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ハネムーン後の物語「隠し子騒動?」

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「ん?」

 片目を開けて、見上げると、ぎょっとしてしまった。
 ギルフォードのバスローブがくつろげられて、細身だが筋骨隆々とした体躯が露わになっていた。

「あ……」

 そうして、おそるおそる自分自身を確認すると――

(どうしてなの、私……!)

 ――なんと、手にバスローブの紐を持っていた。
 衝撃でわなわなと震えてしまう。

「ああ、ほどけたな……」

 そうして、ギルフォードがはだけたバスローブは邪魔だと言わんばかりに、おもむろに脱ぎ捨てる。彼の裸体が完全に露出されると、気恥ずかしくて卒倒しそうだった。

「ルイーズ、いつもはお前の方が裸になるのが早いのに、俺の方が全裸なのは珍しいな」

「あ……」

 ギシリ。
 ベッドが軋んで、ギルフォードの両腕に包囲されてしまう。

「さて、脱がせるぞ、ルイーズ」

 彼の手が私の寝間着に伸びてくる。

「待って!」

 だが、なんとか残っている理性で。ギルフォードを制した。

「このままだと、下手をしたら痴女のような振る舞いを起こしそう。もう起こしてる気もするけれど……やっぱり、こんなおかしくなってる状態で、あなたと夜を一緒に過ごすのは良くないと思ってて……! だから、お洋服は脱げないわ……このまま眠るのよ、私は……」

「そうか、俺はどんなお前でも構わないんだがな……」

 ギルフォードの囁きを拾うと、またもや胸がきゅうっと苦しくなった。

「まあ、口では素直じゃあないが、身体が正直なところも嫌いじゃあない。この間、作ってくれたガトーショコラみたいでな」

「ギル……」

「俺はお前の全てが愛おしい」

 そうして、彼が離れる。

「だけど、今日はとにかくやめてほしいの……あなたのことで気になることもあるし……」

「俺のことで気になること? それはなんだルイーズ?」

「それは……」

 ――もしかして貴方に隠し子がいるんじゃないかって気になっている。
 自白剤を飲んでしまっているのだが、怖くて言葉にすることができなかった。

「馬鹿げた想像をしてしまっているだけなの、とにかく今日はダメよ」

「理由は教えてくれないのか、ルイーズ?」

「ええ」

 思わずそっぽを向いてしまった。

「自白剤を飲んでも言えないようなことか、よっぽどセンシティブな内容だな。というか、自白剤が効かないぐらい素直じゃあないのか」

「……」

「理由はどうしても話したくないのか?」

「……ええ」

「そうか、分かった」

 そっと彼が離れる、
 ギルフォードは私に無理強いはしない。だから、今日はここまで。
 そう思ったのだが――

「お前がドレスを脱ぎたくないんなら、そのまま触れさせてくれ」

 なんだか妙な方向に流れてきた。

(ん?)

「ギル、ドレスを脱ぐ脱がないの問題じゃないのよ……あっ……」

 彼の大きな掌が、ドレス越しに乳房を覆ってくる。そうして、ゆっくりともみしだきはじめた。

「ふあっ、あっ、ギルっ……」

「ルイーズ、手の中で弾んできて、可愛いな」

 何度も何度も乳房を揉みしだかれていると、嬌声を上げるだけになってしまう。
 普段ならドレスのリボンを解かれて、そのまま引き下げられるのだが、なかなかその時は訪れない。

(私ったら何を期待しているの……!)

 どうしてもいつものように、彼に直接触れられたい願望が浮かんできてしまって。羞恥を感じた。

「どうした、ルイーズ、脱ぎたくなってきたか?」

「だから、ダメだって言って……ひゃんっ……」

 乳房の先端が衣服ごしにも分かるぐらい尖ってきており、それを彼の長い指で何度も擦られる。

「ああっ……」

「こんなに尖らせて、きっと服の中では野苺みたいに真っ赤に色づいているんだろうさ。お前はこんなにも俺のことが欲しくてたまらなそうなんだがな……」

「それは、ギルが、いやらしい手つきで触るからでっ……きゃあっ……」

 彼の指が衣服越しに先端をきゅっと掴んでくると、電流のような快感が駆け抜ける。
 そのまま摘ままれたり伸ばされたり……弄られ続けていると、どんどん息が上がってくる。

「本当にお前は感度が良いな。服を着てる状態で触れられても、気持ちが良さそうにしてくれる」

「ギル……あ……」

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