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お菓子な国の姫君は、年下の堅物甘党王子に溺愛されています
7※
しおりを挟むそうして、わたくしの下腹の奥深く、一際強く熱塊の先端をぶつけられました。
「ああっ……――!」
頭の中が真っ白になったかと思うと、全身がわなわなと震えはじめます。
「……姫様、どうか受け止めてください……」
「はい……っ……!」
ぎゅううっと巨大な熱の塊を締め付けてしまいました。
ひときわ熱い精を連続で注がれます。
わたくしの胸の内は幸福感て満ち満ちていきます。
サヴァランがぶるりと犬のように震えると、はっと息をはきました。
(可愛らしい動きですこと)
結合部からは、いつもよりも熱くて、色々と交じり合った液が溢れていって……
わたくしの太腿を流れていくのがよく分かりました。
爽やかな汗がぽたりとわたくしの頬に落ちてくるではないですか。
「ああ、マカロン様……」
「あ……サヴァラン……」
そうして、優しくて、とっても甘い口づけをわたくしに落としてくれました。
***
「そうだ、明日のおやつは何にしましょうか?」
わたくしが問いかけると、サヴァランが目をぱちぱちさせた。
「マカロン様の作る菓子は最高ですもんね。そうだな、本当はあなたをと言いたいところだけれど……」
「まあ、生真面目なサヴァランが冗談を言うなんて、とっても面白いですわ」
ふふふと声を出して笑っていると、サヴァランが穏やかな口調で告げる。
「先日作ってくださった林檎パイでいかがでしょうか?」
「わかりました。サヴァランはあれが好きですね。意外と簡単に作れるのですよ」
二人の間に穏やかな時間が流れる。
「ふふ、こんなに幸せな毎日を送れるなんて……得意の菓子作りでサヴァランに好きになってもらえて本当に良かったですわ」
そんな風に告げると、サヴァランが目を真ん丸にしてこちらを見ていた。
(あら~、わたくしったらおかしなことを言ってしまのかしら?)
片手を頬に添えながら考えていると――
「……確かにお菓子で好きになったと言われればそうですね」
「やはりそうでしたか、菓子作りの腕を磨いていて助かりましたわ~」
すると、サヴァランが少しだけ寂しそうに続けた。
「マカロン様、昔、僕の生家である伯爵家の母が亡くなった時、陛下とお妃さまとお忍びで僕の屋敷を訪ねてくださったことを覚えていらっしゃいませんか?」
「あら? あらあらあら? そんなこともありました?」
まだ十歳にもならない時に、そんなことがあった気もする。
サヴァランはといえば、何やら妙に目をキラキラさせながら口を開いた。
「母が亡くなって引きこもりがちだった僕のところに、マカロン様が現れて手作りの林檎パイを差し出してくれたのです」
ふと、頭の中にありし日の記憶が閃いた。
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