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ハネムーン後の物語「隠し子騒動?」

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「ひゃあっ……」

 お尻の間に擦りつけられていた熱棒がひくりと動いたため、びっくりしてしまう。
 ギルフォードからの回答がなくて、心臓の音がどんどんうるさくなってきた。

「淫乱な女の人って……あっ……思われないか、怖いのだけど……」

 またもや、背後でびくんと相手の身体が跳ね上がった気がした。
 ちょっとだけ態勢がきついけれども、振り向いて相手の表情を窺う。
 ギルフォードは、相変わらず何かに耐え忍ぶような、苦悩しているような……難しい表情を浮かべている。

「どうしたの……?」

 すると、彼は大型犬のように一度ぶるりと震えた。

「ギル……?」

 ギルフォードは大きく深呼吸をする。

「ルイーズ……俺もお前に触れたくて仕方がない。だが……」 

 もう一度彼が呼吸を整える。

「衣服越しに触れた後で言うのもおかしいが……お前が気にしていることを、どうか俺に教えてくれないか?」

「あ……」

 いつもの状況と照らし合わせたら、もうきっと限界が近いギルフォード。
 だけど、彼は私の気持ちをおもんぱかって……最優先してくれている。
 そんな気持ちが伝わってきて、胸がぎゅうっと苦しくなる。

(ちゃんと私も勇気を出さないと……)

 正面を見ながら話すのは気恥ずかしいけれど、獣同士のような体位を取っていれば、顔は見なくて済む。
 思い切って、彼に伝えてみることにした。

「ギルは、なんでこんなに、女性に触れるのが上手なの……?」

「ん?」

「女性と喋るのがという意味ではないのよ……そうじゃなくて、こういう風に女性の身体に触れるのが得意というか……手馴れているというか……つまり、女性慣れしているのが……気になっているの……」

 核心を直球で伝えることができなかったが、そんな風に問いかけてみた。
 すると、思いがけない発言だったのか、再びギルフォードが身体を震わせた後、一呼吸して自身のさらりとした金の髪をかき上げた気配を感じた。

「俺が手馴れている……?」

「ええ……上手というか……比較対象がいないから、言い方に困っちゃうけれど……」

「女性の扱いを……?」

「ええ、そうだって言っているでしょう? 私はあなたしか経験がないって知っていると思うけれど……あなたは海外でどうだったのかなって……本人相手に噂話をするのは良くないと思うのだけれど、女性関係が派手だっていう噂もあったし……」

 ドギマギしながら相手の返事を待つ。
 すると、ギルフォードが嘆息した。
 少しだけ胸がざわついてしまう。

「おかしな噂のせいで、お前が色々気を揉んでいたのは分かった」

 そうして、彼がまた深呼吸をする。

「だが、所詮、噂は噂でしかない。俺はお前以外の女性と関係を持ったことはない」

「え?」

 彼の発言に衝撃を受けてしまった。
 ――自分以外の女性とは関係を持ったことがないと言わなかっただろうか?
 ドクンドクン。
 鼓動が跳ねて落ち着かない。
 背を向けていたが、彼の両脚の間、身体をよじって相手を振り仰いだ。
 ギルフォードのあまりにも真摯な眼差しに穿たれてしまう。

「噂と俺とどちらを信じる?」

 彼の言い分を信じるのなら、自分以外の女性を知らないという話になる。

(だって、そんな……)

 それならどうして……?

「隠し子がいたりとか……」

「隠し子……?」

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