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神風特攻隊
特攻隊による体当たり攻撃、開始
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特攻隊による体当たり攻撃が、本格的に始まりました。
特攻作戦には、知覧基地を始め、
宮崎県の都城など九州の各地、
統治していた台湾など多くの基地から出撃していました。
その中でも、知覧基地が本土最南端で、
最も多くの隊員が出撃しました。
「高橋、田中。」
「「はっ!」」
「行ってくる。」
互いに敬礼をします。
「川本曹長、今までお世話になりました!」
「どうか後は我々にお任せ下さい。」
「あぁ。」
川本曹長は、知覧行きの船に乗りました。
高橋曹長と私は、川本曹長の姿が見えなくなるまで、ずっと敬礼を続けました。
その数日後、川本曹長が特攻して亡くなった事を高橋曹長から聞きました。
◇
それから、次々と兵士が知覧へ送られる事になりました。
そして...とうとう私達の番が来ました。
「進さん...!!!嫌ぁ!!」
長谷川くんが、一足早く行く事になりました。
「高橋曹長!!私も特攻させて下さい!!」
松本さんは、泣きながら高橋曹長に訴えました。
「......」
「人数は1人でも多い方が良いですよね!?」
「しかし...」
「莉子。辞めるんや。」
「!!」
長谷川くんの一言で、松本さんは少し落ち着いたみたいです。
「ごめんなさい...。」
「いや。こちらこそすまん。
俺には人事をどうにかする力は無いんや。」
「ぅ...」
ポロポロと涙を流す松本さんを、
長谷川くんは優しく抱き締めました。
◇
いつか、
『4人で帰省しよう。』
と約束をしました。
ですが、それは叶う事はありませんでした。
「んじゃ、先に帰省させてもらうわ。」
任務の都合上、どうしても4人揃うのは無理でした。
米田くんと長谷川くんが、先に帰省する事になりました。
「うん。紗和さん達によろしくね。」
「おう。」
「昴、頼みがある。」
「どうしたの?」
「俺が帰省していない間...莉子を頼んだ。」
「うん。」
松本さんも帰れたら良かったのですが...。
汽車に乗り込み、三宮へと向かう2人を
ずっと見詰めていました。
きっとこれが最期の帰省となるでしょう。
「(次は僕か...)」
特攻作戦には、知覧基地を始め、
宮崎県の都城など九州の各地、
統治していた台湾など多くの基地から出撃していました。
その中でも、知覧基地が本土最南端で、
最も多くの隊員が出撃しました。
「高橋、田中。」
「「はっ!」」
「行ってくる。」
互いに敬礼をします。
「川本曹長、今までお世話になりました!」
「どうか後は我々にお任せ下さい。」
「あぁ。」
川本曹長は、知覧行きの船に乗りました。
高橋曹長と私は、川本曹長の姿が見えなくなるまで、ずっと敬礼を続けました。
その数日後、川本曹長が特攻して亡くなった事を高橋曹長から聞きました。
◇
それから、次々と兵士が知覧へ送られる事になりました。
そして...とうとう私達の番が来ました。
「進さん...!!!嫌ぁ!!」
長谷川くんが、一足早く行く事になりました。
「高橋曹長!!私も特攻させて下さい!!」
松本さんは、泣きながら高橋曹長に訴えました。
「......」
「人数は1人でも多い方が良いですよね!?」
「しかし...」
「莉子。辞めるんや。」
「!!」
長谷川くんの一言で、松本さんは少し落ち着いたみたいです。
「ごめんなさい...。」
「いや。こちらこそすまん。
俺には人事をどうにかする力は無いんや。」
「ぅ...」
ポロポロと涙を流す松本さんを、
長谷川くんは優しく抱き締めました。
◇
いつか、
『4人で帰省しよう。』
と約束をしました。
ですが、それは叶う事はありませんでした。
「んじゃ、先に帰省させてもらうわ。」
任務の都合上、どうしても4人揃うのは無理でした。
米田くんと長谷川くんが、先に帰省する事になりました。
「うん。紗和さん達によろしくね。」
「おう。」
「昴、頼みがある。」
「どうしたの?」
「俺が帰省していない間...莉子を頼んだ。」
「うん。」
松本さんも帰れたら良かったのですが...。
汽車に乗り込み、三宮へと向かう2人を
ずっと見詰めていました。
きっとこれが最期の帰省となるでしょう。
「(次は僕か...)」
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