15 / 63
第1章 魔法を極めた王、異世界に行く
14:ダンジョン-1
しおりを挟む
最近修行ばかりしていたら、エリィからほぼ何もしないような日がほしいと申告があった。確かに修行が楽しくて、毎日のように行っていたし一日中休みの日は殆どなかったな。
なので今日はお互いに自由に過ごすことにした。エリィは家周りを中心に整理や作業なども色々したいらしく、俺は完全に手を余らせることになった。
せっかくだし、前に見つけた洞窟にでも向かってみようと思いたち、少し出かけるとエリィに伝えるとお弁当を持たせてくれた。
なんて出来た弟子なんだ……!
アジトから歩いて30分。書き留めておいた地図情報を頼りにダンジョンへ向かっていく。
山肌にぽっかりと空いた穴が見えてきた。入口はゆるい下り坂になっており、奥の方は真っ暗で何も見えない。ダンジョンの周りには不思議と木が生えておらず、誰でも歓迎しているような雰囲気だ。
ダンジョン自体は前に3階層まで踏破してから行ってないが、今まで通りならなんてことなく終わるだろう。地図情報をダンジョンに設定し、明かり確保のためにライトボールを空中に浮かせると、いざ1階から歩みを進めていく。
ーー地下1階。
可愛い小動物たちがお出迎えだ。角の生えたうさぎ『ホーンラビット』や鋭い爪を持つ猿『グルーモンキー』、全身が針に包まれたネズミ『ニードルラット』……いやこれはハリネズミか?
まぁ可愛い小動物達は、俺の姿を見ると撫でて欲しいのか全身を使って襲い掛かってくる。それを丁寧に一匹ずつ燃やしながら奥に進んでいく。
ダンジョンは書物にあった通りだが、魔獣を倒して放置してても死骸は吸収されて跡形もなくなる。ダンジョン内で死ぬとダンジョンの栄養になるらしく、外から入ってきた者も取り込みダンジョンを維持しているらしい。
多分魔力を多く保有するナニカが死んだりしたら、ダンジョンも進化したり広くなったりするのだろうな。
ーー地下2階。
ここは飛行系の小動物が多い。コウモリやら鳥やら色んな魔獣が上空から俺を狙ってくる。もちろんそれらも丁寧に燃やしながら進んでいく。
ダンジョンでは一定の魔素を吸収すると、それに見合った宝が生成されると見たことがあるが、こんな山奥では多くの魔素を取り込むことは出来ないのだろう。
ほぼ一本道を進んでいても、宝箱のたの字すら見つからない。散歩しながら進むには風景を楽しむような作りをしていないので、黙々と次のフロアを目指していく。
ーー地下3階。
このフロアは虫と植物がメインだ。ここの虫はさっきまでのフロアと違って、物理攻撃だけではなく搦手を使ってくる。
ネバネバする糸を吐いて拘束しようとする蜘蛛『ゲノスパイダー』や睡眠効果のある鱗粉を撒いて相手を行動不能にする蝶『スリプバタフィ』、鋭い牙と硬い身体を使って突進してくるムカデ『レドセンペド』など。
植物タイプの魔物も居るのだが、洞窟にポツンと植物があるのですぐに魔物だとわかる。そしてこのフロアは植物と虫がたまに戦っているのも面白い。
向かってくる虫や植物を焼きならが、さらに奥へと進んでいく。
ーー地下4階。
初めて足を踏み入れたが、今までとほとんど変更点はない。相変わらず洞窟のような作りだし、出てくる魔物も今までと同じようなのだけ。言ってしまえば、階層ごとに出ていた魔物がここでは混合しながら出てきている。
その分相容れない魔物同士は戦っているし、一番活性化してそうな場所だ。
このフロアは多少入り組んでいるものの、行き止まりはすぐに引き返せるような作りになっており、途中の広い場所で魔物同士が戦っている場面ではこっちに気付かないこともしばしば。
興味本位で手を出してみたら、フロア全部の魔物が一斉に俺の方を向いた時は一瞬びっくりしたが……。
そんなこんなで3時間もかからず俺は地下4階まで踏破し、地下5階へと降っている。ライトボールによって明かりを確保していたが、降った先では明かりが入らないぐらい明るい場所に出た。
数人なら寝たりも出来そうなほど広い場所で、その先の壁に大きな扉が埋め込まれている。どうやらダンジョンのボス部屋に到着したのかもしれない。
ダンジョンにはダンジョンコアと呼ばれる大元が存在しており、そのコアを守るためにボスが設置されていると読んだ事がある。コアを守るためのボスは、大きなダンジョンであれば複数いるとも。
このダンジョンが大きいのかはわからないが、まずは最初のボス部屋を楽しむとしよう。
「よし、そうとなれば腹ごしらえだ」
俺は扉の前に座るとエリィの作ってくれた弁当を取り出した。さっきから腹の虫が鳴っており、どこかで休憩したいとも思っていたのだ。
ボス部屋を楽しみにしながら、今は俺の腹を満たすべくお弁当を広げて食べ始めた。
なので今日はお互いに自由に過ごすことにした。エリィは家周りを中心に整理や作業なども色々したいらしく、俺は完全に手を余らせることになった。
せっかくだし、前に見つけた洞窟にでも向かってみようと思いたち、少し出かけるとエリィに伝えるとお弁当を持たせてくれた。
なんて出来た弟子なんだ……!
アジトから歩いて30分。書き留めておいた地図情報を頼りにダンジョンへ向かっていく。
山肌にぽっかりと空いた穴が見えてきた。入口はゆるい下り坂になっており、奥の方は真っ暗で何も見えない。ダンジョンの周りには不思議と木が生えておらず、誰でも歓迎しているような雰囲気だ。
ダンジョン自体は前に3階層まで踏破してから行ってないが、今まで通りならなんてことなく終わるだろう。地図情報をダンジョンに設定し、明かり確保のためにライトボールを空中に浮かせると、いざ1階から歩みを進めていく。
ーー地下1階。
可愛い小動物たちがお出迎えだ。角の生えたうさぎ『ホーンラビット』や鋭い爪を持つ猿『グルーモンキー』、全身が針に包まれたネズミ『ニードルラット』……いやこれはハリネズミか?
まぁ可愛い小動物達は、俺の姿を見ると撫でて欲しいのか全身を使って襲い掛かってくる。それを丁寧に一匹ずつ燃やしながら奥に進んでいく。
ダンジョンは書物にあった通りだが、魔獣を倒して放置してても死骸は吸収されて跡形もなくなる。ダンジョン内で死ぬとダンジョンの栄養になるらしく、外から入ってきた者も取り込みダンジョンを維持しているらしい。
多分魔力を多く保有するナニカが死んだりしたら、ダンジョンも進化したり広くなったりするのだろうな。
ーー地下2階。
ここは飛行系の小動物が多い。コウモリやら鳥やら色んな魔獣が上空から俺を狙ってくる。もちろんそれらも丁寧に燃やしながら進んでいく。
ダンジョンでは一定の魔素を吸収すると、それに見合った宝が生成されると見たことがあるが、こんな山奥では多くの魔素を取り込むことは出来ないのだろう。
ほぼ一本道を進んでいても、宝箱のたの字すら見つからない。散歩しながら進むには風景を楽しむような作りをしていないので、黙々と次のフロアを目指していく。
ーー地下3階。
このフロアは虫と植物がメインだ。ここの虫はさっきまでのフロアと違って、物理攻撃だけではなく搦手を使ってくる。
ネバネバする糸を吐いて拘束しようとする蜘蛛『ゲノスパイダー』や睡眠効果のある鱗粉を撒いて相手を行動不能にする蝶『スリプバタフィ』、鋭い牙と硬い身体を使って突進してくるムカデ『レドセンペド』など。
植物タイプの魔物も居るのだが、洞窟にポツンと植物があるのですぐに魔物だとわかる。そしてこのフロアは植物と虫がたまに戦っているのも面白い。
向かってくる虫や植物を焼きならが、さらに奥へと進んでいく。
ーー地下4階。
初めて足を踏み入れたが、今までとほとんど変更点はない。相変わらず洞窟のような作りだし、出てくる魔物も今までと同じようなのだけ。言ってしまえば、階層ごとに出ていた魔物がここでは混合しながら出てきている。
その分相容れない魔物同士は戦っているし、一番活性化してそうな場所だ。
このフロアは多少入り組んでいるものの、行き止まりはすぐに引き返せるような作りになっており、途中の広い場所で魔物同士が戦っている場面ではこっちに気付かないこともしばしば。
興味本位で手を出してみたら、フロア全部の魔物が一斉に俺の方を向いた時は一瞬びっくりしたが……。
そんなこんなで3時間もかからず俺は地下4階まで踏破し、地下5階へと降っている。ライトボールによって明かりを確保していたが、降った先では明かりが入らないぐらい明るい場所に出た。
数人なら寝たりも出来そうなほど広い場所で、その先の壁に大きな扉が埋め込まれている。どうやらダンジョンのボス部屋に到着したのかもしれない。
ダンジョンにはダンジョンコアと呼ばれる大元が存在しており、そのコアを守るためにボスが設置されていると読んだ事がある。コアを守るためのボスは、大きなダンジョンであれば複数いるとも。
このダンジョンが大きいのかはわからないが、まずは最初のボス部屋を楽しむとしよう。
「よし、そうとなれば腹ごしらえだ」
俺は扉の前に座るとエリィの作ってくれた弁当を取り出した。さっきから腹の虫が鳴っており、どこかで休憩したいとも思っていたのだ。
ボス部屋を楽しみにしながら、今は俺の腹を満たすべくお弁当を広げて食べ始めた。
0
お気に入りに追加
146
あなたにおすすめの小説
転生してチートを手に入れました!!生まれた時から精霊王に囲まれてます…やだ
如月花恋
ファンタジー
…目の前がめっちゃ明るくなったと思ったら今度は…真っ白?
「え~…大丈夫?」
…大丈夫じゃないです
というかあなた誰?
「神。ごめんね~?合コンしてたら死んじゃってた~」
…合…コン
私の死因…神様の合コン…
…かない
「てことで…好きな所に転生していいよ!!」
好きな所…転生
じゃ異世界で
「異世界ってそんな子供みたいな…」
子供だし
小2
「まっいっか。分かった。知り合いのところ送るね」
よろです
魔法使えるところがいいな
「更に注文!?」
…神様のせいで死んだのに…
「あぁ!!分かりました!!」
やたね
「君…結構策士だな」
そう?
作戦とかは楽しいけど…
「う~ん…だったらあそこでも大丈夫かな。ちょうど人が足りないって言ってたし」
…あそこ?
「…うん。君ならやれるよ。頑張って」
…んな他人事みたいな…
「あ。爵位は結構高めだからね」
しゃくい…?
「じゃ!!」
え?
ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!
猛焔滅斬の碧刃龍
ガスト
ファンタジー
ある日、背後から何者かに突然刺され死亡した主人公。
目覚めると神様的な存在に『転生』を迫られ 気付けば異世界に!
火を吐くドラゴン、動く大木、ダンジョンに魔王!!
有り触れた世界に転生したけど、身体は竜の姿で⋯!?
仲間と出会い、絆を深め、強敵を倒す⋯単なるファンタジーライフじゃない!
進むに連れて、どんどんおかしな方向に行く主人公の運命!
グルグルと回る世界で、一体どんな事が待ち受けているのか!
読んで観なきゃあ分からない!
異世界転生バトルファンタジー!ここに降臨す!
※「小説家になろう」でも投稿しております。
https://ncode.syosetu.com/n5903ga/
魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。
転生幼女は幸せを得る。
泡沫 ウィルベル
ファンタジー
私は死んだはずだった。だけど何故か赤ちゃんに!?
今度こそ、幸せになろうと誓ったはずなのに、求められてたのは魔法の素質がある跡取りの男の子だった。私は4歳で家を出され、森に捨てられた!?幸せなんてきっと無いんだ。そんな私に幸せをくれたのは王太子だった−−
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
黒の少女と弟子の俺
まるまじろ
ファンタジー
かつて各地で起こったカラーモンスターの大量発生で滅びかけた世界、エオス。
様々な生命がカラーモンスターによって蹂躙され、人類も滅ぶ寸前まで追い詰められた。
しかし、各地で生き残った人類は必死で戦う力を身に付けてカラーモンスターに対抗し、少しずつ奪われた生活圏を取り戻していった。
こうして文明の再興に差はあれど、エオスの人類は徐々にその数を増やしていった。
しかし人類を含めた多くの生命最大の敵であるカラーモンスターは滅びたわけではなく、未だ世界中でその脅威を聞かない日は無い。
これはそんな危険に満ちた世界を渡り歩く、少年少女の物語。
※カクヨム限定で第二部を公開しています。是非ご覧下さいませ。
暇つぶし転生~お使いしながらぶらり旅~
暇人太一
ファンタジー
仲良し3人組の高校生とともに勇者召喚に巻き込まれた、30歳の病人。
ラノベの召喚もののテンプレのごとく、おっさんで病人はお呼びでない。
結局雑魚スキルを渡され、3人組のパシリとして扱われ、最後は儀式の生贄として3人組に殺されることに……。
そんなおっさんの前に厳ついおっさんが登場。果たして病人のおっさんはどうなる!?
この作品は「小説家になろう」にも掲載しています。
全能で楽しく公爵家!!
山椒
ファンタジー
平凡な人生であることを自負し、それを受け入れていた二十四歳の男性が交通事故で若くして死んでしまった。
未練はあれど死を受け入れた男性は、転生できるのであれば二度目の人生も平凡でモブキャラのような人生を送りたいと思ったところ、魔神によって全能の力を与えられてしまう!
転生した先は望んだ地位とは程遠い公爵家の長男、アーサー・ランスロットとして生まれてしまった。
スローライフをしようにも公爵家でできるかどうかも怪しいが、のんびりと全能の力を発揮していく転生者の物語。
※少しだけ設定を変えているため、書き直し、設定を加えているリメイク版になっています。
※リメイク前まで投稿しているところまで書き直せたので、二章はかなりの速度で投稿していきます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる