こわモテ男子と激あま婚!? 〜2人を繋ぐ1on1、ブザービートからはじまる恋〜

おうぎまちこ(あきたこまち)

文字の大きさ
上 下
21 / 101
第5話 早すぎる! 運命の再会! side百合

20

しおりを挟む



「ええっと……」

「お前、名前は加賀美百合かがみゆりだろう……?」

 フルネームで名前を呼ばれて、心臓がドキンと跳ねた。
 おずおずと返す。

「はい、そうです……」

「ああ、マジかよ……親父のやつ、本気で意味が分かんねえ……ふざけんなっての……」

 コワモテイケメンが短い髪をガシガシかきはじめた。
 乱雑な仕草が怖くて仕方がない。

「ええっと……あの、大瀬戸さん……いったいどうなっているんでしょうか……?」

 私が彼の苗字を呼ぶと、ピクリと反応する。

「ああ……?」

 すると、こっちをガンつけてくるではないか。
 名前を読んだだけなのに怖すぎ……。
 ビクビクしていると、相手が喋りはじめた。

「見たら分かるように、俺の家はいわゆる金持ちだ。使用人みたいな時代錯誤なやつらと一緒に住むのがあんまり好きじゃねえ。そうしたら、高校2年の進級祝いにって、親父が持ってたこの屋敷を俺の住まいにって譲ってくれたんだよ」

 自分で金持ちって言う男の人、初めて見た。
 いわゆる別荘というやつだろうか?
 年はあんまり離れてないはずだけど……。
 どうやら、この洋館はコワモテイケメンの所有物のようだ。

「だが、今まで家事なんてろくにしたことない。知らない間に親父が寄こしてたSP達に見られてたのか、コンビニかデリバリーばっかりになってるのがバレたんだよ。そうしたら、を寄こすって、親父から言われたんだよ……だから、てっきりもっと年取った奴が来るって思ってたんだが……」

 大瀬戸のおじさんからの説明を聞いて勘違いしていたようだ。
 私の方も、大瀬戸のおじさんの奥さんと小さな男の子のお家でお手伝いをするって考えてたぐらいだし……。
 あれ? そう言えば、このコワモテイケメン、お母さんがいないって言っていたような……?
 あれれ? それに、大瀬戸のおじさんは海外に住んでいて……?
 あれれれ? だったら、これから私は……まさか……?
 
 まさか……!!!???


「年の近い女が、一人暮らしの俺んちに住み込みになるとか……さすがに年頃の男女二人きりで同居とか、マジであり得ねえだろう……」


 年頃の男女二人で同居!!??

 や、やっぱり……!!!!????

 そうなりましたか……!???


 衝撃的な展開に、私はあんぐり開けた口を塞げなかったのだった。


しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

極甘独占欲持ち王子様は、優しくて甘すぎて。

猫菜こん
児童書・童話
 私は人より目立たずに、ひっそりと生きていたい。  だから大きな伊達眼鏡で、毎日を静かに過ごしていたのに――……。 「それじゃあこの子は、俺がもらうよ。」  優しく引き寄せられ、“王子様”の腕の中に閉じ込められ。  ……これは一体どういう状況なんですか!?  静かな場所が好きで大人しめな地味子ちゃん  できるだけ目立たないように過ごしたい  湖宮結衣(こみやゆい)  ×  文武両道な学園の王子様  実は、好きな子を誰よりも独り占めしたがり……?  氷堂秦斗(ひょうどうかなと)  最初は【仮】のはずだった。 「結衣さん……って呼んでもいい?  だから、俺のことも名前で呼んでほしいな。」 「さっきので嫉妬したから、ちょっとだけ抱きしめられてて。」 「俺は前から結衣さんのことが好きだったし、  今もどうしようもないくらい好きなんだ。」  ……でもいつの間にか、どうしようもないくらい溺れていた。

左左左右右左左  ~いらないモノ、売ります~

菱沼あゆ
児童書・童話
 菜乃たちの通う中学校にはあるウワサがあった。 『しとしとと雨が降る十三日の金曜日。  旧校舎の地下にヒミツの購買部があらわれる』  大富豪で負けた菜乃は、ひとりで旧校舎の地下に下りるはめになるが――。

【完結】小さな大冒険

衿乃 光希
絵本
動物の子供たちが、勇気を出して一歩を踏み出す、小さくても大きな冒険物語。主人公は毎回変わります。作者は絵を描けないので、あなたの中でお好きな絵を想像して読んでくださいね。漢字にルビは振っていません。絵本大賞にエントリーしています。

盲目魔女さんに拾われた双子姉妹は恩返しをするそうです。

桐山一茶
児童書・童話
雨が降り注ぐ夜の山に、捨てられてしまった双子の姉妹が居ました。 山の中には恐ろしい魔物が出るので、幼い少女の力では山の中で生きていく事なんか出来ません。 そんな中、双子姉妹の目の前に全身黒ずくめの女の人が現れました。 するとその人は優しい声で言いました。 「私は目が見えません。だから手を繋ぎましょう」 その言葉をきっかけに、3人は仲良く暮らし始めたそうなのですが――。 (この作品はほぼ毎日更新です)

守護霊のお仕事なんて出来ません!

柚月しずく
児童書・童話
事故に遭ってしまった未蘭が目が覚めると……そこは死後の世界だった。 死後の世界には「死亡予定者リスト」が存在するらしい。未蘭はリストに名前がなく「不法侵入者」と責められてしまう。 そんな未蘭を救ってくれたのは、白いスーツを着た少年。柊だった。 助けてもらいホッとしていた未蘭だったが、ある選択を迫られる。 ・守護霊代行の仕事を手伝うか。 ・死亡手続きを進められるか。 究極の選択を迫られた未蘭。 守護霊代行の仕事を引き受けることに。 人には視えない存在「守護霊代行」の任務を、なんとかこなしていたが……。 「視えないはずなのに、どうして私のことがわかるの?」 話しかけてくる男の子が現れて――⁉︎ ちょっと不思議で、信じられないような。だけど心温まるお話。

運よく生まれ変われたので、今度は思いっきり身体を動かします!

克全
児童書・童話
「第1回きずな児童書大賞」重度の心臓病のため、生まれてからずっと病院のベッドから動けなかった少年が12歳で亡くなりました。両親と両祖父母は毎日のように妾(氏神)に奇跡を願いましたが、叶えてあげられませんでした。神々の定めで、現世では奇跡を起こせなかったのです。ですが、記憶を残したまま転生させる事はできました。ほんの少しだけですが、運動が苦にならない健康な身体と神与スキルをおまけに付けてあげました。(氏神談)

【完結】だからウサギは恋をした

東 里胡
児童書・童話
【第2回きずな児童書大賞応募作品】鈴城学園中等部生徒会書記となった一年生の卯依(うい)は、元気印のツインテールが特徴の通称「うさぎちゃん」 入学式の日、生徒会長・相原 愁(あいはら しゅう)に恋をしてから毎日のように「好きです」とアタックしている彼女は「会長大好きうさぎちゃん」として全校生徒に認識されていた。 困惑し塩対応をする会長だったが、うさぎの悲しい過去を知る。 自分の過去と向き合うことになったうさぎを会長が後押ししてくれるが、こんがらがった恋模様が二人を遠ざけて――。 ※これは純度100パーセントなラブコメであり、決してふざけてはおりません!(多分)

こちら第二編集部!

月芝
児童書・童話
かつては全国でも有数の生徒数を誇ったマンモス小学校も、 いまや少子化の波に押されて、かつての勢いはない。 生徒数も全盛期の三分の一にまで減ってしまった。 そんな小学校には、ふたつの校内新聞がある。 第一編集部が発行している「パンダ通信」 第二編集部が発行している「エリマキトカゲ通信」 片やカジュアルでおしゃれで今時のトレンドにも敏感にて、 主に女生徒たちから絶大な支持をえている。 片や手堅い紙面造りが仇となり、保護者らと一部のマニアには 熱烈に支持されているものの、もはや風前の灯……。 編集部の規模、人員、発行部数も人気も雲泥の差にて、このままでは廃刊もありうる。 この危機的状況を打破すべく、第二編集部は起死回生の企画を立ち上げた。 それは―― 廃刊の危機を回避すべく、立ち上がった弱小第二編集部の面々。 これは企画を押しつけ……げふんげふん、もといまかされた女子部員たちが、 取材絡みでちょっと不思議なことを体験する物語である。

処理中です...