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団長 × アミル
エピローグ ★
しおりを挟む森の中でいくつもの足音が響く。
――!
降りぬいた剣が魔獣を両断する。
続いて襲ってきた魔獣を避け足を傷つけ動きを鈍らせた。
部下たちが魔獣を包囲するのを確認して一歩下がる。
中型の魔獣だが単純な動きしかしない相手だし素早い動きはできなくなった。
後は任せて大丈夫だろう。
少し離れた他の隊を見ると空を飛ぶ魔獣相手に少し苦戦している様子が見て取れた。
部下の一人に声を掛けて苦戦している方へ助けに入る。
「引き付けて降りてきたところを攻撃しろ!」
声を張ると腰の引けていた隊員の目に力が戻る。
「アイツは攻撃に入る前のモーションがでかい!
注視していればわかる! 恐怖から目を逸らすな!」
羽ばたき身体をさらに浮き上がらせた魔獣が勢いをつけて襲い掛かる。
しかし注意をよく聞いていた隊員たちはしっかりと魔獣を引き付けて剣を振るい魔獣を地に落とした。
大物が片付いたことで隊員が勢いづいた。
様子を見ていたアミルだったがもう自分が介入するほどの危険な魔獣はいないと判断し、負傷者の回収に入った。
魔獣の掃討を終えた隊員たちが戻ってくる。
「アミル副団長!
先ほどはありがとうございました!!」
「いや、私は口を出しただけだ。
君たちこそ、よく気持ちを落ち着けて動けたな」
よくやったと微笑むと嬉しそうに顔を緩めて敬礼をして片づけに戻っていく。
自分もああだったのかと思うと感慨深い。
未熟だった自分もすっかりベテランだ。
まさか副団長を拝命するまでになるとはあの頃は想像もしていなかった。
「アミル」
自分を呼ぶ声に振り向くと壮年を迎えた団長の姿。
冗談めかして時々引退を口にするがまだ腕に衰えは見えない。
変わらずこの騎士団の団長として武勇を誇っている。
カイルは中央騎士団へ異動していった。大出世だ。
あんな素行の奴で大丈夫かと団長は心配していたけれど、今のところ醜聞は聞こえてこないから大丈夫だろう。
人の機微に敏くて腕も立つカイルだから貴族たちとも多く関わる中央騎士団でも上手くやっていと思う。飄々とした態度と軽い口調で本心を見せないカイルには適任じゃないかな。
誰かひとりでもあの人の心を察して支えてくれる人が出来ればいいのにと勝手に思っていた。
アミルにこんなことを思われていると知ったら余計なお世話だよと鼻で笑うだろう。
団長へ状況を報告して負傷者の様子を見に行ったあとは帰還して報告書の作成。
細々したことは多く忙しくはあるが自分に向いているとも思うし充実した日々を過ごしていた。
今日のうちに終わらせておくべき仕事を終えて部屋へ向かう。
「おう、終わったのか」
すでにくつろいだ格好で寝転んでいる団長の横に膝を付きベッドに乗り上げる。
「おい」
咎める視線に制服を脱ぎ近くの椅子に掛ける。
「団長、もう我慢できません」
自分でシャツのボタンを外していく。
はだけたシャツの隙間から手を差し込み鍛え上げた腹筋を自ら撫で興奮しきった吐息を漏らす。
強い刺激になる箇所は外した動きでもすでに立ち上がりかけたそこへ団長の視線が注がれる。
それだけで勝手に硬さを増していく。何年経っても僕は相変わらず団長の視線に弱い。
「見られているだけでそんなになってるなら俺はいらなそうだな」
「イジワルしないでください」
そう言いながら中途半端にはだけたシャツを肩から落としていく。
にやりと笑った団長の欲の籠った瞳にはっと熱い息を吐いて懇願の視線を向ける。
「そのまま自分で弄って見せてくれ」
「んっ、だんちょ……っ」
触ってとの言葉を飲み込んで自分の指で乳首に触れる。
快楽を得ることに慣れた場所への刺激に甘い声を漏らしてしまう。
団長に見られている、まだ乳首への軽い刺激しかしていないのにそれだけで張り詰めてくる。
「ベルトを外して……、アミルのがどうなってるか見せて」
落とされる指示に従い前を寛げ自身のペニスを取り出す。
すでに十分立ち上がっていることに団長の声に興奮が混ざる。
「そのまま乳首を弄っていて」
「は、い……っ」
きゅうっと抓んだ刺激で腰が跳ねる。
自ら乳首を弄り触れてもいないペニスから先走りを零す僕を見て団長の視線もどんどん熱くなっていく。
何度身体を重ねても僕の身体は変わらなかった。
団長の視線で感じ、触れるだけで容易に達する身体。
「前に触らないままイけるか?」
ペニスに視線が注がれることに身体が熱くなっていく。
早く中に欲しい。自分の指でもいいからと下げようとした手の動きを見咎められじれったさに頭を振る。
「団長、中がもう疼いて……っ」
「まだ駄目だ」
お願いしても団長は聞いてくれない。
「イけたら触ってやるから頑張れ」
こうしたプレイをするのはアミルの身体が原因なのがわかっているから早く欲しくても言われたとおりに手を動かす。
「……っ、……っん」
早く欲しいと刺激を強めるのに焦るほどに快楽からは遠ざかっていく。
「アミル」
「団長、……っ」
穏やかな声で名前を呼ばれる。その声音にそぐわないほどの熱視線に身体は勝手に高ぶっていった。
「あっ、ああ……っ!」
発した飛沫がシーツを汚す。
はあはあと荒い息を零す僕へ団長が近づき腹筋を撫でた。待ち望んだ身体にはその程度の刺激でさえ震えるほどの悦びだった。
筋肉の割れ目をなぞられて快楽に身体を震わせる。繊細な刺激を繰り返す団長に文句を言おうとしたときしみじみと呟かれた。
「大分大きくなったよなあ」
うっすらとした筋しか入らなかったあの頃と違い背も伸び騎士らしい体格になったと褒める団長。
自分としては団長のようには逞しくならなかったし背も伸びたとはいえカイルほど高くもならなかったので迫力不足ではないかと悩んだこともあるのだけれど。団長が慈しむように触れるからまあいいかと思っている。
成長期は終わったので悩んでも仕方のないことだ。
騎士の中の騎士というような逞しい身体の団長に褒められるほどには成長したのだろう。
いやらしさの欠片もない手つきなのに高ぶる身体は物足りないと熾火のように熱を滾らせていく。
腰をくねらせ快感を求める僕へ団長の目にも熱が混じっていった。
僕のペニスから零れた雫を掬い香油と混ぜて後ろの穴へ触れる。
腕で目を隠し、中を蠢く団長の手の動きを感じる。
浅いところを押し広げられ声が漏れた。
「あっ、ん」
巧みにイイところを外しながら指を埋め込み中を広げていく。
時々悪戯にイイところを刺激されて快感に息を乱す。
「……っん」
自分のペニスからまた雫が垂れたのを感じ、もどかしい中の刺激に腰を揺らす。
「アミル、もう我慢できないのか?」
「我慢はできます、けど……っ。
早く、団長が欲しいです」
腕をどけて団長を見上げる。
快楽に濡れた瞳で見つめると団長が興奮を抑えるような息を吐いた。
「お前は俺を煽るのが上手くなったよな」
口元を緩めながらも困ったように眉を下げる顔からは責められているのか褒められているのかわからないけれど、団長も限界らしく硬く張り詰めたペニスを取り出した。
後ろに当てられ体温が上がった錯覚を覚える。
入口を嬲るように押し当て、身体をひくつかせるアミルを眺める。
「団長、イジワルしないで……っ。
入れてくださいっ……!」
腰を揺らし、広げた脚を持って団長のペニスを迎え入れる体勢を取る。
待ち望む穴は団長のペニスを飲み込もうとひくひくと開閉をしていた。
「イイ格好だな、そんなに待てないのか?」
揶揄するような言葉も焦れたアミルには興奮材料にしかならなかった。
「淫乱なので」
唇を舐めて団長を煽る言葉を口にする。
「団長のが欲しくてたまらないんです。
お願いですから、もう焦らさないで……っ、ああっ!」
待ち望んだ熱が身体を貫き、快感に身を震わせた。
奥を穿たれ、イイところを擦られて歓喜の声を上げる。
「あっ、そこっ」
ぐりぐりとイイところを突かれて気持ち良さに涙すら浮かぶ。
団長を見上げると熱の籠った目で僕を見つめていて、また快感に中がきゅうっと収縮する。
「アミル、俺を見て」
「え? あ……!」
うねるような動きで腰を打ち付けながら団長が僕を見つめる。
「あ、あ、あ……っ!」
身体が勝手に熱を持ち、中に咥えた団長のペニスを締め付け悦ぶ。
「ダメっ、ああっ、……イっちゃうっ!!」
「いいさ、何度でもイかせてやる」
覆いかぶさるような動きと共にぐうっと奥まで一直線に貫かれてアミルは達した。
それでも団長はまだアミルの中を穿ち続ける。
「イイか?」
「はい、っあ、団長っ……!」
一際強く貫かれ奥に熱い物が広がった。
その感触にアミルはまた飛沫を上げながら快楽に溺れる。
「好き、団長っ……、んっ」
首を引き寄せアミルからキスをする。
応えるキスはいつだって優しい。
胸を満たす愛情にこれ以上ないほど幸せを感じながら再度中に飛沫を浴びる。
団長を見上げると、同じように幸せに満ちた瞳でアミルを見下ろしていた。
キスをねだると嬉しそうに肩を抱き唇を塞がれる。
――幸せな夜はまだ終わらない。
この先も共にある愛しい人の重みを全身で受け止め、アミルはそっと目を閉じた。
【団長ルート 完】
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