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副団長 × アミル

痛いほどに甘い ★

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 扉が閉じるのももどかしく感じた。
 大きなベッドがそこにあるのに扉に背を押し付けられ制服をはだけさせられる。
 まだ立ち上がっていない乳首を舌で突かれびくりと身体を揺らす。

「カイルっ……! 待……っ」

「えー? ヤダ」

「ベッドがそこにあるでしょう!?」

 なんでこんな立ったまま制服も脱がないで始めるのか。

「立ってられないくらい感じるアミルが見たいから?」

 適当な返事だと思うのに見下ろす瞳はそれを裏付けるように楽しそうに細められている。

「アミルだって嫌いじゃないでしょう?」

 近づいてきたカイルの唇が耳元に触れながら囁きを耳に吹き込む。
 腰を指でなぞりながら耳を齧り腿を撫で上げる。
 そのどれにもぞくりと震えてしまう。
 いっぱい感じてね、という言葉と共に与えられたのは痛いほどに甘い快楽だった。




 荒い息をしながら与えられる愛撫に堪える。
 散々嬲られた乳首はすっかり立ち上がり、カイルの胸に触れる度に快感が背中を走った。
 浅いところを撫でる指がくっと中に押し込まれ耐えきれなかった声が上がる。

「あっ、ん!」

 立っていられなくてカイルの肩に手を伸ばすと腰を引き寄せられ支えられる。

「ね、そのままイってよ」

「だ、め……、あぅっ!」

 咎めるように中を擦られて快感に声を上げる。

「どうして?」

「汚しちゃ、……っ!」

 問いを向けるのに答えを邪魔するような指使いで僕に快楽を与えていく。

「んー、今更じゃない?」

 ほら、と言われ視線を下げるとすでに零れた先走りがカイルの制服を汚していた。
 ぞくりと背徳感が背を駆ける。

「ああぁっ!」

 さらに深く埋め込まれた指が射精を促すように弱いところを押しつぶす。

「ねえ?」

 耳に吹き込まれる囁きがダメと止める理性を崩していく。
 カイルはきっともう気づいている。

 ね?と誘う囁きに抗う理性が。
 アミルの本性を暴く言葉に掻き消える。

『俺のこと汚すの好きでしょう?』

 楽しそうな声が許し、唆す。
 全ての欲望を曝け出してぶつけていいと。

「ああああああっ!!」

 奥を抉った指の感触と決定的な囁きに大きく飛沫を上げて達した。
 散った飛沫がまだ乱れのないカイルの制服を汚す。
 ダメって言ったのに耐えられなかったという思考とは別に。
 酷く満足感を覚える。

 はあ、と零れた吐息にも隠せない喜びがあった。
 快感に埋め込まれた指を締め付けながらびくびくと震える。
 笑う気配に睨みつけると「気持ち良かった?」と囁かれまたそれにも感じてしまう。

「どうするんですかそれ」

 白濁の散った制服はここで簡単に落とすことはできないのに。
 酷く汚れたのは上だけだから脱げば大丈夫だよと軽く返ってきた答えにダメだったらあとで取りに行こうと考える。
 カイルのことだから着替えも用意してあるかもしれないけれど。
 もう何も言う気になれなかった。


 ベッドに移り制服を脱いだカイルの腹筋に手を付ける。

「何?」

「いや、羨ましいなと」

 カイルは細身な印象とは違い鍛えられた美しい身体をしている。
 あの強さは身体を鍛えただけでなれるものではないだろうけれど、一つの要因だと思う。

「アミルも最初に比べたら大分鍛えられてきたと思うけど。
 最初は華奢に見えたし筋肉も薄かったけど、ちゃんと訓練が身について身体もしっかりしてきたよね」

「カイルのおかげです」

 鍛え方がわかっていなかった僕に足りてないところを教えてくれたのはカイルだ。
 おかげで身体も変わったし、自分に合った得物も見つけられた。
 カイルにしてみたら気まぐれだったのかもしれないけれど感謝している。

 本気で言ったのにカイルは変な顔をしていた。

「アミルっておかしいよね」

 いきなり失礼なことを言われた。
 心外だと眉を寄せるとだってそうでしょと呆れた顔をされる。

「最初あんなに嫌がって抵抗してたのに、俺にされたこと忘れたの?」

「自分で言うんですね」

 団長にはあんなに同意だって言ってたのに。

「そりゃ最終的には同意だけど。
 割り切ってる感じでもないのに逃げないし。
 嫌そうにしてたのに団長に見られた後も態度が変わらない。
 それに、団長にも言わなかったし?」

 なんで?と今さら聞かれて答えに詰まる。

「……同意でしたから」

 完全に同意とも言えない気もするけれど、最終的に受け入れたのは確かだ。

「団長のことはいいの?」

「団長のことは変わらず尊敬していますよ」

 カイルとの行為を見られたことは気まずく思っているし、顔を見たら心が疼くけれど。
 前のように苦しくなることはない。

「でも俺のことを好きなわけでもないよね」

 自分のことを棚に上げて不思議そうに聞いてくる。

「それはその通りなんですが……」

 カイルもアミルのことを好きなのかと聞けば首を傾げるに違いない。
 いや、好きという感情があったとしてもそれは恋のようなものではないだろう。
 アミルも同じだ、今は。まだ。

「でもあなたのことを知りたいと思っています」

 軽薄な態度に見えてちゃんと見ていて助言をしてくれるところや任務に当たる際の的確な判断や指示。
 試すように繰り返す問いの意図やそれに応えた時の表情。
 隠して見せない負の感情をほんのわずかに覗かせる、踏み込むことを許す隙が気になって仕方ない。

「だから教えてください。
 あなたが話したくないと思っていること全部」

「……もう無いよ」

「じゃあ言ってもいいけど聞かれたくないことでもいいですよ?」

 お兄さんとの思い出とか。

「そんなつまんない話聞きたい?」

 まぜっかえすような言葉に笑みを返す。
 楽しくなくても構わない。

「じゃあしながら話しますか?」

「盛り下がるじゃん」

 からかうように告げると盛大に顔をしかめた。
 勃たなくなったらどうすんのと言われて笑ってしまう。

「じゃあ休憩の間にしてください。
 どうせ食事したり休憩を入れながらずっと遅くまでシてるつもりだったんでしょう?」

 何度も何度も突いてたくさんイかせてくれると言っていた言葉を実行するつもりで部屋を取ったんだろう。
 話すだけならこんなベッドのある部屋でなくてもいい。
 それをわかっていてついて来た。

「アミルってやっぱり淫乱だよね」

「カイルのせいですよ」

 何も知らなかったアミルの身体を暴いて執拗に快楽を植え付け淫らに育て上げたのは間違いなくカイルだ。

「俺のせい?」

「ええ」

 だから責任取ってくださいねと告げると口元を吊り上げた。


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