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ご褒美
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「試験、お疲れ様でした。竜前くん」
「…どーも、せんせー」
「……」
試験が終わって、しばらく。
授業の後、ニコニコと胡散臭い笑みを貼り付けた担任が主人に近寄りそう言った。
「今回も大変素晴らしい成績でしたね。ご両親もさぞ鼻が高いことでしょう」
「それほどでも」
しばし歓談をしていた主人と担任だったが、不意に担任が俺の方をチラリと見た。
「そうそう。ペットの一条くんも、今回とても優秀な成績だったんですよ。飼い主として、きちんとご褒美をあげてくださいね」
「………ごほーび…」
「……」
ジッと見つめてくる主人の視線を横から感じる。
褒美だろうと、仕置きだろうと、俺にとっては同義だ。
どうせまたろくでもないことを無理矢理されるに決まっているのだから。
俺は浅くため息をついて、視線を机に落とした。
*
凪視点
奏多をいつものように寮部屋まで送ってから、俺の足は保健室へと向いた。
奏多へのご褒美…
いくら考えても答えが出そうになかったから、知っていそうな人間に聞こうと思った。
保健室の扉をガラリと開ける。目当ての人物はそこに居た。
「ねぇ柊。ペットへのご褒美って、普通何をあげるものなの?」
「…ノックくらいしろっつの…急にどうした?」
「奏多が試験でいい成績だったからご褒美あげろってせんせーが。」
「…ほーん……(…あいつ顔だけじゃなくて地頭もいいんだな。)」
「…何をあげたらいいか分からないんだけど」
俺の言葉に柊は「んー…」と顎に手を当て考えだした。
「そうだなぁ…っつっても褒美も仕置きも基本飼い主の裁量に委ねられてるからなぁ……ま、普通はそのペットの好きな物とか、欲しいもんプレゼントしてやんのが一般的なんじゃねぇか?」
「……奏多の好きなものとか…知らない」
「おいおい…仮にも飼い主なんだからお気に入りのペットの好みぐらい知っとけよ」
「…奏多とプライベートの話とかほとんどしないし」
俺は柊から視線を逸らした。
「へぇ……つーか今までのペットには何やってたんだよ?」
「ご褒美なんてあげたことないし、あげたいと思ったこともない」
「くくっ…今のペットには思ったんだな。
身体検査の時から気にはなってたが、一条はお前にとっての特別か?」
「っ…………別に、そんなんじゃない」
「照れんなよ。いい傾向だと思うぜ?学園としてはほいほいペット壊されちゃたまんねぇし、普通ペットは愛でて、可愛がるもんなんだよ。」
「……」
「っし、分かった。場所ぐらい提供してやる。明日の放課後、この部屋空けといてやるから好きに使え。調教もいいが、ちゃんと会話して精神的な面での親睦も深めてくるんだぞー」
柊は、ニッと口角を上げて笑った。
「…どーも、せんせー」
「……」
試験が終わって、しばらく。
授業の後、ニコニコと胡散臭い笑みを貼り付けた担任が主人に近寄りそう言った。
「今回も大変素晴らしい成績でしたね。ご両親もさぞ鼻が高いことでしょう」
「それほどでも」
しばし歓談をしていた主人と担任だったが、不意に担任が俺の方をチラリと見た。
「そうそう。ペットの一条くんも、今回とても優秀な成績だったんですよ。飼い主として、きちんとご褒美をあげてくださいね」
「………ごほーび…」
「……」
ジッと見つめてくる主人の視線を横から感じる。
褒美だろうと、仕置きだろうと、俺にとっては同義だ。
どうせまたろくでもないことを無理矢理されるに決まっているのだから。
俺は浅くため息をついて、視線を机に落とした。
*
凪視点
奏多をいつものように寮部屋まで送ってから、俺の足は保健室へと向いた。
奏多へのご褒美…
いくら考えても答えが出そうになかったから、知っていそうな人間に聞こうと思った。
保健室の扉をガラリと開ける。目当ての人物はそこに居た。
「ねぇ柊。ペットへのご褒美って、普通何をあげるものなの?」
「…ノックくらいしろっつの…急にどうした?」
「奏多が試験でいい成績だったからご褒美あげろってせんせーが。」
「…ほーん……(…あいつ顔だけじゃなくて地頭もいいんだな。)」
「…何をあげたらいいか分からないんだけど」
俺の言葉に柊は「んー…」と顎に手を当て考えだした。
「そうだなぁ…っつっても褒美も仕置きも基本飼い主の裁量に委ねられてるからなぁ……ま、普通はそのペットの好きな物とか、欲しいもんプレゼントしてやんのが一般的なんじゃねぇか?」
「……奏多の好きなものとか…知らない」
「おいおい…仮にも飼い主なんだからお気に入りのペットの好みぐらい知っとけよ」
「…奏多とプライベートの話とかほとんどしないし」
俺は柊から視線を逸らした。
「へぇ……つーか今までのペットには何やってたんだよ?」
「ご褒美なんてあげたことないし、あげたいと思ったこともない」
「くくっ…今のペットには思ったんだな。
身体検査の時から気にはなってたが、一条はお前にとっての特別か?」
「っ…………別に、そんなんじゃない」
「照れんなよ。いい傾向だと思うぜ?学園としてはほいほいペット壊されちゃたまんねぇし、普通ペットは愛でて、可愛がるもんなんだよ。」
「……」
「っし、分かった。場所ぐらい提供してやる。明日の放課後、この部屋空けといてやるから好きに使え。調教もいいが、ちゃんと会話して精神的な面での親睦も深めてくるんだぞー」
柊は、ニッと口角を上げて笑った。
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