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第35話 マルドーレ
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「本日は何の用でこの場に来た?」
竜王とマルドーレの会談、それはそんな竜王の質問から始まることになった。
その竜王の言葉は決して何らかの感情が込められていた訳ではなかった。
「っ!」
……しかし、マルドーレはその竜王の言葉に隠しきれない畏怖を覚える。
恐らくこれが竜王という存在なのだろう。
そして、その存在を感じながらマルドーレはその口元に笑みを浮かべた。
「……これであの忌々しい飛竜に、ルスタニアやマーテリタットに復讐が出来る」
その想像にマルドーレはその口に笑み浮かべる。
「はい、今回は竜王国にも関わるだろう大事件が起きたためにこの場に参らせて頂きました」
そしてマルドーレは竜王に対して跪き、口を開いた。
「ほう。その危機とは何か?」
マルドーレの言葉に対し、目の前にいた竜は興味深げにマルドーレへと目を向ける。
「っ!」
その際、マルドーレは竜王の圧倒的な能力の片鱗を浴びたことにより一瞬言葉に詰まるが、すぐに息を整える。
「はい。実はわが国で竜王国と一番親交があったマーセリアが他国の陰謀により、冤罪をかけられました」
「っ!」
そして次の瞬間、マルドーレが告げた言葉にこの部屋の中にいた竜達が言葉を失い。
そんな中、マルドーレは口元に会心の笑みを浮かべていた……
◇◆◇
マルドーレは竜王国に、ルスタニアやマーテリタットなどの国々によってマーセリアが冤罪をかけられたことにすることによって竜王国にルスタニアなどを攻めさせようとしていた。
何せ竜王国とマーセリアが信頼関係にあることはこの大陸の常識だ。
そんな相手が何か陰謀に巻き込まれたとあれば、竜王も動くとマルドーレは考えたのだ。
「その国は狡猾でアレスターレもマーセリアを追放するしかなく、今は彼女がどこにいるかもわかりません。竜王国とマーセリアが信頼関係にあることは大陸の常識です。けれども他国はそれをわかりながらマーセリアに冤罪をかぶせた。私はこれは、竜王国を攻めようとする態度の現れだと愚考します」
それに、こうやって話を持っていけばこの場所にマーセリアがいないことを咎められることはない。
「……そんなことがあったとは。この場所からは人の営みの情報など入ってこない。その隙を突かれたということか……」
そして竜王の言葉からその狙い通りに物事が進んでいることを悟って、マルドーレは口の笑みをさらに深いものとする。
そう、竜達は大陸のことをほとんど知らない。
それを利用してマルドーレは全ての罪を他国に被せようとしていたのだ。
そしてそんなことを考えた自分をマルドーレは内心で褒め称える。
これで自分がもう竜王達に疑われることはないと。
「で、どんな罪をマーセリアは着せられたのだ」
「………え?」
……けれども、次の瞬間竜王が発したその言葉にマルドーレは言葉に詰まることとなった。
竜王とマルドーレの会談、それはそんな竜王の質問から始まることになった。
その竜王の言葉は決して何らかの感情が込められていた訳ではなかった。
「っ!」
……しかし、マルドーレはその竜王の言葉に隠しきれない畏怖を覚える。
恐らくこれが竜王という存在なのだろう。
そして、その存在を感じながらマルドーレはその口元に笑みを浮かべた。
「……これであの忌々しい飛竜に、ルスタニアやマーテリタットに復讐が出来る」
その想像にマルドーレはその口に笑み浮かべる。
「はい、今回は竜王国にも関わるだろう大事件が起きたためにこの場に参らせて頂きました」
そしてマルドーレは竜王に対して跪き、口を開いた。
「ほう。その危機とは何か?」
マルドーレの言葉に対し、目の前にいた竜は興味深げにマルドーレへと目を向ける。
「っ!」
その際、マルドーレは竜王の圧倒的な能力の片鱗を浴びたことにより一瞬言葉に詰まるが、すぐに息を整える。
「はい。実はわが国で竜王国と一番親交があったマーセリアが他国の陰謀により、冤罪をかけられました」
「っ!」
そして次の瞬間、マルドーレが告げた言葉にこの部屋の中にいた竜達が言葉を失い。
そんな中、マルドーレは口元に会心の笑みを浮かべていた……
◇◆◇
マルドーレは竜王国に、ルスタニアやマーテリタットなどの国々によってマーセリアが冤罪をかけられたことにすることによって竜王国にルスタニアなどを攻めさせようとしていた。
何せ竜王国とマーセリアが信頼関係にあることはこの大陸の常識だ。
そんな相手が何か陰謀に巻き込まれたとあれば、竜王も動くとマルドーレは考えたのだ。
「その国は狡猾でアレスターレもマーセリアを追放するしかなく、今は彼女がどこにいるかもわかりません。竜王国とマーセリアが信頼関係にあることは大陸の常識です。けれども他国はそれをわかりながらマーセリアに冤罪をかぶせた。私はこれは、竜王国を攻めようとする態度の現れだと愚考します」
それに、こうやって話を持っていけばこの場所にマーセリアがいないことを咎められることはない。
「……そんなことがあったとは。この場所からは人の営みの情報など入ってこない。その隙を突かれたということか……」
そして竜王の言葉からその狙い通りに物事が進んでいることを悟って、マルドーレは口の笑みをさらに深いものとする。
そう、竜達は大陸のことをほとんど知らない。
それを利用してマルドーレは全ての罪を他国に被せようとしていたのだ。
そしてそんなことを考えた自分をマルドーレは内心で褒め称える。
これで自分がもう竜王達に疑われることはないと。
「で、どんな罪をマーセリアは着せられたのだ」
「………え?」
……けれども、次の瞬間竜王が発したその言葉にマルドーレは言葉に詰まることとなった。
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