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大嫌いな幼馴染の、おもちゃになってしまいました

2※

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 そんな彼女の最近の流行りと言えば――。

「……っ、あっ、はっ…あ……んぅ……」

 城の自室の中にある、クルミ材で出来た、猫脚のサイドテーブル。
 様々な色の木片を使って、精緻な象嵌細工が表面に施されているそれの角で、少女は自身を慰めていた。
 ドレスをたくし上げて、むき出しの芽に角を当て、彼女は腰を前後に動かす。
 身体が揺れ動くたびに、彼女の金糸のような髪が激しく波打った。


 そう、最近の彼女の流行りは、自慰行為だったのだ。


 湯に入る前に、自分で身体を洗った際の出来事だ。
 花弁に隠れた芽の存在に気づいた彼女が、そちらに触れると、感じたことのないような気持ち良さを感じた。
 それ以来、人目を忍んで、自身を慰める行為にふけるようになったのだ。


(確かに擦れて気持ちが良いんだけど、ロマンス小説のように、なかなかイクことは出来ないのよね……)


 これまでの経験で、自分のどこが敏感なのか、彼女はよくわかっている。

 それでも、脚の間にある花弁の奥の蜜壺からは、だらだらと愛蜜があふれて止まらない。
 少しだけ丸みを帯びた木の角を、ぐちゃぐちゃに蜜が汚していた。

「……っ……んっ……は……あ」

(もしかしたら、自分でもイケルかもしれない……)

 少しずつ頭の中が白くなってくる。

「ひっ……は……は、は、あ、ああ……」


 身体の動きを速くする。


 今まさに絶頂を迎える――!


 彼女がそう思った時――。



 ――ガチャリ。


(――――!)


 閉めていたはずの部屋の扉が開く。


「っ…………!」


 声にならない悲鳴が室内にこだました。


 扉の前に立っていたのは――。


「姫様……いったい何を……」


 ――ミルフィーユの護衛騎士リヒト・オンブルだったのだ。


 一瞬慌てたミルフィーユだったが、気を取り直して、いつもの調子で護衛騎士に命じる。

 とにかく彼は彼女の言いなりだ。

 だから今回もそうなると、彼女は思っていたのだが――。


「リヒト……今のは黙っていてちょうだい。さもないと、お父様に言いつけ――」


 いつの間にか、肩で息をしている彼女のそばに、リヒトが立っていた。


「では、皇帝陛下には、姫様が自慰にふけっていたこともお伝えしないといけないですね」


 いつもの物静かな彼とは違う、少しだけ低い声が、ミルフィーユの耳に届く。

「な……」

 驚いて顔を上げようとした彼女の顎を、リヒトはおもむろに掴んだ。

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