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私たちはまず、森へ向かった。
母たちに任せてきた“話し合い”がその後どうなっているのか、確かめるためだ。
「あんまり、気がすすまねえな」ユエホワが飛びながらそう言ったけれど、私もおなじ想いだった。
話し合いは、無事に終わったんだろうか……たぶん、終わってないと、思う。
へたをすると、またキャビッチ投げ対アポピス類の魔力攻勢がくりひろげられているのかも知れない。
けれど、森の中はしずかだった。
物がぶつかる音や、呪文を叫ぶ声や、悲鳴や怒鳴り声などは、まったく聞こえてこなかったのだ。
「静かね」祖母が飛びながら言う。
本当に静かだ。この世界の森には、鳥も、小さな動物も、大きな動物も、いない。いるとすれば、アポピス類と妖精だけだ。
なので何の鳴き声もしないし、かさかさと動きを感じさせる音もしない。
風の音だけだ。
「あっ」けれどとつぜん、祖母のバッグの中からハピアンフェルが声をあげた。「粉送りたちがいるわ!」
「まあ、本当に?」祖母が飛びながらバッグを見おろす。「どこにいるの?」
「この先よ」ハピアンフェルは(たぶん)バッグの中から前の方を指さして教えた。「きっと森の木を枯らそうとしているんだと思うわ」
「まあ、大変」祖母は肩をすくめた。「急ぎましょう」
「アポピス類はいないのか」ユエホワが祖母の後ろを飛びながらきく。
「いないわ、ユエホワッソ」ハピアンフェルが緑髪の名前をまちがえて呼んだけれど、自分では気がついていないみたいだった。「どこへ行ったのかしら」
「ああ」空の上からギュンテの声が聞こえた。「アポピス類たちは、裁きの陣まで連れて行かれたみてえだ」
「えっ」私は上を見上げた。
「まあ」祖母もおどろいて見上げた。
「誰が連れてったんだ?」ユエホワも見上げてきいた。
「ラギリスだあ」ギュンテは、どこかほこらしげに胸をはって答えた。「やっとあいつにも、神としての自覚がめばえたんだな」
「へえー」私は感心した。「すごい」
あの、ひそひそひそ、とささやくだけで何を言っているのかまったくわからない神さまが、あの乱暴なアポピス類たちをひとまとめに捕まえたんだろうか。
「ほんとかよ」ユエホワはどこかうたがっていた。「フュロワがやったんじゃねえの」
「ははは」ギュンテは笑った。「まあここは地母神界だ。ラギリスに花を持たせてやろうぜ」
「えっ」私はギュンテとユエホワを交互に見た。なんというか、大人の事情があるような感じがした。
それはともかくとして、私たちはさらに前へ飛びつづけた。
「みんな」やがてハピアンフェルがまた呼びかけた。「私よ。ハピアよ。粉送りのみんな」
私たちは全員止まった。
「ハピア」
「ハピアだ」
「お帰りなさい」
「どこに行っていたの」
「だいじょうぶなの」小さな声が答える。
それは水流したちのときとはちがい、なんというのだろう……小さな、植物の種がぷちぷちぷち、とはじけるような、そしてやっぱり耳にくすぐったいような、ひびきだった。
ハピアは、水流しの妖精たちに話したときと同じく、粉送りたちにいまやっていることをやめるよう説得した。
そして粉送りたちはやはり、アポピス類は自分たちの話を聞かないから闘わなければならないと主張し、私たちが「すべてのアポピス類をやっつける」からだいじょうぶという話になり、粉送りたちはわかってくれた。
でも、悪いアポピス類はもう、裁きの陣につれて行かれたんじゃなかったっけ?
あとのこっているのは、あの、聖堂でいねむりしていた、なんというか、ぼけーとしたアポピス類たちだけだと思うんだけど……あの人たちも全員、やっつけないといけないのかな?
私は首をひねりながら、とりあえず祖母たちといっしょに聖堂へもどることとなった。
もどって最初に私たちが口にしたのは、
「うわあ」
「まあ」
「へえー」
という、とにかくおどろきの声ばかりだった。
なぜかというと、聖堂が――なんとあのぼろぼろに壊されていた聖堂が、ちゃんと元どおりの姿にもどっていたからだ。
すごい!
「すごーい」私は思ったままを口にしていた。「魔法みたい」
「あははははは」なぜかユエホワが空を向いて大笑いした。「それうけるー」
「なにがおかしいの」私は怒ったけど顔が赤くなるのがわかった。まあたしかに「魔法みたい」なんて、三歳か四歳ぐらいの子どもがいうせりふでは、あるけれど……
「だって魔法って、あはははは」ユエホワはお腹をかかえてまだ笑う。「あれか、キャビッチ投げつけて修復したのか」
「そんなこと言ってないし」私もますます顔が赤くなるのを感じながら言い返した。
「魔法みたいだろ」ふいにギュンテがそう言いながら、ユエホワの頭を小脇にかためた。「俺たちがすこーしだけ、手伝ったからな。キャビッチじゃなくて悪かったけども」そうして私にウインクする。
「あいたたたた離してっ」ムートゥー類が悲鳴をあげる。
「あはははは」こんどは私がお腹をかかえて笑い返してやった。
「まあ、楽しそうね」祖母もほほほほ、と笑う。
私たちはともかくも、聖堂の中に入った。
「あなたたちは」誰かの声が聞こえる。
「汝らは」小さな声がつづく。
「汝らは」さいしょに聞いた声の人が言い直す。「ここ神の地において、心をとぎすませ、神に許しを請い、そして、えーと」
「三回まわって遠吠えしろ」
「穴を掘るのではございませんでしたでしょうか」
「あれっ」私は目をまるくした。
どこかで聞いた声だなと思ってたら。
「なにやってんだ、あいつら」となりでユエホワがあきれたように言った。
それはケイマン、サイリュウ、ルーロの魔法大生三人組だったのだ。
彼らは、裁きの陣のそばに並び立ち、陣の中に向かって何かことばをかけつづけていた。
「遠吠えも穴掘りもしない」声をひそめながら三人にテイセイをしているのは、菜園界の祭司さま――ルドルフ祭司さまではない人だった。「正しき道をゆき正しき行いをまっとうすることを誓わなければならない」
「ぜんぜんちがうじゃないか。頼むよ」ケイマンが困ったような顔で言う。
「そもそも人に頼らないで自分でおぼえろよ」ルーロが不服そうに早口で言う。
「でございますですが、穴を掘るのがどこかに出て来てはおりませんでしたでしょうか、たしか」サイリュウがしきりに首をひねりながら言う。
「穴掘るのはあれだろ、ビューリイ類が建てものをぶっこわした時につかう文句だろ」ユエホワがいつのまにか三人の中にすべりこんで言葉をはさむ。「『汝穴を掘ることをみずから制せよ』かなんかで」
「さいでございましたですね、ええ」
「あれ」
「お前どこ行ってたんだ」三人は目をまるくした。
「それはこっちのせりふだよ。てかなんでお前らが祭司のまねごとしてんだよ」ユエホワが口をとがらせる。
「おれたち、ここで裁き役やることになったんだよ」ケイマンがてれくさそうに頭をかきながら説明した。
「お前らが? まじで?」ユエホワは声を大にしておどろいた。
「ええっ」私もおなじくおどろいた。
「まあ、すてきだわ」祖母は感動していた。「本当にそうなるなんて、すばらしいわ」
「さよう」祭司さまが小さく声をはさむ。「今まさに、その裁きの儀式をとりおこなっておるところじゃ。静粛に」
「あ」
「まあ、ごめんなさい」
私たちは裁きの陣からはなれた。
よく見ると私たちの後ろにならぶ椅子には、菜園界の人たちが皆静かにすわっていたのだ。
「母さん、ポピー、ここよ」後ろのほうで母が立ち上がり、手まねきする。
私たちはいそいで移動した。
ユエホワはついて来ず、椅子がならぶところからは少し離れて壁ぎわに立っていた。
「すごいな、ユエホワは」父がしきりに首をふりながらため息まじりに言う。「人間界の祭司が使う裁きの祈祷句まで知ってるなんて。さすがだ」
「本当ね」祖母がふかくうなずく。「彼はすばらしいわ」
「ほんとによく勉強してるのねえ」なんと母までが、緑髪を――あれほど嫌っていたやつを、ほめる。
「それだけいっぱい裁きの陣につれてかれた苦い思い出があるんじゃないの」と私は言いたかったけど、だまっていた。
母たちに任せてきた“話し合い”がその後どうなっているのか、確かめるためだ。
「あんまり、気がすすまねえな」ユエホワが飛びながらそう言ったけれど、私もおなじ想いだった。
話し合いは、無事に終わったんだろうか……たぶん、終わってないと、思う。
へたをすると、またキャビッチ投げ対アポピス類の魔力攻勢がくりひろげられているのかも知れない。
けれど、森の中はしずかだった。
物がぶつかる音や、呪文を叫ぶ声や、悲鳴や怒鳴り声などは、まったく聞こえてこなかったのだ。
「静かね」祖母が飛びながら言う。
本当に静かだ。この世界の森には、鳥も、小さな動物も、大きな動物も、いない。いるとすれば、アポピス類と妖精だけだ。
なので何の鳴き声もしないし、かさかさと動きを感じさせる音もしない。
風の音だけだ。
「あっ」けれどとつぜん、祖母のバッグの中からハピアンフェルが声をあげた。「粉送りたちがいるわ!」
「まあ、本当に?」祖母が飛びながらバッグを見おろす。「どこにいるの?」
「この先よ」ハピアンフェルは(たぶん)バッグの中から前の方を指さして教えた。「きっと森の木を枯らそうとしているんだと思うわ」
「まあ、大変」祖母は肩をすくめた。「急ぎましょう」
「アポピス類はいないのか」ユエホワが祖母の後ろを飛びながらきく。
「いないわ、ユエホワッソ」ハピアンフェルが緑髪の名前をまちがえて呼んだけれど、自分では気がついていないみたいだった。「どこへ行ったのかしら」
「ああ」空の上からギュンテの声が聞こえた。「アポピス類たちは、裁きの陣まで連れて行かれたみてえだ」
「えっ」私は上を見上げた。
「まあ」祖母もおどろいて見上げた。
「誰が連れてったんだ?」ユエホワも見上げてきいた。
「ラギリスだあ」ギュンテは、どこかほこらしげに胸をはって答えた。「やっとあいつにも、神としての自覚がめばえたんだな」
「へえー」私は感心した。「すごい」
あの、ひそひそひそ、とささやくだけで何を言っているのかまったくわからない神さまが、あの乱暴なアポピス類たちをひとまとめに捕まえたんだろうか。
「ほんとかよ」ユエホワはどこかうたがっていた。「フュロワがやったんじゃねえの」
「ははは」ギュンテは笑った。「まあここは地母神界だ。ラギリスに花を持たせてやろうぜ」
「えっ」私はギュンテとユエホワを交互に見た。なんというか、大人の事情があるような感じがした。
それはともかくとして、私たちはさらに前へ飛びつづけた。
「みんな」やがてハピアンフェルがまた呼びかけた。「私よ。ハピアよ。粉送りのみんな」
私たちは全員止まった。
「ハピア」
「ハピアだ」
「お帰りなさい」
「どこに行っていたの」
「だいじょうぶなの」小さな声が答える。
それは水流したちのときとはちがい、なんというのだろう……小さな、植物の種がぷちぷちぷち、とはじけるような、そしてやっぱり耳にくすぐったいような、ひびきだった。
ハピアは、水流しの妖精たちに話したときと同じく、粉送りたちにいまやっていることをやめるよう説得した。
そして粉送りたちはやはり、アポピス類は自分たちの話を聞かないから闘わなければならないと主張し、私たちが「すべてのアポピス類をやっつける」からだいじょうぶという話になり、粉送りたちはわかってくれた。
でも、悪いアポピス類はもう、裁きの陣につれて行かれたんじゃなかったっけ?
あとのこっているのは、あの、聖堂でいねむりしていた、なんというか、ぼけーとしたアポピス類たちだけだと思うんだけど……あの人たちも全員、やっつけないといけないのかな?
私は首をひねりながら、とりあえず祖母たちといっしょに聖堂へもどることとなった。
もどって最初に私たちが口にしたのは、
「うわあ」
「まあ」
「へえー」
という、とにかくおどろきの声ばかりだった。
なぜかというと、聖堂が――なんとあのぼろぼろに壊されていた聖堂が、ちゃんと元どおりの姿にもどっていたからだ。
すごい!
「すごーい」私は思ったままを口にしていた。「魔法みたい」
「あははははは」なぜかユエホワが空を向いて大笑いした。「それうけるー」
「なにがおかしいの」私は怒ったけど顔が赤くなるのがわかった。まあたしかに「魔法みたい」なんて、三歳か四歳ぐらいの子どもがいうせりふでは、あるけれど……
「だって魔法って、あはははは」ユエホワはお腹をかかえてまだ笑う。「あれか、キャビッチ投げつけて修復したのか」
「そんなこと言ってないし」私もますます顔が赤くなるのを感じながら言い返した。
「魔法みたいだろ」ふいにギュンテがそう言いながら、ユエホワの頭を小脇にかためた。「俺たちがすこーしだけ、手伝ったからな。キャビッチじゃなくて悪かったけども」そうして私にウインクする。
「あいたたたた離してっ」ムートゥー類が悲鳴をあげる。
「あはははは」こんどは私がお腹をかかえて笑い返してやった。
「まあ、楽しそうね」祖母もほほほほ、と笑う。
私たちはともかくも、聖堂の中に入った。
「あなたたちは」誰かの声が聞こえる。
「汝らは」小さな声がつづく。
「汝らは」さいしょに聞いた声の人が言い直す。「ここ神の地において、心をとぎすませ、神に許しを請い、そして、えーと」
「三回まわって遠吠えしろ」
「穴を掘るのではございませんでしたでしょうか」
「あれっ」私は目をまるくした。
どこかで聞いた声だなと思ってたら。
「なにやってんだ、あいつら」となりでユエホワがあきれたように言った。
それはケイマン、サイリュウ、ルーロの魔法大生三人組だったのだ。
彼らは、裁きの陣のそばに並び立ち、陣の中に向かって何かことばをかけつづけていた。
「遠吠えも穴掘りもしない」声をひそめながら三人にテイセイをしているのは、菜園界の祭司さま――ルドルフ祭司さまではない人だった。「正しき道をゆき正しき行いをまっとうすることを誓わなければならない」
「ぜんぜんちがうじゃないか。頼むよ」ケイマンが困ったような顔で言う。
「そもそも人に頼らないで自分でおぼえろよ」ルーロが不服そうに早口で言う。
「でございますですが、穴を掘るのがどこかに出て来てはおりませんでしたでしょうか、たしか」サイリュウがしきりに首をひねりながら言う。
「穴掘るのはあれだろ、ビューリイ類が建てものをぶっこわした時につかう文句だろ」ユエホワがいつのまにか三人の中にすべりこんで言葉をはさむ。「『汝穴を掘ることをみずから制せよ』かなんかで」
「さいでございましたですね、ええ」
「あれ」
「お前どこ行ってたんだ」三人は目をまるくした。
「それはこっちのせりふだよ。てかなんでお前らが祭司のまねごとしてんだよ」ユエホワが口をとがらせる。
「おれたち、ここで裁き役やることになったんだよ」ケイマンがてれくさそうに頭をかきながら説明した。
「お前らが? まじで?」ユエホワは声を大にしておどろいた。
「ええっ」私もおなじくおどろいた。
「まあ、すてきだわ」祖母は感動していた。「本当にそうなるなんて、すばらしいわ」
「さよう」祭司さまが小さく声をはさむ。「今まさに、その裁きの儀式をとりおこなっておるところじゃ。静粛に」
「あ」
「まあ、ごめんなさい」
私たちは裁きの陣からはなれた。
よく見ると私たちの後ろにならぶ椅子には、菜園界の人たちが皆静かにすわっていたのだ。
「母さん、ポピー、ここよ」後ろのほうで母が立ち上がり、手まねきする。
私たちはいそいで移動した。
ユエホワはついて来ず、椅子がならぶところからは少し離れて壁ぎわに立っていた。
「すごいな、ユエホワは」父がしきりに首をふりながらため息まじりに言う。「人間界の祭司が使う裁きの祈祷句まで知ってるなんて。さすがだ」
「本当ね」祖母がふかくうなずく。「彼はすばらしいわ」
「ほんとによく勉強してるのねえ」なんと母までが、緑髪を――あれほど嫌っていたやつを、ほめる。
「それだけいっぱい裁きの陣につれてかれた苦い思い出があるんじゃないの」と私は言いたかったけど、だまっていた。
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