取らないのだろう?」
「絶対に受け取らないという訳ではありません。生活に困窮すればお金は必要。ただ、今は必要ないだけです。といっても、面倒な仕事はいくら積まれてもお断りしますけどね」
「申し訳ないが貴公の報酬として何が最適なのか、私にはわかりかねる。なので、希望を言ってみたまえ。可能な限り応えようじゃないか」
そんなことを急に言われても、困ってしまう。
お金で買える物で欲しい物なんか何もない。強いて言うなら自由が欲しいと言いたいところではあるが、いくら大貴族とてそれに応えることは土台無理な話。
これ以上俺に関わるなというのが最適解にも思えるが、ニールセン家だけを牽制したところでどれだけ効果が見込めるかは不透明。
暫く悩んだところで待ちくたびれたのか、ニールセン公が1つの提案を切り出した。
「ではこうしよう。学院の期末試験前に生徒同士の試合が行われる。生徒が試験を受けられるかどうかの最終確認的な意味合いが強い模擬戦だが、私はそこに顔を出す予定だ。貴公も息子の実力を見て判断してくれればいい。その時、返事を聞こうじゃないか。どうだ?」
「それは構いませんが、まだアレックスさんの目を覚まさせてほしいとしか聞いていません。具体的な内容を教えていただかなければ……」
「貴公の好きにするといい。息子の根性を叩き直せばいいんだ。魔法が優秀だからと、それを鼻に掛けない本来の貴族らしい立ち振る舞いを思い出させてやればそれでよい。殺さなければ何をしてくれても構わない」
「……腕を切り落としても構わないと?」
悪魔の様な表情に見えただろう。もちろんそんなつもりはないが、人選ミスだと思わせれば諦めるかもしれないと、ワザと虚勢を張って見せた。
それを聞いたニールセン公の顔が一瞬歪むも、怒りを露にしたという感じではなく、恐らくそうなってしまったアレックスを想像してしまったのだろう。
俺はノルディックを殺したのだ。ならば非道な事もやってのける。そう考えたのかもしれない。
しかし、ニールセン公が俺の事を調べたのならばわかるはず。だからこそネストの許可を得てまで、直接コット村へと出向いてきたのだろう。
俺の立ち振る舞いは、貴族には程遠いものだ。だが、礼儀知らずではないと自負している。
権力を振りかざす者には尻尾を振らず、礼を尽くせばそれには応じる。それだけの簡単な話なのである。
「貴公がそれを必要とするならば、やむをえまい……」
諦めにも似た表情。少々演技臭い気もするが、悩み抜いた末の結論という様相は窺える。
正直に言えば、怒鳴られるくらいは覚悟していた。家庭教師の延長線程度の考えだと思っていたからだ。
だが、恐らくは本気なのだろう。ニールセン公の中では、それほど大きな悩みなのだ。
「わかりました。一応は検討してみましょう」
「色よい返事を期待している」
ニールセン公が立ち上がると、今度は自分から握手を求めた。その表情は真剣そのもの。
俺はそれに応えると、ニールセン公はコット村を後にしたのだ。
「どうだった? カガリ」
「嘘は言っていないですね。ですが平常心でもない。主に対しては半信半疑といったところでしょう」
「そうか……」
その日の夜。自室でベッドに横たわりながら、昼間の事を考えていた。
ニールセン公は人払いを命じた。恐らく他の者には聞かれたくなかったのだろうが、口止めはされていない。といっても、それを触れ回るような真似はしない。
ただ、従魔達の聴覚が優れていただけ。カガリは部屋の外から話を聞いていただけなのだ。
もちろん隣にはミアもいるが、既に就寝中。それを起こさないようヒソヒソと小声で話している。
「で、その依頼。受けるのですか?」
「受ける意味は薄いと思っている。受けたとしてもそれはネストさんの顔を立ててという意味合いが強いだろうな……」
ニールセン公に恩を売っておくという考え方もあるにはあるが……。簡単な仕事ではない。
人の考えを変えるということが、どれほど難しい事か……。俺の場合、まずは信用を得る所から始めなければならないだろう。
ボコボコにして正座させたのち、説法でも解いてやれば心を入れ替えるなんて簡単な話ではないのだ。
報酬が決まれば、その為に頑張ろうとやる気も出そうなものだが……。
「カガリは、何か欲しいものはあるか?」
「そうですね……。主とミアの傍にいることが出来れば何もいりませんが、強いて言うなら何が起きても冷静でいられる鋼の精神でしょうか……」
「そんなものが貰えるなら、是非いただきたいものだ」
クスクスと声を殺して笑う俺とカガリ。
「んむぅ……。おにーちゃん、まだ起きてるの?」
「あぁ、すまない。今寝ようと思っていたところだ」
起きてしまったミアの頭を笑顔で撫でてやると、ミアはすぐに目を閉じ寝息を立て始めた。
それを確認してからカガリに目で合図を送ると、空中に漂っていた蝋燭ほどの狐火がその役目を終え、村の夜は更けていった。
「はい。変更がなければその予定です。何か問題でも?」
「いや、問題はない。最初に確認しておきたかっただけだ。それと特別クラスも受け持つと聞いたが、それも間違いないな?」
「ええ。そうです」
ニールセン公は落ち着かない様子で辺りに視線を泳がせると、大きくため息を吐いた後、明らかに声が小さくなった。
その様子から聞かれてはいけない話なのかと推し測るも、隠す程の内容ではないように思う。
「その特別クラスにウチの息子がいるのだが、知っているか?」
「いいえ。一度挨拶に伺いましたが、自分の自己紹介しかしていませんので、個人のお名前は把握していません。顔を見れば思い出すかもしれませんが……」
「そうか……。どこから話せばいいものか……」
両膝の上に両肘を乗せると、項垂れるように頭を下げるニールセン公。まだ決心していないのだろう。その表情からは、迷いが見て取れる。
「ウチは代々騎士を輩出する名門。私だって若い頃は剣術指南役として王宮を訪れていた時期もある。だが、息子にはその才能がなかった。なんの因果か、息子に発現した適性は魔術。小さな頃から剣を学ばせていたものの、それが才能として開花することはなかったのだ。剣の師としては最高であろうノルディック氏を招き、学ばせたにもかかわらずだ」
「はぁ……」
だからどうしたと言わんばかりに、やる気の欠片もない生返事が出てしまう。
身の上話は正直言ってどうでもいい。さっさと核心を聞きたいのだが、相手の顔を立て、今は我慢だ。
そもそもノルディックを剣の師に迎えたのが、間違いだったのではないだろうか?
剣の使い方が上手いからといって、指導が上手いとは限らない。
あのノルディックが真面目に人にものを教えるような性格をしている様には思えなかった。
「結局剣の道は諦め、息子には魔術を学ばせることにしたのだ」
「それは、俺にノルディックの代わりをしてくれということですか? 魔術を教えろと?」
「いや、違う。息子の目を覚まさせてほしいのだ」
「はい?」
「息子を魔法学院に通わせると、メキメキとその頭角を現し数々の魔術を身につけていった。我が息子ながら恐ろしいほどの才能だ! そうは思わないか!?」
「見ていないので、わかりかねますが……」
学園では挨拶しかしていないと言っているのに、名前も知らぬ学生達の成績なぞわかるはずもない。
親バカぶりを遺憾なく発揮しながらも、その身を乗り出し声を荒げる様子は滑稽だ。
厳しそうな強面で、さらには体育会系のような体格。そのギャップが余計にそう感じてしまう。
親が子供を思う気持ちはわからなくもないが、それを他人に押し付けるのはいかがなものか……。
「息子はそれを鼻にかけているんだ。学院内では手の付けられないほどの問題児で、私の名前を使い好き放題だという噂。残念だが、今の息子に家督を譲ることは出来ない。貴族としての礼儀作法は全て叩き込んでいるはずなのだが、あれでは家を潰してしまいかねないのだ」
「失礼ですが、息子さんのお名前は?」
「アレックスだ。アレックス・ディ・ニールセン。良い名前だろう?」
「そ……そうですね……」
顔が引きつらないよう当たり障りなく相槌を打つ。
特別クラスの問題児と聞いて、なんとなくそうじゃないかとは思っていたが、やはりあのクソガキのことらしい。
……というか、すでに詰んでいる気がする。あの性格を正すのは、生半可な努力では実を結ばないだろう。
俺が奴の師であるノルディックを殺したのだ。それ相応の恨みを向けられても仕方がない。
「何故自分なんです? ノルディックの件は知っていますよね? ならば自分は不適格では?」
「確かにそうだ。貴公も私の属している派閥は知っているだろう。少なからず恨みもある。だが、任せられるのが貴公しかいない」
「と、いいますと?」
「アレックスの実力は、冒険者の物差しで測ればシルバーとゴールドの間といったところだ。そこそこ腕は立つだろう。少なくともそれ以上の実力者が必要なんだ」
「それはいくらでもいるのでは? 学院の教師でも可能だとは存じますが?」
「そうじゃない。重要なのは貴族に屈しない者でなければならない事だ。それが絶対条件なのだ」
確かに俺になら実力でも敵わず、権力を振るっても意味がない。
とはいえ、相手は俺のことを良く思っておらず、マイナスからのスタート。前途多難だ。
「言いたいことはわかりました。ですが、それを俺が引き受けると思いますか?」
「もちろんそれ相応の報酬を用意しよう。言い値で出す……と言いたいところだが、失礼ながら貴公を調べさせてもらった。カネは受け取らないのだろう?」
「絶対に受け取らないという訳ではありません。生活に困窮すればお金は必要。ただ、今は必要ないだけです。といっても、面倒な仕事はいくら積まれてもお断りしますけどね」
「申し訳ないが貴公の報酬として何が最適なのか、私にはわかりかねる。なので、希望を言ってみたまえ。可能な限り応えようじゃないか」
そんなことを急に言われても、困ってしまう。
お金で買える物で欲しい物なんか何もない。強いて言うなら自由が欲しいと言いたいところではあるが、いくら大貴族とてそれに応えることは土台無理な話。
これ以上俺に関わるなというのが最適解にも思えるが、ニールセン家だけを牽制したところでどれだけ効果が見込めるかは不透明。
暫く悩んだところで待ちくたびれたのか、ニールセン公が1つの提案を切り出した。
「ではこうしよう。学院の期末試験前に生徒同士の試合が行われる。生徒が試験を受けられるかどうかの最終確認的な意味合いが強い模擬戦だが、私はそこに顔を出す予定だ。貴公も息子の実力を見て判断してくれればいい。その時、返事を聞こうじゃないか。どうだ?」
「それは構いませんが、まだアレックスさんの目を覚まさせてほしいとしか聞いていません。具体的な内容を教えていただかなければ……」
「貴公の好きにするといい。息子の根性を叩き直せばいいんだ。魔法が優秀だからと、それを鼻に掛けない本来の貴族らしい立ち振る舞いを思い出させてやればそれでよい。殺さなければ何をしてくれても構わない」
「……腕を切り落としても構わないと?」
悪魔の様な表情に見えただろう。もちろんそんなつもりはないが、人選ミスだと思わせれば諦めるかもしれないと、ワザと虚勢を張って見せた。
それを聞いたニールセン公の顔が一瞬歪むも、怒りを露にしたという感じではなく、恐らくそうなってしまったアレックスを想像してしまったのだろう。
俺はノルディックを殺したのだ。ならば非道な事もやってのける。そう考えたのかもしれない。
しかし、ニールセン公が俺の事を調べたのならばわかるはず。だからこそネストの許可を得てまで、直接コット村へと出向いてきたのだろう。
俺の立ち振る舞いは、貴族には程遠いものだ。だが、礼儀知らずではないと自負している。
権力を振りかざす者には尻尾を振らず、礼を尽くせばそれには応じる。それだけの簡単な話なのである。
「貴公がそれを必要とするならば、やむをえまい……」
諦めにも似た表情。少々演技臭い気もするが、悩み抜いた末の結論という様相は窺える。
正直に言えば、怒鳴られるくらいは覚悟していた。家庭教師の延長線程度の考えだと思っていたからだ。
だが、恐らくは本気なのだろう。ニールセン公の中では、それほど大きな悩みなのだ。
「わかりました。一応は検討してみましょう」
「色よい返事を期待している」
ニールセン公が立ち上がると、今度は自分から握手を求めた。その表情は真剣そのもの。
俺はそれに応えると、ニールセン公はコット村を後にしたのだ。
「どうだった? カガリ」
「嘘は言っていないですね。ですが平常心でもない。主に対しては半信半疑といったところでしょう」
「そうか……」
その日の夜。自室でベッドに横たわりながら、昼間の事を考えていた。
ニールセン公は人払いを命じた。恐らく他の者には聞かれたくなかったのだろうが、口止めはされていない。といっても、それを触れ回るような真似はしない。
ただ、従魔達の聴覚が優れていただけ。カガリは部屋の外から話を聞いていただけなのだ。
もちろん隣にはミアもいるが、既に就寝中。それを起こさないようヒソヒソと小声で話している。
「で、その依頼。受けるのですか?」
「受ける意味は薄いと思っている。受けたとしてもそれはネストさんの顔を立ててという意味合いが強いだろうな……」
ニールセン公に恩を売っておくという考え方もあるにはあるが……。簡単な仕事ではない。
人の考えを変えるということが、どれほど難しい事か……。俺の場合、まずは信用を得る所から始めなければならないだろう。
ボコボコにして正座させたのち、説法でも解いてやれば心を入れ替えるなんて簡単な話ではないのだ。
報酬が決まれば、その為に頑張ろうとやる気も出そうなものだが……。
「カガリは、何か欲しいものはあるか?」
「そうですね……。主とミアの傍にいることが出来れば何もいりませんが、強いて言うなら何が起きても冷静でいられる鋼の精神でしょうか……」
「そんなものが貰えるなら、是非いただきたいものだ」
クスクスと声を殺して笑う俺とカガリ。
「んむぅ……。おにーちゃん、まだ起きてるの?」
「あぁ、すまない。今寝ようと思っていたところだ」
起きてしまったミアの頭を笑顔で撫でてやると、ミアはすぐに目を閉じ寝息を立て始めた。
それを確認してからカガリに目で合図を送ると、空中に漂っていた蝋燭ほどの狐火がその役目を終え、村の夜は更けていった。
11
お気に入りに追加
384
あなたにおすすめの小説

ダンジョンで有名モデルを助けたら公式配信に映っていたようでバズってしまいました。
夜兎ましろ
ファンタジー
高校を卒業したばかりの少年――夜見ユウは今まで鍛えてきた自分がダンジョンでも通用するのかを知るために、はじめてのダンジョンへと向かう。もし、上手くいけば冒険者にもなれるかもしれないと考えたからだ。
ダンジョンに足を踏み入れたユウはとある女性が魔物に襲われそうになっているところに遭遇し、魔法などを使って女性を助けたのだが、偶然にもその瞬間がダンジョンの公式配信に映ってしまっており、ユウはバズってしまうことになる。
バズってしまったならしょうがないと思い、ユウは配信活動をはじめることにするのだが、何故か助けた女性と共に配信を始めることになるのだった。

クラス召喚に巻き込まれてしまいました…… ~隣のクラスがクラス召喚されたけど俺は別のクラスなのでお呼びじゃないみたいです~
はなとすず
ファンタジー
俺は佐藤 響(さとう ひびき)だ。今年、高校一年になって高校生活を楽しんでいる。
俺が通う高校はクラスが4クラスある。俺はその中で2組だ。高校には仲のいい友達もいないしもしかしたらこのままボッチかもしれない……コミュニケーション能力ゼロだからな。
ある日の昼休み……高校で事は起こった。
俺はたまたま、隣のクラス…1組に行くと突然教室の床に白く光る模様が現れ、その場にいた1組の生徒とたまたま教室にいた俺は異世界に召喚されてしまった。
しかも、召喚した人のは1組だけで違うクラスの俺はお呼びじゃないらしい。だから俺は、一人で異世界を旅することにした。
……この物語は一人旅を楽しむ俺の物語……のはずなんだけどなぁ……色々、トラブルに巻き込まれながら俺は異世界生活を謳歌します!

私のスキルが、クエストってどういうこと?
地蔵
ファンタジー
スキルが全ての世界。
十歳になると、成人の儀を受けて、神から『スキル』を授かる。
スキルによって、今後の人生が決まる。
当然、素晴らしい『当たりスキル』もあれば『外れスキル』と呼ばれるものもある。
聞いた事の無いスキル『クエスト』を授かったリゼは、親からも見捨てられて一人で生きていく事に……。
少し人間不信気味の女の子が、スキルに振り回されながら生きて行く物語。
一話辺りは約三千文字前後にしております。
更新は、毎週日曜日の十六時予定です。
『小説家になろう』『カクヨム』でも掲載しております。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
俺だけ永久リジェネな件 〜パーティーを追放されたポーション生成師の俺、ポーションがぶ飲みで得た無限回復スキルを何故かみんなに狙われてます!〜
早見羽流
ファンタジー
ポーション生成師のリックは、回復魔法使いのアリシアがパーティーに加入したことで、役たたずだと追放されてしまう。
食い物に困って余ったポーションを飲みまくっていたら、気づくとHPが自動で回復する「リジェネレーション」というユニークスキルを発現した!
しかし、そんな便利なスキルが放っておかれるわけもなく、はぐれ者の魔女、孤高の天才幼女、マッドサイエンティスト、魔女狩り集団、最強の仮面騎士、深窓の令嬢、王族、謎の巨乳魔術師、エルフetc、ヤバい奴らに狙われることに……。挙句の果てには人助けのために、危険な組織と対決することになって……?
「俺はただ平和に暮らしたいだけなんだぁぁぁぁぁ!!!」
そんなリックの叫びも虚しく、王国中を巻き込んだ動乱に巻き込まれていく。
無双あり、ざまぁあり、ハーレムあり、戦闘あり、友情も恋愛もありのドタバタファンタジー!

家の庭にレアドロップダンジョンが生えた~神話級のアイテムを使って普通のダンジョンで無双します~
芦屋貴緒
ファンタジー
売れないイラストレーターである里見司(さとみつかさ)の家にダンジョンが生えた。
駆除業者も呼ぶことができない金欠ぶりに「ダンジョンで手に入れたものを売ればいいのでは?」と考え潜り始める。
だがそのダンジョンで手に入るアイテムは全て他人に譲渡できないものだったのだ。
彼が財宝を鑑定すると驚愕の事実が判明する。
経験値も金にもならないこのダンジョン。
しかし手に入るものは全て高ランクのダンジョンでも入手困難なレアアイテムばかり。
――じゃあ、アイテムの力で強くなって普通のダンジョンで稼げばよくない?
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)

異世界から帰ってきた勇者は既に擦り切れている。
暁月ライト
ファンタジー
魔王を倒し、邪神を滅ぼし、五年の冒険の果てに役割を終えた勇者は地球へと帰還する。 しかし、遂に帰還した地球では何故か三十年が過ぎており……しかも、何故か普通に魔術が使われており……とはいえ最強な勇者がちょっとおかしな現代日本で無双するお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる