転生したら従者になった話

涼音

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今日から中等部に上がる。
中等部に上がると一気に入学者が増え、クラスも1クラス毎の人数も増える事となる。
唯一人数が変わらないのがSクラス。俺は大人数より少数のが落ち着く気質らしく、少人数のSクラスになれるように猛勉強する事にした。
お陰でSクラスに入る事が出来、アシュも無事Sクラスになれた。

入学式の朝、ユラに進級祝いに何が欲しいかなんて思わぬ事を言われ、思わずユラのチョーカーが欲しいと言ってしまった。
このチョーカーは、ユラが付けているアクセで唯一魔具じゃない物だ。
初等部の頃ユラと街に出掛けた時、一目惚れしたとか言って嬉しそうに付けているのを見ていた。
過去に何故そんなにアクセを付けてるのか聞くと、魔力量が膨大過ぎて命に関わるから付けてる制御魔具だと言っていた。
ユラが身につけている物が欲しいが魔具ならと諦めようとした所、チョーカーは魔具じゃない事を思い出したので思い切って聞いてみたら、あっさりとくれた。
ユラが今迄付けていた物が俺の首にあると考えるだけで、俺がユラの物になったような気になりムズムズする。
後は、あのアシュの従者のわんころにも良い牽制になるだろう。
鈍感なユラは気づいていないだろうが、あいつはユラの事を数年前から発情した犬のような目線で見ている。
気に食わない。ユラは俺の従者なのに。

「そろそろ入学式に参りますよ」
ユラの声に我に戻る。
返事をして、講堂に向かった。



*************
「やはり、初等部より人が増えましたね」
Sクラスは特別に2階席の外れた場所に席がある。
隣にいるユラが眉間に皺を寄せ気持ち悪そうに下を眺めている。
ユラも人混みが苦手だったのか。
Sクラスになっておいて良かったと改めて思う。

「シアン、ユラー、席こっち」
下を眺めていたら、後ろから聞き慣れた声が聞こえた。
後ろを見ると制服生徒が4人座り、従者が4人後ろに控えていた。
その中で一人見慣れた奴がこっちに手を振っている。アシュだ。

「やっと全員揃ったね。まだ開催まで時間あるし適当に自己紹介しちゃおうか」
と言って、それぞれ自己紹介を始めた。
俺以外の連中は初等部からSクラスだったみたいで馴染みあるみたいだ。
王族だったり、その臣下の息子だったり。
3人を覚えれば良いので、簡単に名前と顔を一致させた。
ユラは他の侍従と同じ後ろに立って控えている。


「では、これより第◯◯◯回シャイレン学園中等部の入学式を始めます」


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