チューベローズ

本編

65ー義輝Sideー

　
………時は少しだけ遡る………

　仕事部屋で作業をしていると俺のスマホに着信があった。相手は泰虎だった。内容は２つあり、その内の１つはあの男・・・に動きがあり、とうとうあの女・・・を処理したというものだった。
　泰虎自身もそれを確認し、全て・・の後処理・・・を終えたらしい…。

　まぁ、あの女・・・がそういう・・・・場所へ身を落とし、四六時中セックスさせられて、しかも、新薬開発の実験も知らずの内にされていた…にも関わらず俺が思っていたよりもよく保ったと思う。

　もう少し早く使えなくなると思っていたので、その辺は少しだけ驚いた。

　骨すらも残らなかった女に同情心なんて生まれなかった。最初から殺意以外の感情なんて持ち合わせてはいなかった。

　でも、ただ消すだけでは俺の内に生まれた怒りにも似た感情がおさまりそうもなかったので『どうせならそれなりに・・・・・苦しめてから消してやろう。』そう思ってあの男・・・に連絡を取った。

　最初こそ確かに・・・苦しんで居ただろう…番であるアレ・・以外の者とのセックスを強制され、泣き叫んでも身体をムリヤリ拓かれて、暴かれて…絶望したに違いない。

　調教され感覚が麻痺し、ある意味・・・・、壊れてからは愉しんで居たのか、それとも何も感じなくなっていたのかは分からない。
　が、ソレも俺には全く興味なんて湧かない話…どうせならば有効活用も・してやろうと開発途中の薬を飲ませながらそういう・・・・行為をさせていた。

　子宮も使い物にならなくなり、身体の中もガタガタになり、若さ故の美しさも無くなった女など男にとっては金づるにもならないし、俺にとっても用済みだった。故に必要無くなった。

　最初から結末は決まっていた。俺の一存で苦しめるためだけ・・に延命していたにすぎない。

　だから、当初の予定通りに処理・・した。ただ、それだけだ…

　修兵は知らないだろう…知らなくて良い…俺がこんな・・・鬼だという事なんて…
　
　そして、もう１つあった報告は、そういう・・・・趣味がある男の愛妾的ポジションにジョブチェンジしたあの男・・・も処理されたというものだった…この男・・・も愛人と同じ末路を辿った…

　そうする・・・・ように愛人を調教した男に予め命令されていたからだ…

　こちらも泰虎が確認したようだ。てっきり捨てられて、衰弱して消えて逝くものだと思っていた。

　骨が残ろうが、骨ごと消えようが、どっちでも良かった…

　ただ、全てに・・・絶望して、自身の選択を後悔し、自分の運命を呪っていてさえくれればそれで良かった。

　どちらも最期は実年齢よりも老け込み、まともに立ち上がる事すらできなかったようだ。

　その報告をしてきた泰虎に労いの言葉をかけ、暫くは用事を言いつけたりしないので、ゆっくり休むようにと言ってある。

　その際に俺たちと合流したらまた用事を言いつける事になる…だから、その休暇を十分・・に堪能してから帰って来るようにという言葉も付け足した。

　泰虎の了承の言葉を聞いてから電話を切った。

　
＊