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脳筋
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レイチェルは崩れ落ちたおっさん?を眺め、
「崩れ落ちている時間が勿体無いので、さっさとクラスに案内してくださいな?」
「少しは労りというものを身につけてくれ………!」
「貴方にそんなものは不要だとこの短い時間でわかりますわ」
『殆どのクラスはもう出ていっているというのに、貴方のせいで時間を無駄にしてしまったわ』
とでも言いたげにレイチェルは頬に手をあて、溜息をついた。
「くっ、」
「まぁまぁ、言い合いはそこまで」
「先生も、さっさとクラスまで案内してください。これ以上時間を無駄に消費するというのならば、此方にも考えがあります」
「あーもう、わかった、わかったから!案内するから、その傷口に塩塗りこむ様な言刃やめてくれ!」
『これはもう言葉ではない、言刃だ!』
と言わんばかりに崩れ落ちたままおっさん?は叫んだ。
だが、
「人の不幸は蜜の味、と言いますけれど………。これは流石に可哀想、かしら?
でも、喜劇の様で少々面白いわね?ミーシャ」
「ん。人の不幸程私の舌を満足させるものは無い。だから、もっと不幸になればいい。人の不幸は私の御飯。」
「そういうのは心の中で言うものらしいぞ?其処の御令嬢。
言葉に出したら先生が笑えてきてしまうだろう?可哀想ではないか!
ところで、其処の女の子はひょっとして悪m「言わせませんわっ!」ぐはぁっ!」
筋肉ムッキンムッキンの、本当に10歳か?本当は30歳いってんだろ?とツッコミたくなる少年………少年?が5メートルほど吹っ飛んだ。
そう、ティーカップよりも重い物を持ったことが無いのではと思ってしまう程儚げな美少女に鳩尾をグーで殴られて、だ。
思わず目を擦る者が続出するが、現実は非情だ。まさかこんなにも儚げな美少女があんなに強いなんて、と将来の重臣達は目を輝かす者、目が死ぬ者、目から涙が出てくる者、悟りを開きそうになるも慌てて閉じる者、俺には関係ねぇとばかりに目を逸らす者、いつか追いついてみせる、否、越えてみせると燃える者、etc…………
そんな中、私は自分のステータスを思い出していた。
ユニークスキル『夢渡り』
これは、任意の相手の夢に勝手に入り込めるスキルだった。これさえあれば誰にもバレずにナイに会えたのに、何故ステータスを忘れていたのかと本気で泣きたくなり涙目になる。
「_____ル嬢、レイチェル・ヒール嬢!」
「?なんですの?」
「俺は平気だぞ!」
「何かですの?」
「俺が殴られているのを見て少々涙目になっていたのを見「違います」え、いや、「勘違いです」わ、わかった。私は「どうでもいいですわ。そんなことより、貴方のせいで更に時間が無くなり帰る時間が遅くなりますの。貴方も先生も、さっさと立ってくださいませ」わ、わかった」
「お、おう」
「それと、私、誰かが殴られていても別に何も思いませんの。変な勘違いでもして我が家に釣書等を持ってこないでくださいね。
昔、30も上の方に少し優しくしたらつけ上がり自分との釣書を持ってきた方がいましたの。あぁ、思い出すだけで鳥肌がたちますわ、気持ち悪い!」
レイチェルは顔を嫌悪で歪ませた。が、普段余り顔の表情を変えないのに、ここ数日かなり表情を変えていたので戻らなくなった。
仕方無いから顔を揉みほぐしまた元の無表情に戻していると、石のように固まっていた少年?が、
「なんだと!そんな変態が!?」
「えぇ。だけど、38歳が8歳の私に釣書を持ってきたとはいえど、法で裁かれるという事は無いの。
だって、釣書を持ってきただけだもの。………嫌がる私を無理矢理娶っていれば違ったかもしれませんがね」
レイチェルは目を瞑り淡々と、しかし少々の嫌悪を混ぜながら話した。
「可哀想に!ならば、俺と婚約しようではないか!」
「話、聞いてました?」
「ああ!その変態が気持ち悪いから、この俺と婚約したいんだろう!?」
「全く違いますわ!
どうして釣書を送らないで、が、貴方と婚約したいになるの!?貴方馬鹿ね!?馬鹿なのね!?
馬鹿は伝染すると言いますし、今後一切私に近づかないでくださいませ!」
「おお!これが最近可愛いと話題の『つんでれ』か!大丈夫だ!俺は将来、この国の騎士団長となる!そんな変態は一切寄せ付けんぞ!」
「いやー!何なのですかこの脳筋ー!
私はツンデレではありませんし、貴方なんて好きじゃありませんし、そもそも私はお慕いしている方がいますのでこれから先も貴方を好きになることは一切ありませんわ!
なので諦めてくださいまし!」
「はっはっはっ!そんな照れなくてもいいぞ!俺とレイチェルは、すぐに結婚し家庭を築くのだからな!」
「うわーん!こいつ話通じませんわー!」
遂にレイチェルは泣き出し、脳筋(自称後の騎士団長)は、
「はっはっはっ!俺の婚約者はよく叫ぶなあ!」
と機嫌よく笑っていた。
「カオスですわね?ミーシャ」
「ん。偶にはこんな御飯も悪くない。でも、一番はやっぱり人の不幸。」
「崩れ落ちている時間が勿体無いので、さっさとクラスに案内してくださいな?」
「少しは労りというものを身につけてくれ………!」
「貴方にそんなものは不要だとこの短い時間でわかりますわ」
『殆どのクラスはもう出ていっているというのに、貴方のせいで時間を無駄にしてしまったわ』
とでも言いたげにレイチェルは頬に手をあて、溜息をついた。
「くっ、」
「まぁまぁ、言い合いはそこまで」
「先生も、さっさとクラスまで案内してください。これ以上時間を無駄に消費するというのならば、此方にも考えがあります」
「あーもう、わかった、わかったから!案内するから、その傷口に塩塗りこむ様な言刃やめてくれ!」
『これはもう言葉ではない、言刃だ!』
と言わんばかりに崩れ落ちたままおっさん?は叫んだ。
だが、
「人の不幸は蜜の味、と言いますけれど………。これは流石に可哀想、かしら?
でも、喜劇の様で少々面白いわね?ミーシャ」
「ん。人の不幸程私の舌を満足させるものは無い。だから、もっと不幸になればいい。人の不幸は私の御飯。」
「そういうのは心の中で言うものらしいぞ?其処の御令嬢。
言葉に出したら先生が笑えてきてしまうだろう?可哀想ではないか!
ところで、其処の女の子はひょっとして悪m「言わせませんわっ!」ぐはぁっ!」
筋肉ムッキンムッキンの、本当に10歳か?本当は30歳いってんだろ?とツッコミたくなる少年………少年?が5メートルほど吹っ飛んだ。
そう、ティーカップよりも重い物を持ったことが無いのではと思ってしまう程儚げな美少女に鳩尾をグーで殴られて、だ。
思わず目を擦る者が続出するが、現実は非情だ。まさかこんなにも儚げな美少女があんなに強いなんて、と将来の重臣達は目を輝かす者、目が死ぬ者、目から涙が出てくる者、悟りを開きそうになるも慌てて閉じる者、俺には関係ねぇとばかりに目を逸らす者、いつか追いついてみせる、否、越えてみせると燃える者、etc…………
そんな中、私は自分のステータスを思い出していた。
ユニークスキル『夢渡り』
これは、任意の相手の夢に勝手に入り込めるスキルだった。これさえあれば誰にもバレずにナイに会えたのに、何故ステータスを忘れていたのかと本気で泣きたくなり涙目になる。
「_____ル嬢、レイチェル・ヒール嬢!」
「?なんですの?」
「俺は平気だぞ!」
「何かですの?」
「俺が殴られているのを見て少々涙目になっていたのを見「違います」え、いや、「勘違いです」わ、わかった。私は「どうでもいいですわ。そんなことより、貴方のせいで更に時間が無くなり帰る時間が遅くなりますの。貴方も先生も、さっさと立ってくださいませ」わ、わかった」
「お、おう」
「それと、私、誰かが殴られていても別に何も思いませんの。変な勘違いでもして我が家に釣書等を持ってこないでくださいね。
昔、30も上の方に少し優しくしたらつけ上がり自分との釣書を持ってきた方がいましたの。あぁ、思い出すだけで鳥肌がたちますわ、気持ち悪い!」
レイチェルは顔を嫌悪で歪ませた。が、普段余り顔の表情を変えないのに、ここ数日かなり表情を変えていたので戻らなくなった。
仕方無いから顔を揉みほぐしまた元の無表情に戻していると、石のように固まっていた少年?が、
「なんだと!そんな変態が!?」
「えぇ。だけど、38歳が8歳の私に釣書を持ってきたとはいえど、法で裁かれるという事は無いの。
だって、釣書を持ってきただけだもの。………嫌がる私を無理矢理娶っていれば違ったかもしれませんがね」
レイチェルは目を瞑り淡々と、しかし少々の嫌悪を混ぜながら話した。
「可哀想に!ならば、俺と婚約しようではないか!」
「話、聞いてました?」
「ああ!その変態が気持ち悪いから、この俺と婚約したいんだろう!?」
「全く違いますわ!
どうして釣書を送らないで、が、貴方と婚約したいになるの!?貴方馬鹿ね!?馬鹿なのね!?
馬鹿は伝染すると言いますし、今後一切私に近づかないでくださいませ!」
「おお!これが最近可愛いと話題の『つんでれ』か!大丈夫だ!俺は将来、この国の騎士団長となる!そんな変態は一切寄せ付けんぞ!」
「いやー!何なのですかこの脳筋ー!
私はツンデレではありませんし、貴方なんて好きじゃありませんし、そもそも私はお慕いしている方がいますのでこれから先も貴方を好きになることは一切ありませんわ!
なので諦めてくださいまし!」
「はっはっはっ!そんな照れなくてもいいぞ!俺とレイチェルは、すぐに結婚し家庭を築くのだからな!」
「うわーん!こいつ話通じませんわー!」
遂にレイチェルは泣き出し、脳筋(自称後の騎士団長)は、
「はっはっはっ!俺の婚約者はよく叫ぶなあ!」
と機嫌よく笑っていた。
「カオスですわね?ミーシャ」
「ん。偶にはこんな御飯も悪くない。でも、一番はやっぱり人の不幸。」
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