【R18】海賊騎士は聖女に甘く溺れる

おうぎまちこ(あきたこまち)

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第8話 名を呼ぶ※

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 椅子に座るガウェインにまたがる格好になったシレーナ。

「んっ……」

 紐をほどかれたボディスが、はらりと木の床に落ちた。
 ガウェインの長い指が、今度はシュミーズドレスの肩紐にかかり、シレーナの上半身が顕わになる。
 彼女のなだらか膨らみに、彼の大きな手が沈み込んだ。弾力に任せて、彼の手が動く。

「んっ……あっ……ん」

 喘ぐ唇を、彼の唇が塞いだ。
 二人の間から、くちゅんくちゃんと水音がたちはじめる。
 彼の指が彼女の赤い突起をつまみ、くにくにと動かした。

「シレーナ……」

 快感が走り抜け、シレーナは背を反らす。
 彼の膝の上から落ちないように、彼女は腕を伸ばした。ガウェインのコバルトブルーの髪に、彼女の小さな両手が沈み込む。
 吐息をもらすシレーナの黄金の瞳と、彼の切れ長の黄金の瞳とが出会う。

「シレーナ……」

 また唇同士が重なった。
 舌同士が絡み合う。
 やり方が分からないシレーナだったが、今日は勝手に舌が動いた。

「あっ……んっ……は……あ……」

 いつも以上に、ぐちゃんくちゃんと、粘膜同士が音を立てながら、踊るように動き合う。
 きゅうっと、先端をきつく摘まれ、シレーナはひときわ大きな声をあげる。

「んんっ……!」

 気付いたガウェインの動きが止まった。

「痛かったか……?」

 優しい彼の問いかけに、シレーナは首を横にふるふると振った。
 潤んだ瞳を浮かべた彼女の額に、ガウェインがちゅっと口付ける。
 彼はまた、こりこりと先端をいじる。
 シレーナの身体が、彼の指の動きにびくびくと震えた。

「あっ……んっ……っ」

 彼の手が、スカートの中に侵入し、彼女の脚への愛撫をはじめた。
 彼女はひとしきり、喘ぐ。
 ガウェインに作ってもらった、とろりとした絹の下着が、とろとろと溢れ出した蜜によって濡れていってしまった。

「シレーナ……俺はお前のことが――」

 いつになく熱っぽく、彼が彼女の唇を求める。
 そうして、彼の指が、下着のクラッチの部分から侵入する。
 そうして、彼女の秘核をくにくにといじった。

「……っ、んっ、あっ、あ……!」

 蜜に濡れた芽を、擦りあげられ、シレーナはガウェインの膝の上でびくんびくんと跳ね上がり続ける。
 彼女の銀の長い髪も、何度も揺れ動いた。
 しばらくいじられ続けていく内に、シレーナの頭は白んでいく――。

 そうして――。

「――っあああっ――!」

 頬を紅潮させた彼女は短く悲鳴を上げ、背を反らせた。
 しばらく痙攣を続ける彼女の身体を、ガウェインは抱き寄せる。
 同じく反れた彼女の首筋を、彼は何度も吸い上げた。

「シレーナ……」

 そうして――息の上がった彼女の両頬を掴むと、彼は真摯な瞳で告げる。


「――シレーナ……俺は誰にでもこういうことをするわけじゃないんだ――どうも、俺はお前に――うまく言えないが、俺はお前を大切にしたい――」


 ガウェインは言葉に詰まる。
 切な気な彼の様子に、シレーナの胸がきゅんと疼いた。

(なんだろう……わたし……わたしはガウェインのことを――)

 憧れていたエルフの美男子グラムに対する憧れの気持ちとは違う何かが、彼に対して芽生えているのをシレーナは感じる。

(いつの間にか、肌を触れ合わせるのが自然になってしまったというか、しっくり身体になじむというか――)

 ――不思議な気持ちだった。

「シレーナ……いつか、お前が俺の名前を呼んでくれたら嬉しいだろうな――」

 ふと微笑んだガウェインに、またもや彼女の心臓は跳ねた。

 ――村の住人たちから、島のための犠牲になることしか求めてこられなかった。

 そんな彼女を大切にして、そうして何かを求めてくれるガウェイン――。

 自分と同じ黄金の瞳をしている、綺麗な顔立ちの青年――。

(ガウェインの気持ちに応えることが出来たら――)

 シレーナはいつものように、口をぱくぱくと動かした――。

 その時――。


「――ガ……」


 ――彼の低い声とは別の、高い声が、二人の耳に届く。
 
 シレーナとガウェインが、はっと顔を見合わせた。

「シレーナ……今のは……」

 彼女は喉に、自身の手を当てた。

(私の……声……?)

「……ガ……ウェ……」

 ――振り絞る。

 そうして――。


「……ガウェ……イン」


 彼女は彼の瞳を見つめる。


「ガウェイン……」


 はっきりと、彼女は彼の名を呼んだ。

 シレーナの黄金の瞳が揺れる。

「ガウェイン……」

「シレーナ――」

 彼女の身体を、彼の逞しい腕がかき抱く。

「ガウェイン……ガウェイン……」

 シレーナの瞳から、ポロポロと涙が零れ落ちた。


「シレーナ……いつも聴く鳴き声も愛らしいが――」


 ガウェインの黄金の瞳が揺れる。



「――想像以上に美しい――綺麗な声だな……」



 彼は愛おしそうに、震える両腕で、彼女の柔らかな身体を抱きしめた。

 そうして――

 ――二人は、夜が更けるまで、名を呼び合いながら、ずっと抱きしめあっていたのだった。


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