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羞恥の会食
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サーシャリア視点になります!
◇◇◇
食堂にたどり着くと、すでにそこではアルフォードが待っていた。
感情が読みとれない表情に、冷徹な瞳。
侍女に促されるまま、その対面に座るとアルフォードが口を開く。
「昨日ぶりだな」
言葉少なな挨拶。
アルフォードは昨日のことなどなかったように、いつも通りだった。
だが、一方の私は平静でいられるわけがなかった。
「え、ええ、その、昨日は本当にありがとう」
私は目をそらしながら、何とか返事を返す。
その頭の中では昨日の夢が何度もフッラシュバックしていた。
……正確には、夢だと思っていた現実の出来事なのだが。
あれが夢ではなかった、つまり私はとんでもない醜態をアルフォードにさらしていたのではないか。
今さらながら、そのことに思い至った私はとんでもない羞恥に襲われることになっていた。
アルフォードに抱きしめてもらったことや、夢だと思いこんで何も考えずに甘えたこと。
それを思い出す度に、私は穴にでも埋まりたくなる。
とてもじゃないが、こんな近距離でアルフォードと目を合わせられる気がしなかった。
せめて前もって教えてくれれば、心構えくらいはできたのに、と私はアルフォードの隣に座るソシリアを睨む。
「何もあんな耳元で……」
ソシリアの方も、涙目で耳を押さえながら恨めしそうにこちらを見ていたが、文句をいいたいのはこちらの方だ。
さらに恨みを込めて睨みつけると、分が悪いと自覚したのか、いそいそとソシリアは顔を逸らす。
少し不安げに、アルフォードが口を開いたのは、そんなやりとりをしていたときだった。
「……怒っているのか?」
「え?」
「ソシリアを見て、俺の方を見てくれない」
その言葉に、私の顔に冷や汗が流れる。
本当のこと……照れくさいなど言えるわけがない。
そうこうしている間に、真剣な表情でアルフォードが頭を下げる。
「遅くなって本当にすまない」
「そんなことないわ!」
その瞬間だけは、私はそう即答できた。
「むしろ、私はお礼を言わなければならないくらいよ!」
あの瞬間、どれだけ私が救われたか。
それを伝えるべく、私は必死に言葉を重ねる。
「どれだけあの時私が嬉しかったか、言葉じゃ言い表せないわ。……そうじゃないとあんな風に抱きつかれるのを許したりはしないわ」
蘇ってくる記憶に羞恥にもだえながら、私はそう告げる。
本当に私はどうしてあれを夢と思ってしまったのか……。
そんな羞恥にもだえる私と対照的に、アルフォードは心底嬉しそうに笑った。
「それなら良かった」
以前までならアルフォートが、滅多に見せることがなかったはずの笑顔。
……それを目にして、心臓が痛いほど鳴り始めるのを私は感じていた。
◇◇◇
食堂にたどり着くと、すでにそこではアルフォードが待っていた。
感情が読みとれない表情に、冷徹な瞳。
侍女に促されるまま、その対面に座るとアルフォードが口を開く。
「昨日ぶりだな」
言葉少なな挨拶。
アルフォードは昨日のことなどなかったように、いつも通りだった。
だが、一方の私は平静でいられるわけがなかった。
「え、ええ、その、昨日は本当にありがとう」
私は目をそらしながら、何とか返事を返す。
その頭の中では昨日の夢が何度もフッラシュバックしていた。
……正確には、夢だと思っていた現実の出来事なのだが。
あれが夢ではなかった、つまり私はとんでもない醜態をアルフォードにさらしていたのではないか。
今さらながら、そのことに思い至った私はとんでもない羞恥に襲われることになっていた。
アルフォードに抱きしめてもらったことや、夢だと思いこんで何も考えずに甘えたこと。
それを思い出す度に、私は穴にでも埋まりたくなる。
とてもじゃないが、こんな近距離でアルフォードと目を合わせられる気がしなかった。
せめて前もって教えてくれれば、心構えくらいはできたのに、と私はアルフォードの隣に座るソシリアを睨む。
「何もあんな耳元で……」
ソシリアの方も、涙目で耳を押さえながら恨めしそうにこちらを見ていたが、文句をいいたいのはこちらの方だ。
さらに恨みを込めて睨みつけると、分が悪いと自覚したのか、いそいそとソシリアは顔を逸らす。
少し不安げに、アルフォードが口を開いたのは、そんなやりとりをしていたときだった。
「……怒っているのか?」
「え?」
「ソシリアを見て、俺の方を見てくれない」
その言葉に、私の顔に冷や汗が流れる。
本当のこと……照れくさいなど言えるわけがない。
そうこうしている間に、真剣な表情でアルフォードが頭を下げる。
「遅くなって本当にすまない」
「そんなことないわ!」
その瞬間だけは、私はそう即答できた。
「むしろ、私はお礼を言わなければならないくらいよ!」
あの瞬間、どれだけ私が救われたか。
それを伝えるべく、私は必死に言葉を重ねる。
「どれだけあの時私が嬉しかったか、言葉じゃ言い表せないわ。……そうじゃないとあんな風に抱きつかれるのを許したりはしないわ」
蘇ってくる記憶に羞恥にもだえながら、私はそう告げる。
本当に私はどうしてあれを夢と思ってしまったのか……。
そんな羞恥にもだえる私と対照的に、アルフォードは心底嬉しそうに笑った。
「それなら良かった」
以前までならアルフォートが、滅多に見せることがなかったはずの笑顔。
……それを目にして、心臓が痛いほど鳴り始めるのを私は感じていた。
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