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花嫁は、竜の舌と尾に蕩かされる〜愛しの貴方の正体は!? 8つの舌で全身愛撫はやり過ぎです〜
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しおりを挟む「恐ろしい言い方をしてすまないね……人と会うのも数年ぶりで、こいつは、どう接して良いのか分かってないんだ」
他の七つの頭たちが、口々に謝罪しはじめた。
「こんな言い方をしては、せっかくこのような異形のところに鶴姫が嫁いできてくれたというのに、嫌われてしまうぞ」
「そうだ、そうだ」と、別の七匹の頭が、真ん中の竜を一斉に責めはじめた。
まるで、亀をいじめる小さな子どもたちを見ているような気分になり、私は真ん中の竜に助け舟を出した。
「え、えと……頭が八つあったので、怖かっただけで……その……大丈夫ですから」
私がそう答えると、八つの尾が一斉に、ビタンビタンと地面を打ち付けだした。
「そうか、良かった、良かった」
八つの頭が、同時に嬉しそうに話しはじめる。八つの尾は、相変わらず、上下に動いており、その振動で私の身体も上下に跳ねた。
(嬉しいのかしら……?)
まるで、犬のようだと思い、少しだけ私の緊張がほぐれた。
「えっと、皆さまは……八人、全員人格が違うと考えた方がよろしいのでしょうか? 良ければ、一人一人お名前を……」
だが、その問いを受けたヤマタノオロチは、ぴたりとその場に固まった。
(え? おかしな質問をしてしまった……?)
機嫌を損ねてしまうかもしれないと、不安に思っていると――。
「私のことはオロチと呼んでくれて構わない……そうだな、妻になる鶴姫には、正直に話そうか……」
真ん中の頭が、切ない雰囲気を出し始める。
私も神妙な面持ちになっていただろう。ごくりと唾を飲み込み、彼の答えを待った。
(一体、どんな答えが――)
ドキドキと待っていると、ヤマタノオロチが答えた。
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