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本編
61*
しおりを挟むあれから体勢を変えられた。両足を揃えた状態でうつ伏せにされ、義輝が俺の上へと跨り、少し押さえつけられたような体勢で挿入され揺さぶられている。
この体勢は久し振りだった。久し振りに違う場所を刺激され思いの外、感じてしまっていた。
女にも似た悲鳴に近い嬌声を上げながら揺さぶられていると、何度目かも分からぬ絶頂を向かえた。
直後、義輝のモノからも白濁が吐き出された感覚があった。
「はぁ…はぁ…んんっ…はぁ…ン…」
「っ…修兵、気持ち良かったよ」
そう言って俺の耳朶をねっとりと舐め上げ、軽く食み離れていく。ナカからも義輝のモノがズルズルと抜けていった。
だが…残念な事に俺のナカの熱はおさまらない…寧ろ振り返しており、俺の身体は義輝を求めている。
俺は動かし辛い身体をムリヤリ動かし、仰向けに転がり義輝の方へと向いた。
「?どうしたの?」
と言ってポカンとしている義輝の方へと手を伸ばすと、意図を察したらしい義輝は妖しく笑った。
「ずっとは可哀想だから休憩がてら何か食べてから…と思っていたんだけど?この様子だと、ムリそうだねぇ…」
そう言って少し考える素振りを見せると、再び俺を見た。
「満足するまで付き合ってやるから…そんな加虐心を擽るような顔をして見ないでよ。できるだけ優しくシてあげたいと思ってるんだからさぁ…」
「んぁ…ぁぁ…」
言葉を紡ぎながらも俺の身体を焦れったい動きで撫でていく義輝に俺の口からは切な気な声が漏れる。
撫でている義輝の手を取ると、あっさりと俺に捕まってくれた。視線を上げると目が合う。
俺の様子を見ているのだろう…俺はその手に甘えるように頬擦りをすると、義輝の手の甲にキスをした。
ピクリと微かに動いた指先へさらにキスをして舌を這わせていると、頭上から溜め息が落ちてきた。
やっぱり嫌だったのだろうか…と不安になり義輝へと再び視線を戻した直後、何の前触れもなく、ナカに義輝のモノが挿入された。
「ぁぁああン!!」
「フッ…乗ってやるよ…」
低く呻いたようにそう言った義輝に喘ぎながらも首を傾げて問うてみると、返ってきたのは意地悪そうな笑みだった。
「ひゃあぁぁあ!な、にぃ…」
「挑発したのはお前だぞ…」
仰向けになっている俺に覆い被さるような体勢をとり、結構、強引に押さえ付けられた。
「ッ…やぁああー!!」
先程よりも深く入り込んできたソレはオメガになって初めて未知なる場所へと入り込む。子宮ではない場所だ。
「ぁぁああっ…」
(違う…ソコじゃない…)
絶望にも似た感情が押し寄せてくる。その思いが顔に現れていたのか、義輝が眉間に皺を寄せる。
「困ったな…こっちの方が『鬼』の番にとっては少しだけ負担は少ない場所なんだけど…」
そう言って首を傾げている。
「やだぁ…」
(奥は奥でもそっちじゃない…)
涙声で首を横に振り一生懸命に自分の意志を伝えていると、小刻みに揺れていた腰が完全に止まった。
*
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