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学生時代

真珠湾攻撃

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1941年12月8日。
日本軍はハワイにある真珠湾を攻撃し、
その1時間前にマレー半島にも上陸しました。


太平洋戦争の開戦です。


真珠湾攻撃は、アメリカ側の虚を突く為の極秘作戦でした。
戦果に人々は熱狂していました。
しかし、その戦果の裏には多くの犠牲がありました。
その事を知ったのは、大分時を経てからになりましたが…。

「ますます訓練に励まんとな!」
「ああ!」

米田くんと長谷川くんが、臨時ニュースの話題で熱を上げている時、
白川くんが俯いて黙っている事に気が付きました。

「………」
「白川くん、どないしたん?」

よく見ると、白川くんの顔色が悪い気がしました。

「え?あ、いや、何でもない!」
「何でも無さそうには見えんのやけど…」
「今朝の臨時ニュースで、真珠湾を撃破した方達みたいに、自分も立派な軍人にならんとなぁ
って、心に刻んでたんよ。」
「………」

白川くんが嘘を付いている気がしましたが、
詮索するのは良くないなと思い、
何も聞きませんでした。

「そっか。…うん、僕もそう思ったよ。」



それから更に、一生懸命訓練に励みました。
私は相変わらず劣等生でしたので、
教官からの体罰はよくある事でした。
その度、長谷川くんと白川くんが手当をしてくれました。

「僕って軍人向いてないんかなぁ…」

寮の部屋で、うっかり弱音を呟いてしまいました。
すると米田くんから

「どうしたん昴。珍しく弱気やん。」

と返って来ました。

「いつも教官にボコボコにされても、
次の訓練の時にはケロッとしとるのに。」
「米田くんは僕の事を何やと思ってるん?」

精神力化け物とでも思っていたのでしょうか。

「気にしすぎんな昴。お前は立派な奴だよ。俺なんかと違って。」
「え?米田くん、何て?」
「いや?はじめて会った時に比べて、
だいぶ方向感覚掴める様になったから、
成長してるで!って言っただけ。」
「ほんま!?良かった…!!」
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