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後日談
11※
しおりを挟むアーサー兄さまの予想外の発言に私は目を真ん丸に見開いた。
「俺だってどうしようもなくなって、お前に惚れ薬を作ってもらったあげく、それをお前にのませて、お前の気持ちを俺に向けようとした……他力本願もいいとこだ」
「それはまた比べるべきでは……」
だが、アーサー兄さまは首を横に振った。
「俺とあいつで何が違ったかと考えた時に……俺にはリーリアがそばにいてくれたんだと思ったんだ。誰かがそばにいてくれさえすれば、人は強くなれる」
彼の抱きしめてくる力がぎゅっと強くなる。
「アーサー兄さま……」
「ずっと俺を慕ってくれてありがとう。お前がいてくれたから、俺はどこまででも強くなれたし、これからも強くなれる。これから先、何かに頼らずに俺の力だけでお前を守っていけるように、俺は日々強くなっていくつもりだ」
彼の想いが胸にじんわりと響いてくる。
彼からとても大事な存在として自分が扱われているのだと思うと嬉しくて仕方がなかった。
「ねえ。アーサー兄さま」
「どうした?」
「ピンチに駆けつけていただいて……私は、アーサー兄さまに惚れ直してしまいました……その……惚れ薬なんて必要なくって……」
すると――
「リーリア、ありがとう」
少しだけしんみりした雰囲気だったのだが――
「きゃっ……」
腰の辺りに熱い何かが触れた。
「すまない、リーリア、お前に惚れ直されたと言われて、身体も心も喜んでしまっているようだ」
「兄さまったら……!」
困ったように微笑むアーサー兄さまの両腕に、私はそっと腕を添える。
「アーサー兄さまにならどれだけだって愛されても構いません」
「リーリア!」
そうして、彼の方へと上向かされると、そっと唇を塞がれた。
唇同士が離れた後、アーサー兄さまが極上の笑みを浮かべる。
「愛しているよ、リーリア、これから先もずっと俺から離れないでくれ」
そうして――そのまま二人身体を絡め合う。
その日――
結局お風呂から上がった後も、夜まで二人愛し合って過ごしたのでした。
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