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第7話 さっそくハプニング side百合

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 チュンチュン。
 外からスズメの鳴き声が聴こえる。
 朝だ……。
 そういえば、昨日は色々あって、今まで住んでたアパートを出て、それから……。
 どうしたんだっけ……?
 それにしても、何だか妙に息苦しいのは一体全体何なんだろう……。
 だんだん視界がはっきりしてくる。
 朝なのに目の前がなんとなく薄暗い。

「むにゅ……」

 というか、やっぱり苦しいんだけど……。
 何かが身体全体にまとわりついてきているというか……?
 ゴソゴソと身体を動かしてみるけど、金縛りみたいに身体が動かない。
 なんでかな?
 思い切って、体をねじろうとした、その時――。

「……ん……」

 ――ん?

 なんだかどこかで聞いたことがあるような声が……?

 その時、私は現在の自分の状況に気付いてしまう。

「ええっ……!?」

 なんと、ベッドの上、同じ布団の下、私は瀬戸先輩に抱きしめられていたのだった――!!
 一気に恥ずかしくなって、全身が熱くなってしまった。
 そう言われてみれば、公園で彼にお姫様抱っこをされて、私はそのまま眠ってしまっていたんだ。
 まさか男の人と一緒に一夜を共にしてしまうなんて……!
 とにかく抜け出さなきゃ……!
 
「あ、あの瀬戸先輩……?」

 だけど、彼の腕の力が強くてなかなか手ごわかった。

「どうしよう……」

 悩んでいたら――ふっと、彼の両腕の力が緩んだ。

「持ちづらいな……」

「え?」

 そうして、ガシっと頭の両側をがしっと大きな手に掴まれる。

「このボール……」

 ボール!!??

 まさかバスケットのボールと勘違いしている!!???

 そうして――。


「きゃあああああ、首が捩じれる……! 私はボールじゃありませんからああああ!」

 
 色気のない叫びが、朝の大邸宅に木霊したのだった。


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