51 / 63
第1章 魔法を極めた王、異世界に行く
25:逃走-1
しおりを挟む
「よしエリィにブルー。今からちょっと違う事をしてーー」
「師匠! 凄い綺麗です!!」
「いやー、星みたいで綺麗だねぇ」
どうやら自分達の修行そっちのけで、俺の魔力コントロールを観察していたらしい。2人とも魔力凝視をしながら、俺の浮いている魔力玉を綺麗だと感じているのか。
確かにこの光景は綺麗だろう。確かに綺麗だが……2人とも修行を忘れてるな?
2人ともわいわいしながら俺の魔力玉に魅入っている。土壁を破壊するぐらいの努力をしたわけでもなく、疲れたわけでもなさそう。
単純にサボってるだけということか。
……ほーう、いい度胸だな? 修行そっちのけで、やれと言ったことをやらずにサボってたんだな? それじゃ、是非修行の成果を見せてもらおうじゃないか。
「よし、2人とも今からコレを2人にぶつけるから防いでみようか」
「「……はい?」」
「元々操作用だからそんなに魔力も込めてないからヘーキヘーキ。それに2人もまだまだ元気だろ? 寝るまでに魔力も使い切らなきゃだからさ。いくよ?」
2人が俺の顔を見ながら後退りしている。いかんいかん、どうしても人に向けて魔法を放つ時は笑顔になってしまう。ちゃんと朗らかなニコニコ顔を意識しないとな。
そんな事を考えていたら、まず初めにブルーが逃げ出した。どうやら湖に潜って難を逃れようとしているらしい。もちろん即座に進路上へアースウォールを展開し、逃げ道を塞ぐ。だが、その隙を突いて今度はエリィが逃げ出した。
「させるか!」
反対方向に逃げ出したエリィには地面から蔦を生やし捕獲を試みる。足を捕まえようと地面を高速で這わしたがジャンプして避けられた。
だが、ジャンプしたのは悪手だったな!? 空中なら避けることもできまい!
地面から蔦でエリィの腕を捕まえた時、壁の方から大きな魔力を感じた。
「アクアレーザー!」
ブルーが壁を魔法で破壊し逃げ切ろうとしている。とっさに壁の強化をしたが、一点集中の魔法の前に壁が耐えられずヒビが入った。次の魔法には耐えられないかもしれないので、ブルー自体を取り押さえようと地面から腕を生やして触手のように伸ばす。
すぐに気付いたブルーが別の魔法で迎撃しようと動いた時、エリィの方からも声が聞こえてきた。
「ファイアカッター!」
蔓に対して炎の魔法で対抗、風魔法で切れるとは限らないので炎の刃を全身から射出し蔓を切り裂いた。
とっさの判断にしては上出来だ。だが、それなら切ることのできないモノにするだけだ。
「ダークテンタクルス」
闇属性の捕縛魔法。相手の魔力を吸い取って身体的にも魔力的にも自由を奪う。タコの吸盤が無くなったようなフォルムの触手が地面から生えてきて、対象に絡みついて力を奪っていく。
肌に触れれば一番効率よく吸収できるが、この後の事を考えて吸収率は抑えておく。その代わり逃げられないように自律型にして、相手の動きなどに対応できるようにしておこう。
そうしてる間に、今度はブルーが土から生えた腕「ソイルアーム」をどんどん撃退している。まぁそいつは水属性魔法をぶつけ破壊すると、今度は倍になって襲ってくるんだけどな。
気付いたら20本ぐらいになってんじゃん。
「し、しょぉ……あっ! そこは……ダメぇ……」
「師匠! 凄い綺麗です!!」
「いやー、星みたいで綺麗だねぇ」
どうやら自分達の修行そっちのけで、俺の魔力コントロールを観察していたらしい。2人とも魔力凝視をしながら、俺の浮いている魔力玉を綺麗だと感じているのか。
確かにこの光景は綺麗だろう。確かに綺麗だが……2人とも修行を忘れてるな?
2人ともわいわいしながら俺の魔力玉に魅入っている。土壁を破壊するぐらいの努力をしたわけでもなく、疲れたわけでもなさそう。
単純にサボってるだけということか。
……ほーう、いい度胸だな? 修行そっちのけで、やれと言ったことをやらずにサボってたんだな? それじゃ、是非修行の成果を見せてもらおうじゃないか。
「よし、2人とも今からコレを2人にぶつけるから防いでみようか」
「「……はい?」」
「元々操作用だからそんなに魔力も込めてないからヘーキヘーキ。それに2人もまだまだ元気だろ? 寝るまでに魔力も使い切らなきゃだからさ。いくよ?」
2人が俺の顔を見ながら後退りしている。いかんいかん、どうしても人に向けて魔法を放つ時は笑顔になってしまう。ちゃんと朗らかなニコニコ顔を意識しないとな。
そんな事を考えていたら、まず初めにブルーが逃げ出した。どうやら湖に潜って難を逃れようとしているらしい。もちろん即座に進路上へアースウォールを展開し、逃げ道を塞ぐ。だが、その隙を突いて今度はエリィが逃げ出した。
「させるか!」
反対方向に逃げ出したエリィには地面から蔦を生やし捕獲を試みる。足を捕まえようと地面を高速で這わしたがジャンプして避けられた。
だが、ジャンプしたのは悪手だったな!? 空中なら避けることもできまい!
地面から蔦でエリィの腕を捕まえた時、壁の方から大きな魔力を感じた。
「アクアレーザー!」
ブルーが壁を魔法で破壊し逃げ切ろうとしている。とっさに壁の強化をしたが、一点集中の魔法の前に壁が耐えられずヒビが入った。次の魔法には耐えられないかもしれないので、ブルー自体を取り押さえようと地面から腕を生やして触手のように伸ばす。
すぐに気付いたブルーが別の魔法で迎撃しようと動いた時、エリィの方からも声が聞こえてきた。
「ファイアカッター!」
蔓に対して炎の魔法で対抗、風魔法で切れるとは限らないので炎の刃を全身から射出し蔓を切り裂いた。
とっさの判断にしては上出来だ。だが、それなら切ることのできないモノにするだけだ。
「ダークテンタクルス」
闇属性の捕縛魔法。相手の魔力を吸い取って身体的にも魔力的にも自由を奪う。タコの吸盤が無くなったようなフォルムの触手が地面から生えてきて、対象に絡みついて力を奪っていく。
肌に触れれば一番効率よく吸収できるが、この後の事を考えて吸収率は抑えておく。その代わり逃げられないように自律型にして、相手の動きなどに対応できるようにしておこう。
そうしてる間に、今度はブルーが土から生えた腕「ソイルアーム」をどんどん撃退している。まぁそいつは水属性魔法をぶつけ破壊すると、今度は倍になって襲ってくるんだけどな。
気付いたら20本ぐらいになってんじゃん。
「し、しょぉ……あっ! そこは……ダメぇ……」
0
お気に入りに追加
146
あなたにおすすめの小説
今さら言われても・・・私は趣味に生きてますので
sherry
ファンタジー
ある日森に置き去りにされた少女はひょんな事から自分が前世の記憶を持ち、この世界に生まれ変わったことを思い出す。
早々に今世の家族に見切りをつけた少女は色んな出会いもあり、周りに呆れられながらも成長していく。
なのに・・・今更そんなこと言われても・・・出来ればそのまま放置しといてくれません?私は私で気楽にやってますので。
※魔法と剣の世界です。
※所々ご都合設定かもしれません。初ジャンルなので、暖かく見守っていただけたら幸いです。
転生してチートを手に入れました!!生まれた時から精霊王に囲まれてます…やだ
如月花恋
ファンタジー
…目の前がめっちゃ明るくなったと思ったら今度は…真っ白?
「え~…大丈夫?」
…大丈夫じゃないです
というかあなた誰?
「神。ごめんね~?合コンしてたら死んじゃってた~」
…合…コン
私の死因…神様の合コン…
…かない
「てことで…好きな所に転生していいよ!!」
好きな所…転生
じゃ異世界で
「異世界ってそんな子供みたいな…」
子供だし
小2
「まっいっか。分かった。知り合いのところ送るね」
よろです
魔法使えるところがいいな
「更に注文!?」
…神様のせいで死んだのに…
「あぁ!!分かりました!!」
やたね
「君…結構策士だな」
そう?
作戦とかは楽しいけど…
「う~ん…だったらあそこでも大丈夫かな。ちょうど人が足りないって言ってたし」
…あそこ?
「…うん。君ならやれるよ。頑張って」
…んな他人事みたいな…
「あ。爵位は結構高めだからね」
しゃくい…?
「じゃ!!」
え?
ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!
猛焔滅斬の碧刃龍
ガスト
ファンタジー
ある日、背後から何者かに突然刺され死亡した主人公。
目覚めると神様的な存在に『転生』を迫られ 気付けば異世界に!
火を吐くドラゴン、動く大木、ダンジョンに魔王!!
有り触れた世界に転生したけど、身体は竜の姿で⋯!?
仲間と出会い、絆を深め、強敵を倒す⋯単なるファンタジーライフじゃない!
進むに連れて、どんどんおかしな方向に行く主人公の運命!
グルグルと回る世界で、一体どんな事が待ち受けているのか!
読んで観なきゃあ分からない!
異世界転生バトルファンタジー!ここに降臨す!
※「小説家になろう」でも投稿しております。
https://ncode.syosetu.com/n5903ga/
転生幼女は幸せを得る。
泡沫 ウィルベル
ファンタジー
私は死んだはずだった。だけど何故か赤ちゃんに!?
今度こそ、幸せになろうと誓ったはずなのに、求められてたのは魔法の素質がある跡取りの男の子だった。私は4歳で家を出され、森に捨てられた!?幸せなんてきっと無いんだ。そんな私に幸せをくれたのは王太子だった−−
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
暇つぶし転生~お使いしながらぶらり旅~
暇人太一
ファンタジー
仲良し3人組の高校生とともに勇者召喚に巻き込まれた、30歳の病人。
ラノベの召喚もののテンプレのごとく、おっさんで病人はお呼びでない。
結局雑魚スキルを渡され、3人組のパシリとして扱われ、最後は儀式の生贄として3人組に殺されることに……。
そんなおっさんの前に厳ついおっさんが登場。果たして病人のおっさんはどうなる!?
この作品は「小説家になろう」にも掲載しています。
全能で楽しく公爵家!!
山椒
ファンタジー
平凡な人生であることを自負し、それを受け入れていた二十四歳の男性が交通事故で若くして死んでしまった。
未練はあれど死を受け入れた男性は、転生できるのであれば二度目の人生も平凡でモブキャラのような人生を送りたいと思ったところ、魔神によって全能の力を与えられてしまう!
転生した先は望んだ地位とは程遠い公爵家の長男、アーサー・ランスロットとして生まれてしまった。
スローライフをしようにも公爵家でできるかどうかも怪しいが、のんびりと全能の力を発揮していく転生者の物語。
※少しだけ設定を変えているため、書き直し、設定を加えているリメイク版になっています。
※リメイク前まで投稿しているところまで書き直せたので、二章はかなりの速度で投稿していきます。
伯爵家の三男は冒険者を目指す!
おとうふ
ファンタジー
2024年8月、更新再開しました!
佐藤良太はとある高校に通う極普通の高校生である。いつものように彼女の伶奈と一緒に歩いて下校していたところ、信号無視のトラックが猛スピードで突っ込んで来るのが見えた。良太は咄嗟に彼女を突き飛ばしたが、彼は迫り来るトラックを前に為すすべも無く、あっけなくこの世を去った。
彼が最後に見たものは、驚愕した表情で自分を見る彼女と、完全にキメているとしか思えない、トラックの運転手の異常な目だった...
(...伶奈、ごめん...)
異世界に転生した良太は、とりあえず父の勧める通りに冒険者を目指すこととなる。学校での出会いや、地球では体験したことのない様々な出来事が彼を待っている。
初めて投稿する作品ですので、温かい目で見ていただければ幸いです。
誤字・脱字やおかしな表現や展開など、指摘があれば遠慮なくお願い致します。
1話1話はとても短くなっていますので、サクサク読めるかなと思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる