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凍てつく百合の令嬢は、婚約者の弟に狂おしく愛される

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 彼が私の胸の膨らみの間に顔を押し付けてくる。

(胸に、グラース様の顔が埋まって……)

 彼は唇で、器用に胸のリボンをしゅるりと外していく。
 そうして、ドレスの胸当ての部分も取り外されるのが分かった。

「……ぁ……」

 おそらく彼の視界に私の乳房がさらされているに違いない――。

「綺麗だ。兄さんもこんな綺麗な貴女を見ようとしなかったなんて、愚かな男だ」

「っ……いやっ……見ないで……」

 だが、彼の視線は私の乳房に注がれたままだった。

(イグニス様以外の男性に、肌をこんなに見られてしまうなんて……!)

 顔が赤らむのを感じながら、私は視線を外す。同時にこれから何をされるのか想像してしまい、背筋にぞくりとした寒気を感じる。

 同時に気になる言葉も、耳に残った。

(イグニス様が、私を見ようとしない? 可哀そうではなく、愚か?)

 だが、そこまでしか考える余裕がなかった。
 彼の唇が、音を立てながら、首筋から鎖骨、鎖骨から胸のなだらかな部分へと移動してくる。

「いやっ……んっ……あっ……ん……」

 ちゅっと卑猥な音を鳴らしながら、彼の唇が触れる場所が変わるたびに、身体がびくりと震えた。

「もっと僕のことを嫌いになって、そのためなら……」

 グラース様の唇が乳房の頂を口に含み、舌で転がし始める。それも、時間をかけてゆっくりと……。絶え間ない、快感の波が私の全身を這いずる。

「ひゃぁっんっ……あ、あ、あぅ……」

 硬くなった頂きを、入念にグラース様の舌で弄られた後、彼の両手が、私の両手から外される。
 彼の手がゆっくりと私のドレスをはぎとっていく。
 抵抗したかった。だけど、快感の波が強すぎて全身に力が入らなくなってしまい、うまく抵抗することが出来ない。

(あ……ドレスが……イグニス様にもお見せしたことがないのに……)

 ドレスどころではなく、シュミーズや、レースの下着もしゅるりと脚から脱ぎ去られる。

 そうして――。

 ――私は生まれたままの姿にされてしまった。
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