転生したら従者になった話

涼音

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16 中学編突入

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初等部を卒業し、長期休暇が2月程あり中等部に入学という流れだ。
10歳になったシアン様はまだまだ幼いが、言葉も男らしくなり陛下の面影が見え隠れし始めて来た。
こりゃ、高校に上がる頃には歩く卑猥物になりそうだ。

長期休暇には一度国に戻りシアン様は休暇、俺は変わらず従者の仕事をせっせとこなす。
休暇の後半1月はアシュがウチの城に滞在し、そのまま俺らと一緒に学園に戻る事となった。
学部が上がると共に寮の引越しもある。
クラスによって寮の待遇も違う。
中学に上がる際のクラス決め試験でウチの主はトップ成績を収めたみたいで、中学からSクラスとなるらしい。
夜中遅くまで勉強してるのは知っていた。が、トップ校のトップクラスになるなんて全く思いもしなかった。
お祝いに何かプレゼントしようと思うが、果たして従者からのプレゼントなんて貰って嬉しいのだろうか。

昨日学園に戻り入寮の手続きをし、本日から入学式だ。
寝起きは相変わらず悪いので困ったものである。

「シアン様、今日は入学式ですよ。起きて下さい」
シアン様に抱かれて寝ているクソ犬は、俺の分身とは思えない程だらし無く涎垂らして寝ている。
マジでこのクソ犬丸焼きにして食ってやろうか。

「あと5分.....」
「ダメです。起きて下さい。.........起きろつってんだろうが!!」
「うおわあっ!」

布団を勢い良く剥ぎ取り、カーテンを開く。

「おはようございます。シアン様」
「はよユア」

寝相が悪いせいでボサボサの頭も相変わらず。
だが、寝着が肌け見える褐色の肌は10歳にしてはエロ.....ん”んっ。絶対気のせいだ

「早く支度しますよ」
制服に着替え、御顔、御髪を整える。
さっさと着替えをし、食堂から運んできた朝食を出す。

初等部は短パンのブレザーで、中等からは通常の長さのブレザーとなる。
侍従科の生徒は変わらず制服が無い。
だから、相変わらず俺はアラビアンっぽい体に布を巻いたような服装だ。
楽だから良いんだけどね。

だが、初等部の高学年から薄々気付いてはいたが、何故かうちの主人はきっちり着込んだら似合わない。腰まで伸びた髪のせいか?着崩せばそれなりに似合うのだが、仮にも殿下が制服を着崩して良いのだろうか。
まあいっか。しーらね

「ところでシアン様、私からシアン様に進級祝いをお渡ししたいと思うのですが、何か欲しいものありますか?」
「え、何でも良いのか?」
俺の言葉にシアン様は目を輝かせたような気がした。

「えぇ。私がご用意出来るものなら」
多分、宝石とかならどんだけ高い物を強請られても給料でどうにかなる筈。
国とか家が欲しいとか言われたら無理だけど

「じゃあ、ユアが付けてるそれが欲しい」
自分の首を指差して言った

「チョーカーですか?」
「あぁ。くれるならそれが良い。ダメか?」

んーー、俺が身につけてる中で唯一魔道具じゃ無いアクセで丈夫な皮でできており、俺の保存魔法で状態維持出来るようにしているので、傷付いたりしていない。ただ、キープ魔法をかけたせいで、皮特有の年月が経てば味が出るなんて事が無くなった。
細い紐状で二重に首に巻いてるそれは結構気に入ってたんだがまあ良いか。

「こんなもので良ければどうぞ」
チョーカーを外し、シアン様に渡すと付けてくれと言われて付けると、嬉しそうに笑った

「ありがとう。大事にする」
あ、こりゃモテるな
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