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クリスマス・イブに浮気しやがって死ねば良いのにと叫んでいたら、私に意地悪ばかりしてくる天敵のはずの上司に喰われただけの話
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しおりを挟むそうして、翌朝、目を覚ました私は絶望した。
「ま、まさか……現実……?」
裸のまま身体を起こした隣に眠るのは、皆の憧れだが、自分にとっては天敵である上司の姿。
血の気が引いていく。
「三十手前で彼氏とも別れたから、私には仕事しか残っていないのに――絶望的……」
そう思っていると、上司が目を覚ますではないか。
そうして彼は女子受けが半端ない端正な顔立ちで、こちらを覗いてきながら告げた。
「女に不自由したことなかったが……最近、上司が身を固めろって、俺に見合いを進めてきて鬱陶しかったんだ。ちょうど良いから、俺の女避けになってくれよ」
彼は、私の黒髪を手に取ると、ゆっくりと口づける。
(え? 何を言って? ハリウッド映画の見過ぎじゃないですか? 部長、なんなの、その仕草。そんなこと言われても……何で、私なんでしょう? 部長)
「さて、仕事に行く前に、酔っていないお前ともう一回だけ――」
そう言われて、またベッドに押し倒された私は、酔いを言い訳にはできない状態に追い込まれ、またも彼に抱かれてしまったのだった。
※※※
そうして、クリスマス・イブに浮気しやがって死ねば良いのにと叫んでから数日後――。
同じ部署で同期だった元カレは、どこかに左遷されていました。
どうやら、私にばかり意地悪してきて、天敵だと思っていた上司。彼はどうやら以前から、元カレがクズだと見抜いていたらしい。
気づいていなかったけれど、部署内でも、元カレに尽くす私を心配している声は大きかったようだ。
――常々上司が私を狙っていたことが分かるのは、彼から告白をされた時だったのでした。
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