【R18】護衛対象はオネエな王子様――溺愛王子は夜、獣に豹変する――

おうぎまちこ(あきたこまち)

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 翌日。
 少しだけ落ち着かない気持ちを抑えながら、任務に当たっていた。

「あら? なんだか機嫌が良いわね、エレナ」

「はい。分かってしまいますか?」

「ええ、もちろん。アタシ、エレナのこと、いつも見てるから」

 そうして、昨日、ついに念願叶って飲みに誘われたことをヒルデ様にお伝えした。
 女性としても騎士としても、いつも背を押してくれるヒルデ様。
 当然、喜んでくれると思ったのだが――。

「危なくなぁい?」

「え?」

 ヒルデ様を見ると剣呑な光が宿っている。

「だって男たちの中に女一人でしょう? いくら貴女の腕が良いからって、賛成は出来ないわ。しかも飲みの場なんでしょう?」

「そう……でしょうか……? だけど、飲みに誘われたのは初めてで……!」

 この機会を逃したくない。

(男女問わず、騎士として対等に扱われる良い機会だし、新たな情報だって入手できるかもしれない)

 その時、突然――視界が反転した。
 急すぎて思考が追い付かない。
 新手の敵でも現れたのかと思ったが違う。

「え……?」

 気づけば、ソファの上、ヒルデ様に組み敷かれていたのだ。

(あ……)

 何をふざけたことを――。

 そう言って押しのけようとしたのだけれど――。

(力が強くて出来ない……)

 私の身体の上に跨ってきているヒルデ様が、蠱惑的な唇を開く。


「だったら……」


 いつになく彼は妖艶な雰囲気を漂わせている。



「――の腕を振りほどいていけよ」



 そこには――男性の顔をしたヒルデ王子がいたのだった。



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