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本編

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部屋に戻ると、ルークはテウス殿下と話があるらしく、席を外した。
私は部屋の外には出ず、先ほどの件について、考えていた。


"それに、私と婚約すれば帝国の脅威から免れるだろう。他の女性と密会しているやつに国は守れぬのではないか?"


確かに、リンデルンは帝国よりも国土面積は小さい。だが、独自の経済発展を遂げ他国より経済的には有利な国である。
そして、国家機密になっているが、リンデルンの軍事勢力はとてつもなく大きい。
いつもは農夫や商人などの一般市民でも一般常識程度の学問、剣術、体術等の訓練が強制されている。
一見、訓練時に一切収入が入らないため貧困層が増えそうなこの政策は、各領地を仕切っている貴族がそれぞれ支援金を出すことでまかなっている。
そしてそこから能力が秀でた者たちはより良い職に推薦されたりもする。
能力が秀でた者たちは実力で上にのぼりつめることができ、貴族はその者を養子にして支援するため領民に恩を売れるのだ。

そういったことがあるため、ただ広いだけの帝国の脅威を軍事勢力で対抗することは十分可能である。
そこは大した問題ではなかった。

問題はその後だ。
ルークが他の女性と密会している?


そんなはずがないのだ。
なぜなら議会などに出席している時以外はほぼ一緒にいるのである。
確か、帝国では婚約中であっても閨をともにするのは禁止されている。
部屋も別々が当たり前なのだ。
今回私たちも部屋が二つ用意されているが、基本わたしの部屋にルークがずっといてくれるため、ルークの部屋は着替えのためだけにあるだけだろう。
だからどこで密会できるのかわからないのだ。

ここまで考えが及ぶのだが、火のないところに煙は立たぬとも言う。
頭ではわかっていても不安になってしまうのだ。
アレル嬢とも普通に話せるようになっていたし、私だけ、というのはもう克服しているかも…。
今もテウス殿下のところに行くと言ってその女性にあっていたり…


ライノット殿下が言った事は、二人の仲をギクシャクさせるには十分なきっかけとなったと思う。
戦争を避けたいと思う私は黙って従うと思ったのだろう。
そしてルークを疑いたくないのに、聞くこともできない令嬢だと思ったのだろう。


しかし、ライノット殿下と話したことなど本当に他愛もない話だ。
本来の私の性格など、この短期間でわかるわけがない。

私は自分の好きな食べることだけのために生きるのではなく、ルークに求められたあの時から国を守るために、ルークと共に生きることを選んだのだ。


「ルークのところにいって、もし密会なんかしていたらはっ倒してやるんだから!」


そう言ってチュリは、部屋のドアをあけてルークのもとへと走った。








ーー
軍事勢力のところは穴だらけだと思いますが、対抗できるぞ!ってことだけ伝わればと思いますので、こんなものか程度に流していただけると幸いです😂
ーー
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