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エピローグ こわモテ男子と激あま婚!?
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そうして、ゆっくり瞼を持ち上げて、瀬戸先輩の瞳をまっすぐに見つめた。
「瀬戸先輩は……私の特別な推しです」
これで答えになっただろうか?
すると、少しだけコワもてに戻った瀬戸先輩が、そわそわしながら尋ねてくる。
「特別な推しって言うのは、その……バスケを応援したいだけの、そういう推しなのか……?」
「え?」
「その……俺は四六時中一緒にいたいというか……一生手放したくない……そういう意味の特別なんだが……」
戸惑う彼を見ていたら、なんだか面白くなってくる。
「私の特別な推しは――一生ずっと一緒にいたい、そんな推しっていう意味です」
そう伝えると、瀬戸先輩が少年みたいな笑顔になった。
試合に勝った時みたいに嬉しそうで、胸がキュンと疼く。
「なあ、また俺はバスケをはじめたわけだが……」
「はい」
「お前が勧めて来たんだから、責任もって、最後まで応援してくれよ」
「分かりました……そうだ、好きなものは好きでいて良いって教えてくれたのは、瀬戸先輩です。だから、私はずっと先輩のことを推し続けます」
初めて出会った公園のバスケットコート。
ボールを抱えた彼が私の方に一歩歩み寄ってくる。
「そうか、ありがとうな……」
ふっと私の上に影が差す。彼の端正な顔立ちがゆっくりとこちらに近付いてくる。
「瀬戸先輩……」
彼の長い睫毛が私の睫毛にそっと重なった。
唇に柔らかなものが触れる。
優しい風がそよそよとそよいだ。
そうして、彼の唇がゆっくりと離れた。
「ずっとお前が推し続けたくなるような男に俺はなるから……だから、これから先もずっと、俺のことを推し続けてくれよ――好きだ、ずっとそばで見ててくれ、百合」
「はい……」
太陽の光がキラキラと輝く。
まるで――私たちの幸せな未来を祝福してくれているようだった。
「瀬戸先輩は……私の特別な推しです」
これで答えになっただろうか?
すると、少しだけコワもてに戻った瀬戸先輩が、そわそわしながら尋ねてくる。
「特別な推しって言うのは、その……バスケを応援したいだけの、そういう推しなのか……?」
「え?」
「その……俺は四六時中一緒にいたいというか……一生手放したくない……そういう意味の特別なんだが……」
戸惑う彼を見ていたら、なんだか面白くなってくる。
「私の特別な推しは――一生ずっと一緒にいたい、そんな推しっていう意味です」
そう伝えると、瀬戸先輩が少年みたいな笑顔になった。
試合に勝った時みたいに嬉しそうで、胸がキュンと疼く。
「なあ、また俺はバスケをはじめたわけだが……」
「はい」
「お前が勧めて来たんだから、責任もって、最後まで応援してくれよ」
「分かりました……そうだ、好きなものは好きでいて良いって教えてくれたのは、瀬戸先輩です。だから、私はずっと先輩のことを推し続けます」
初めて出会った公園のバスケットコート。
ボールを抱えた彼が私の方に一歩歩み寄ってくる。
「そうか、ありがとうな……」
ふっと私の上に影が差す。彼の端正な顔立ちがゆっくりとこちらに近付いてくる。
「瀬戸先輩……」
彼の長い睫毛が私の睫毛にそっと重なった。
唇に柔らかなものが触れる。
優しい風がそよそよとそよいだ。
そうして、彼の唇がゆっくりと離れた。
「ずっとお前が推し続けたくなるような男に俺はなるから……だから、これから先もずっと、俺のことを推し続けてくれよ――好きだ、ずっとそばで見ててくれ、百合」
「はい……」
太陽の光がキラキラと輝く。
まるで――私たちの幸せな未来を祝福してくれているようだった。
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