【R18】犬猿の仲の幼馴染は嘘の婚約者

ハネムーン後の物語「隠し子騒動？」

11※

　ギルフォードが怪訝な表情を浮かべる。

「お前が何を想像しているのかは知らないが、絶対にない」

「ギル」

「以前も言っただろう？　俺にはお前だけだよ、ルイーズ」

　トクントクントクン。
　自分には彼しかいないし、彼にも自分しかいない。

（そんな幸せなことってあるのかしら……？）

　心臓が穏やかなリズムを刻みはじめる。
　だが、ギルフォードはといえば、哀愁を漂わせているようだった。

「まだ俺もお前の信用を完全には勝ち取れていないようだな……おかしな発言をして、お前を数年間苦しめた過去がある……まあ、仕方がないと言われれば仕方がないな……」

　そういうと、癖なのだろう。片手で髪をくしゃりとした。
　そんな彼の姿を見ていると、胸が軋む。
　おかしなことを言って、最愛の夫を苦しめてしまった。

「だけど、どうしてそんなに……その……貴方が私に触れるのが……気持ちが良いの……？」

　切実な問いかけになってしまう。
　すると、ギルフォードがふいに私を抱きしめてくる。

「そんなのお前が好きだからだよ」

「ギル……」

　抱きしめられると、彼の体温を感じて、心の中が一気に熱くなっていく。

「ごめんなさい、疑ったりして……」

「いいや、あとは元々器用な性質だからな……」

　そうして、二人してしばらく抱きしめ合う。

（なんて幸せなのかしら……）

　自白剤のおかげか、正直な気持ちが口を吐いて出た。

「ギル、ありがとう……あなたに触られるの、とっても気持ちが良いの……すごく幸せ……」

　ギルフォードの身体が強張ると同時に息を呑むのが伝わってくる。
　ふと、寝間着越しに熱塊の存在を感じて、情事の途中だったことを思い出す。
　そうして、見上げた彼の顔は――

（真っ赤……！）

　見れば顔を真っ赤にしている。
　こちらまで赤面してしまった。

「ああ、くそっ……今はお前の顔を直視できそうにない……」

　そうして――

「すまないルイーズ……」

「きゃあっ……」

　彼に体を反転させられると、先ほどと同じように四つん這いの格好となった。
　おもむろにスカートの裾をたくし上げられ、下着を膝まで降ろされてしまう。
　先刻までと違って。あまりにも性急な動作に、衝撃を隠せない。

「どうしたの、ギル……？」

　だが、答えはなく、雫が臀部に零れてくる。かと思えば、お尻の間にぬるりと熱棒が差し入れられた。

「きゃんっ……！」

　相変わらずギルフォードが発語することはない。代わりに溝の間をぬるぬると蠢く。触れ合う場所が、互いに濡れてしまっており、少し動くだけでくちゅくちゅと音を立てる。
　切望するかのような声音が背後から耳に届く。

「ルイーズ……」

　名前を一度呼ばれたかと思うと、獰猛な獣の先端が蜜口を一気に穿ち、肉壁を擦りあげながら蹂躙しはじめた。

「ああっ……熱い……」

　膨張した熱棒が膣壁をぎゅうぎゅうに押し広げながら進んでくる。いつもと違う奥深くに先端がぶつかってくると、互いの身体がびくんと跳ね上がった。相手の欲望をぎゅっと蜜口が締め上げる。

「……すまない、ぶしつけな真似をしたな……結局、お前のドレスを脱がせられなかった」

「ううん、良いのよ、ギル……」

「いつも以上に余裕がないんだ……悪い」