107 / 125
第12話 自壊の刑
第107話 魂の空腹
しおりを挟む
「ふぅ……一先ず素材の調達は済んだか」
血と脂に濡れた鉈を投げ捨て、僕はゆっくりとガレージ内のソファーに腰を下ろす。
鉈一本で人間の四肢を切断するというのは、想像以上の重労働だ。
肉の脂と真っ赤な血を浴びながら、僕はひたすらにティエラの肉体へ鉈を振り下ろし続け、そして切断するに至った。
「ぁ……あ……ッ」
四肢を失い、達磨になったティエラは叫び声を上げる気力すら残っていなかった。
麻酔も無く四肢を切断される苦痛、恐怖、絶望……それらにより、当初の傲慢だったティエラの人格は完全に破壊されていた。
今や瀕死の家畜の様に、更なる苦痛と地獄に怯え、身体を震わせる事しか出来ない。
「ご苦労だった。一先ず両手足があればしばらく素材には困らないだろう。今はゆっくりと休んでいてくれ」
「ひ……ッ」
僕が髪を撫でたたけで、ティエラは目を見開き表情を大きく歪ませる。
ティエラから僕へと向けられる目線は、これまでのものとは全く異なるものであった。
「ティエラ、怖がる事は無い。これは、君を守る為の施しなんだ」
そして、僕は自殺の防止の為に丈夫な布をティエラの口内へ押し込む。
茜がそうした様に、舌でも噛み切られては面倒だし、茜の魂を呼び戻すまで、ティエラに死なれては困る。
その肉体の全てが塵になるまで、ティエラには従ってもらう無ければならない。
「んッ……ん……ぅ!」
ティエラが首を振り、抵抗するが僕は無理矢理に布を押し込み、そして頭の後ろで縛る。
そして、僕は耳元で静かにこう囁いた。
「言っておくが、死のうだなんて考えないでくれ。屍肉では無く、茜にはより新鮮な素材を与えたいんだ。分かるね?」
自身の血と脂に塗れた鉈を首筋に向け、その先端で皮膚に傷を付ける。
すると、ティエラの表情は再び恐怖に染まり、狂った様に頷いた。
僕の手により耐え難い地獄の苦痛を知ったティエラは、既に僕の従順な家畜に成り下がっていた。
「飲み込みが早くて助かる。流石は天才だ」
僕は皮肉混じりにそう呟きながらティエラの両手足の切断面を保護し、止血の手当てを済ませた。
そして、僕はティエラの切断した両手足を持ちガレージを出る。
向かう先は……自宅のキッチンだ。
手に入れた材料を『加工』し、より美しい形へも仕上げる為……僕は切断した両手足を抱えながら、階段をゆっくりと昇って行った。
「さて……」
キッチンに切断した両手足を並べ、僕はどのような『加工』を施すか考えを巡らせる。
いや、正確に言うのなら……どのように調理し、味付けを施し、摂取させるか……ティエラの肉体をどのような形『料理』へ仕上げるかという事だ。
「重要なのはここからだ。ただ、物質を流動食にして押し流すだけでは気品に欠ける。君も……無機質な流動食には良い加減に飽きただろう?」
キッチンで一人、空を漂う茜の魂へ向けて言葉を発するが、返答は無い。
「今までは粗末な食事で済まなかった。けれど、今日からは違う。少女から採取した新鮮な食材を用いた特別製の料理で、君を楽しませてみせよう。そうすれば……君の肉体にも再び潤いが取り戻されるはずだ」
そう、僕が行き着いた手段。それは、神秘が宿った少女の肉体を、美しい形へ加工し、調理し、茜の肉体へ与える事。
アルビノを殺し、食す事で儀式や呪術を行う様に、美しい少女の血肉を得れば茜の魂と肉体にも神秘が宿る。
そう考えた僕は……ティエラの肉体の全てを用いて、茜の魂の空腹を満たそうと考えたのだ。
血と脂に濡れた鉈を投げ捨て、僕はゆっくりとガレージ内のソファーに腰を下ろす。
鉈一本で人間の四肢を切断するというのは、想像以上の重労働だ。
肉の脂と真っ赤な血を浴びながら、僕はひたすらにティエラの肉体へ鉈を振り下ろし続け、そして切断するに至った。
「ぁ……あ……ッ」
四肢を失い、達磨になったティエラは叫び声を上げる気力すら残っていなかった。
麻酔も無く四肢を切断される苦痛、恐怖、絶望……それらにより、当初の傲慢だったティエラの人格は完全に破壊されていた。
今や瀕死の家畜の様に、更なる苦痛と地獄に怯え、身体を震わせる事しか出来ない。
「ご苦労だった。一先ず両手足があればしばらく素材には困らないだろう。今はゆっくりと休んでいてくれ」
「ひ……ッ」
僕が髪を撫でたたけで、ティエラは目を見開き表情を大きく歪ませる。
ティエラから僕へと向けられる目線は、これまでのものとは全く異なるものであった。
「ティエラ、怖がる事は無い。これは、君を守る為の施しなんだ」
そして、僕は自殺の防止の為に丈夫な布をティエラの口内へ押し込む。
茜がそうした様に、舌でも噛み切られては面倒だし、茜の魂を呼び戻すまで、ティエラに死なれては困る。
その肉体の全てが塵になるまで、ティエラには従ってもらう無ければならない。
「んッ……ん……ぅ!」
ティエラが首を振り、抵抗するが僕は無理矢理に布を押し込み、そして頭の後ろで縛る。
そして、僕は耳元で静かにこう囁いた。
「言っておくが、死のうだなんて考えないでくれ。屍肉では無く、茜にはより新鮮な素材を与えたいんだ。分かるね?」
自身の血と脂に塗れた鉈を首筋に向け、その先端で皮膚に傷を付ける。
すると、ティエラの表情は再び恐怖に染まり、狂った様に頷いた。
僕の手により耐え難い地獄の苦痛を知ったティエラは、既に僕の従順な家畜に成り下がっていた。
「飲み込みが早くて助かる。流石は天才だ」
僕は皮肉混じりにそう呟きながらティエラの両手足の切断面を保護し、止血の手当てを済ませた。
そして、僕はティエラの切断した両手足を持ちガレージを出る。
向かう先は……自宅のキッチンだ。
手に入れた材料を『加工』し、より美しい形へも仕上げる為……僕は切断した両手足を抱えながら、階段をゆっくりと昇って行った。
「さて……」
キッチンに切断した両手足を並べ、僕はどのような『加工』を施すか考えを巡らせる。
いや、正確に言うのなら……どのように調理し、味付けを施し、摂取させるか……ティエラの肉体をどのような形『料理』へ仕上げるかという事だ。
「重要なのはここからだ。ただ、物質を流動食にして押し流すだけでは気品に欠ける。君も……無機質な流動食には良い加減に飽きただろう?」
キッチンで一人、空を漂う茜の魂へ向けて言葉を発するが、返答は無い。
「今までは粗末な食事で済まなかった。けれど、今日からは違う。少女から採取した新鮮な食材を用いた特別製の料理で、君を楽しませてみせよう。そうすれば……君の肉体にも再び潤いが取り戻されるはずだ」
そう、僕が行き着いた手段。それは、神秘が宿った少女の肉体を、美しい形へ加工し、調理し、茜の肉体へ与える事。
アルビノを殺し、食す事で儀式や呪術を行う様に、美しい少女の血肉を得れば茜の魂と肉体にも神秘が宿る。
そう考えた僕は……ティエラの肉体の全てを用いて、茜の魂の空腹を満たそうと考えたのだ。
0
お気に入りに追加
193
あなたにおすすめの小説
すべて実話
さつきのいろどり
ホラー
タイトル通り全て実話のホラー体験です。
友人から聞いたものや著者本人の実体験を書かせていただきます。
長編として登録していますが、短編をいつくか載せていこうと思っていますので、追加配信しましたら覗きに来て下さいね^^*
本当にあった怖い話
邪神 白猫
ホラー
リスナーさんや読者の方から聞いた体験談【本当にあった怖い話】を基にして書いたオムニバスになります。
完結としますが、体験談が追加され次第更新します。
LINEオプチャにて、体験談募集中✨
あなたの体験談、投稿してみませんか?
投稿された体験談は、YouTubeにて朗読させて頂く場合があります。
【邪神白猫】で検索してみてね🐱
↓YouTubeにて、朗読中(コピペで飛んでください)
https://youtube.com/@yuachanRio
※登場する施設名や人物名などは全て架空です。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
透影の紅 ~悪魔が愛した少女と疑惑のアルカナ~
ぽんぽこ@書籍発売中!!
ホラー
【8秒で分かるあらすじ】
鋏を持った女に影を奪われ、八日後に死ぬ運命となった少年少女たちが、解呪のキーとなる本を探す物語。✂ (º∀º) 📓
【あらすじ】
日本有数の占い師集団、カレイドスコープの代表が殺された。
容疑者は代表の妻である日々子という女。
彼女は一冊の黒い本を持ち、次なる標的を狙う。
市立河口高校に通う高校一年生、白鳥悠真(しらとりゆうま)。
彼には、とある悩みがあった。
――女心が分からない。
それが原因なのか、彼女である星奈(せいな)が最近、冷たいのだ。
苦労して付き合ったばかり。別れたくない悠真は幼馴染である紅莉(あかり)に週末、相談に乗ってもらうことにした。
しかしその日の帰り道。
悠真は恐ろしい見た目をした女に「本を寄越せ」と迫られ、ショックで気絶してしまう。
その後意識を取り戻すが、彼の隣りには何故か紅莉の姿があった。
鏡の中の彼から影が消えており、焦る悠真。
何か事情を知っている様子の紅莉は「このままだと八日後に死ぬ」と悠真に告げる。
助かるためには、タイムリミットまでに【悪魔の愛読書】と呼ばれる六冊の本を全て集めるか、元凶の女を見つけ出すしかない。
仕方なく紅莉と共に本を探すことにした悠真だったが――?
【透影】とかげ、すきかげ。物の隙間や薄い物を通して見える姿や形。
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
表紙イラスト/イトノコ(@misokooekaki)様より
【⁉】意味がわかると怖い話【解説あり】
絢郷水沙
ホラー
普通に読めばそうでもないけど、よく考えてみたらゾクッとする、そんな怖い話です。基本1ページ完結。
下にスクロールするとヒントと解説があります。何が怖いのか、ぜひ推理しながら読み進めてみてください。
※全話オリジナル作品です。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる