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囚われの輝夜姫は、月夜に喘ぐ【後日談】
4 蘇芳side
しおりを挟む眠りに就いた輝夜とともに、衾の中に蘇芳は身を潜めた。
――蘇芳の叔父――本来は東宮位に就く予定だったという朝月の君は、表向きは亡くなったことになっている。だが、本当は、都から外れた幽世のような場所で、神として祀られているのだという。叔父の運命の相手は黄金の瞳を持った巫女だといい、自分にも同じように運命を共にする女性がいるかもしれないと、幼い頃に教えられた。
(バカバカしい……)
そんな風に思っていたが、たまたま夜宴の際に、黄金の瞳を持つという噂の少女・輝夜の姿を見やれば、異常なほどに本能的に昂った。
(獣の類でもあるまいし……)
そう思って最初は様子を見に行くだけだったけれど、輝夜の控えめで奥ゆかしいところや、細やかな心配り、どんな辛い状況でも自分のことを心配してくれるような優しさに触れていくうちに、たちどころに恋に落ちてしまったのだ。
けれども――運命だから、蘇芳は輝夜を愛したわけじゃない。
「俺はお前だから惹かれたんだ、輝夜。愛している、俺には生涯お前だけだ」
そうして、眠る輝夜の頬に、蘇芳は優しい口づけを落としたのだった。
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