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溺愛系美形変態年下騎士×鈍感真面目ムチムチ最強騎士①
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コンコンコンと部屋の扉が叩かれた。
「どうぞ」
「失礼します。団長、先の遠征で使った備品について……し、失礼しました!」
書類を片手に入って来た団員は、そう慌てたように部屋を出て行った。なんだろうと疑問に思ったが、姿見に映った自分の姿を見て気づく。鍛錬の後に水を浴びてから肌着のままだった。これは人に見せる姿ではなかったなと、王国騎士団団長グラディウスは反省する。服はどこだったかと部屋を見回して探し、ソファに置いたままだったシャツを見つけると、それに手を通した。再び姿見の前に立ちボタンを閉めていると、再び部屋の扉が叩かれた。
「すまない、少し待って___」
「グラディウス」
せめてボタンを閉め終わるまでは待ってもらおうと思った矢先、扉を叩いた人間はグラディウスの返事も聞かずにその扉を開けた。
「セ、セレネス……」
果たして、部屋に入って来た人間は、王国騎士団副団長セレネス・アステールその人だった。セレネスは傍目で分かるほどに機嫌が悪く、後ろ手で扉を閉めると、彼はグラディウスを睨みつける。グラディウスは、しまったとそう思った。
「違うんだ、セレネス。俺は」
「ついさっき、顔を赤くした団員が走る様にしてこの部屋から出てくるのが見えました」
底冷えするような、そんな冷たく鋭い目つきだった。想像していたよりもセレネスが怒っていることに気付き、グラディウスは内心冷や汗を流す。どうにかして彼の怒りを鎮めなければ。しかし、今さら慌てたところでどうすることもできない。セレネスはゆっくりと、しかし確かな足取りでグラディウスに近づきながら、もう一度「グラディウス」と名前を呼んだ。
「今、シャツを着ようとしているようですが、ということは、シャツを着ないまま他人を部屋に呼んだのですね?」
「いや、それは」
「呼んだのですよね? その、胸の谷間を強調するような格好で? 他人の目が届かないこの部屋に?」
グラディウスは「ち、違うんだ」と口走ったが、セレネスは聞く耳を持たない。彼は、完全にグラディウスの失態に怒っているようだった。グラディウスは、ごくりと唾を飲み込んだ。
「全く、あなたは……いくら言っても態度を改める気はないのですね」
「そんな、つもりは……」
セレネスがグラディウスの前に立った。そのすらりと長い指が、グラディウスの着ているシャツのボタンにかかる。
「グラディウス、隣の仮眠室に行きましょうか。迂闊な行動を取るとどうなるか……あなたが反省するまで、その身体に教えてさしあげますね」
「どうぞ」
「失礼します。団長、先の遠征で使った備品について……し、失礼しました!」
書類を片手に入って来た団員は、そう慌てたように部屋を出て行った。なんだろうと疑問に思ったが、姿見に映った自分の姿を見て気づく。鍛錬の後に水を浴びてから肌着のままだった。これは人に見せる姿ではなかったなと、王国騎士団団長グラディウスは反省する。服はどこだったかと部屋を見回して探し、ソファに置いたままだったシャツを見つけると、それに手を通した。再び姿見の前に立ちボタンを閉めていると、再び部屋の扉が叩かれた。
「すまない、少し待って___」
「グラディウス」
せめてボタンを閉め終わるまでは待ってもらおうと思った矢先、扉を叩いた人間はグラディウスの返事も聞かずにその扉を開けた。
「セ、セレネス……」
果たして、部屋に入って来た人間は、王国騎士団副団長セレネス・アステールその人だった。セレネスは傍目で分かるほどに機嫌が悪く、後ろ手で扉を閉めると、彼はグラディウスを睨みつける。グラディウスは、しまったとそう思った。
「違うんだ、セレネス。俺は」
「ついさっき、顔を赤くした団員が走る様にしてこの部屋から出てくるのが見えました」
底冷えするような、そんな冷たく鋭い目つきだった。想像していたよりもセレネスが怒っていることに気付き、グラディウスは内心冷や汗を流す。どうにかして彼の怒りを鎮めなければ。しかし、今さら慌てたところでどうすることもできない。セレネスはゆっくりと、しかし確かな足取りでグラディウスに近づきながら、もう一度「グラディウス」と名前を呼んだ。
「今、シャツを着ようとしているようですが、ということは、シャツを着ないまま他人を部屋に呼んだのですね?」
「いや、それは」
「呼んだのですよね? その、胸の谷間を強調するような格好で? 他人の目が届かないこの部屋に?」
グラディウスは「ち、違うんだ」と口走ったが、セレネスは聞く耳を持たない。彼は、完全にグラディウスの失態に怒っているようだった。グラディウスは、ごくりと唾を飲み込んだ。
「全く、あなたは……いくら言っても態度を改める気はないのですね」
「そんな、つもりは……」
セレネスがグラディウスの前に立った。そのすらりと長い指が、グラディウスの着ているシャツのボタンにかかる。
「グラディウス、隣の仮眠室に行きましょうか。迂闊な行動を取るとどうなるか……あなたが反省するまで、その身体に教えてさしあげますね」
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