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第46話 マルドーレ
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「き、貴様ぁ!」
裏切られた、そう気づいた瞬間マルドーレは思わず声を上げていた。
「裏切ったな!裏切りよったなあ!」
味方だと思い込んでいたからこそマルドーレは烈火の如く文官達へと怒りを露わにする。
「竜王様はマルドーレに対し激怒していた!」
だが、そんなマルドーレに文官達は一切意識を払うことはなかった。
民衆達へと向け、言葉を重ねる。
「何故ならマルドーレは会談で無礼を働いた挙句、竜王様の妹君に手を出そうとした!そしてそのマルドーレの行動を竜王様は決して許さないだろう!」
「っ!」
その文官の言葉に民衆達の間に不安が広がっていく。
それ程、マルドーレのしたことは一大事だった。
何せ竜王という、この世界で言えば最大級の戦力を持っている存在の身内に手を出そうとしたのだ。
マルドーレだけでなく、アレスターレに対して竜王が怒りをぶつけようとしても決しておかしくはない。
「だが、竜王様は寛大にも、マルドーレに翻弄されていたアレスターレに対しては被害者として慈悲の心を見せてくださった!」
けれども、その民衆の不安を文官の言葉は吹き飛ばした。
何を言おうとしているのかわからず、民衆達が不安げな視線を文官達に寄越す。
その視線にも全く物怖じすることなく、文官達は口を開いた。
「ある条件を飲むことにより、アレスターレは今まで通り竜王国の庇護を受けることとなった」
「っ!うぉぉぉぉぉお!」
「そ、そんな寛大なご慈悲を……」
そしてその文官の言葉に民衆達はそれぞれ喜びの声を上げる。
竜王の怒りを買ったのに、それでも庇護を受け続けることができる、それはそれ程珍しいことだった。
何せ、それ程までにマルドーレの犯した罪は重い。
だからこそ、民衆達は歓声を上げて……
「これも全て私のお陰だな!」
……だが一人、全く状況を理解していない人間がいた。
「私が罪を被ったお陰でアレスターレは救われた!つまり、全て私のお陰だ!」
そう、それは縛られているマルドーレの言葉だった。
自分の所為でこんな事態になったのにもかかわらず、マルドーレは全くそのことを理解していなかった。
「だから私はこのままアレスターレを守るべき人間で……」
ただ、自分の都合のいいように物事を解釈して声をあげる。
……だがそんな戯言は、呆れたような態度で文官達が告げた言葉によってあっさりと否定された。
「……そして、アレスターレを守る前提条件として元国王マルドーレの追放が必要となる」
「………え?」
その言葉を全く想像していなかったようにマルドーレは言葉失うことになった……
裏切られた、そう気づいた瞬間マルドーレは思わず声を上げていた。
「裏切ったな!裏切りよったなあ!」
味方だと思い込んでいたからこそマルドーレは烈火の如く文官達へと怒りを露わにする。
「竜王様はマルドーレに対し激怒していた!」
だが、そんなマルドーレに文官達は一切意識を払うことはなかった。
民衆達へと向け、言葉を重ねる。
「何故ならマルドーレは会談で無礼を働いた挙句、竜王様の妹君に手を出そうとした!そしてそのマルドーレの行動を竜王様は決して許さないだろう!」
「っ!」
その文官の言葉に民衆達の間に不安が広がっていく。
それ程、マルドーレのしたことは一大事だった。
何せ竜王という、この世界で言えば最大級の戦力を持っている存在の身内に手を出そうとしたのだ。
マルドーレだけでなく、アレスターレに対して竜王が怒りをぶつけようとしても決しておかしくはない。
「だが、竜王様は寛大にも、マルドーレに翻弄されていたアレスターレに対しては被害者として慈悲の心を見せてくださった!」
けれども、その民衆の不安を文官の言葉は吹き飛ばした。
何を言おうとしているのかわからず、民衆達が不安げな視線を文官達に寄越す。
その視線にも全く物怖じすることなく、文官達は口を開いた。
「ある条件を飲むことにより、アレスターレは今まで通り竜王国の庇護を受けることとなった」
「っ!うぉぉぉぉぉお!」
「そ、そんな寛大なご慈悲を……」
そしてその文官の言葉に民衆達はそれぞれ喜びの声を上げる。
竜王の怒りを買ったのに、それでも庇護を受け続けることができる、それはそれ程珍しいことだった。
何せ、それ程までにマルドーレの犯した罪は重い。
だからこそ、民衆達は歓声を上げて……
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……だが一人、全く状況を理解していない人間がいた。
「私が罪を被ったお陰でアレスターレは救われた!つまり、全て私のお陰だ!」
そう、それは縛られているマルドーレの言葉だった。
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「だから私はこのままアレスターレを守るべき人間で……」
ただ、自分の都合のいいように物事を解釈して声をあげる。
……だがそんな戯言は、呆れたような態度で文官達が告げた言葉によってあっさりと否定された。
「……そして、アレスターレを守る前提条件として元国王マルドーレの追放が必要となる」
「………え?」
その言葉を全く想像していなかったようにマルドーレは言葉失うことになった……
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