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第64話 罪の告白
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【8月8日 1週間後:倉田 和彦】
1週間後、俺は2人を迎えに行った。
俺はこの1週間、塚原家のリビングで2人に邪魔が入らないようにずっと見張りをしていた。
幸いにも邪魔が入る事なく、2人は無事1週間を過ごす事ができた。2人は2階の寝室で、どれだけ幸せな時間を過ごす事ができただろうか。優姫にとっては格別な時間だっただろう。
それを想像しただけで、俺は幸福に満たされる。後悔など無い。
2階に上がり、1週間ぶりに祐介の寝室のドアを開ける。
そしてその瞬間、俺は激しくむせ返ってしまう。
1週間も閉め切られた部屋の中には、真夏の熱と、言葉では表しきれないような腐臭が籠っていたのだ。
「っぐ、っう……」
それでも俺は鼻を塞ぎながら部屋の中へ入って行く。
そして、奥のベッドには2人が……2人だった肉塊が腐臭を放ちながら横たわっていた。これが……あの2人から発せられている臭いだと思うと卒倒しそうになる。
もう、この2つの肉塊が祐介と優姫だったなんて誰にも分からないほどの酷い状態だった。それを目の当たりにして俺は、無意識に涙を流していた。
「……綺麗なままで死なせてやれなくて、ごめんな」
俺は恐らく優姫だったであろう小柄な亡骸に手を触れる。
もう、何も感じない。
俺は無心のまま、自首も兼ねて警察へ通報をした。
1週間後、俺は2人を迎えに行った。
俺はこの1週間、塚原家のリビングで2人に邪魔が入らないようにずっと見張りをしていた。
幸いにも邪魔が入る事なく、2人は無事1週間を過ごす事ができた。2人は2階の寝室で、どれだけ幸せな時間を過ごす事ができただろうか。優姫にとっては格別な時間だっただろう。
それを想像しただけで、俺は幸福に満たされる。後悔など無い。
2階に上がり、1週間ぶりに祐介の寝室のドアを開ける。
そしてその瞬間、俺は激しくむせ返ってしまう。
1週間も閉め切られた部屋の中には、真夏の熱と、言葉では表しきれないような腐臭が籠っていたのだ。
「っぐ、っう……」
それでも俺は鼻を塞ぎながら部屋の中へ入って行く。
そして、奥のベッドには2人が……2人だった肉塊が腐臭を放ちながら横たわっていた。これが……あの2人から発せられている臭いだと思うと卒倒しそうになる。
もう、この2つの肉塊が祐介と優姫だったなんて誰にも分からないほどの酷い状態だった。それを目の当たりにして俺は、無意識に涙を流していた。
「……綺麗なままで死なせてやれなくて、ごめんな」
俺は恐らく優姫だったであろう小柄な亡骸に手を触れる。
もう、何も感じない。
俺は無心のまま、自首も兼ねて警察へ通報をした。
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