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2日目

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「ふあっ……あっ……」

「ジーク……んっ……」

 花の甘い香りが、鼻腔をついてきて、どんどん頭の中がふわふわしてきて、それ以上何も考えられなくなる。

(受け入れたくない……いいや、受け入れたらいけないのに……花におかしな魔術でも施しているのか? この甘ったるい香りを嗅いでいたら、身体の自由が利かなくなって……)

 それどころか――

「ひやんっ……」

 彼の手が鎖骨をなぞってきただけで、先日以上の快楽が全身を駆け抜けていく。
 呼吸が促迫して、乳房が上下に浮動し、頬が勝手に朱に染まる。

「身体……へんっ……ひあんっ……!」

 ドレスの胸元を腰の付近まで引きずりおろされると、ふるりと白い乳房が露わになった。
 彼の大きな手が、白い雪のような肌の表面を撫で擦ると、ますます蒸気していく。

「ふあっ……あっ……」

「綺麗な肌だ、ずっと撫でていても飽きがこないな……」

 尖った桃色の突起を、長い指で弄られると、どんどん息が上がっていく。
 その先端目掛けて、彼の唇が迫ると、熱い呼吸がかかって、ますます硬くなってしまった。

「おいしそうで我慢ができそうにない」

 そうして、尖り切ったそれを、ぱくりと口に咥えた。

「ひゃんっ、ああっ、そんなっ、吸っちゃっ……」

 じゅるじゅると卑猥な音を立てられながら、先端を舌先で嬲られると、女性の芯がきゅうっと疼いて、両太腿に力が入った。
 いつまでしゃぶられるのだろうかというぐらい、執拗に桃色の先端を吸われる。
 反対側のピンと立った先端も、くにくにと指先で翻弄されてしまった。

「見た目通り、美味しいよ、もっと君の甘い声を聴かせておくれ」

「ひゃうっ、ああっ、あ……ああっ……」

 ヒルダの背がしなやかに仰け反り、腰が勝手に浮遊してしまう。
 舌先で嬲られながら、下乳を何度も揉みしだかれると、快感の波が背を何度も駆けていった。

「ひあっ、これ以上はっ、もう、しないでっ、何か来ちゃうっ……――」

「大丈夫、怖いことはないから……」

 彼は愛撫を辞めてはくれない。

「もうっ、ダメっ……!」

 ヒルダの全身がびくびくと戦慄いた。
 締め付けていた両脚の間に、じわじわと愛蜜が溢れ出すのが自身でも分かってしまう。
 火照りきった身体を抑えたくて、呼吸を整えようとするが、なかなか落ち着いてはくれず、断続的に吐息を漏らすだけになってしまった。

「ああ、達ったんだね、すごく気持ちが良さそうで――君のそんな顔を堪能できて幸せだよ……」

 ジークフリードが恍惚とした表情を浮かべながら、舌なめずりをした。

「あ、私は……ジーク……こんな風に、貴方に……」

 深い深い海の底に沈んでいた記憶が、這い上がってこようとしている。

 金色の髪に、碧い瞳をした、美青年。
 幼い頃から時々この村で顔を合わせていたけれど、騎士になった後に再会して、意気投合して、そうして、村に一緒に遊びに来た――

「……ジーク……」

 ヒルダは瞠目したまま動けなくなった。
 忘れていた記憶がどんどんせりあがってくる。

 ふと、ジークフリートが蕩けるような笑みを浮かべる。
 達したばかりのヒルダの身体に優しい愛撫を施しながら、彼は口を開いた。


「君の剣となって、君に全てを捧げて、俺は今度こそ、君を救ってみせる……最高に美しい君を、この瞳に焼き付けて死ねるなら、本望だ……ずっと君だけを愛している、ヒルダ……」


 その時、ヒルダの記憶の暴流が起こりはじめたのだった。

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