チューベローズ

スメラギ

文字の大きさ
上 下
64 / 88
本編

61*

しおりを挟む
 
 あれから体勢を変えられた。両足を揃えた状態でうつ伏せにされ、義輝が俺の上へと跨り、少し押さえつけられたような体勢で挿入され揺さぶられている。

 この体勢は久し振りだった。久し振りに違う場所を刺激され思いの外、感じてしまっていた。

 女にも似た悲鳴に近い嬌声を上げながら揺さぶられていると、何度目かも分からぬ絶頂を向かえた。
 直後、義輝のモノからも白濁が吐き出された感覚があった。

 「はぁ…はぁ…んんっ…はぁ…ン…」
 「っ…修兵、気持ち良かったよ」

 そう言って俺の耳朶をねっとりと舐め上げ、軽く食み離れていく。ナカからも義輝のモノがズルズルと抜けていった。

 だが…残念な事に俺のナカの熱はおさまらない…寧ろ振り返しており、俺の身体は義輝を求めている。

 俺は動かし辛い身体をムリヤリ動かし、仰向けに転がり義輝の方へと向いた。

 「?どうしたの?」

 と言ってポカンとしている義輝の方へと手を伸ばすと、意図を察したらしい義輝は妖しく笑った。

 「ずっとは可哀想だから休憩がてら何か食べてから…と思っていたんだけど?この様子だと、ムリそうだねぇ…」

 そう言って少し考える素振りを見せると、再び俺を見た。

 「満足するまで付き合ってやるから…そんな加虐心を擽るような顔をして見ないでよ。できるだけ優しくシてあげたいと思ってるんだからさぁ…」
 「んぁ…ぁぁ…」

 言葉を紡ぎながらも俺の身体を焦れったい動きで撫でていく義輝に俺の口からは切な気な声が漏れる。
 撫でている義輝の手を取ると、あっさりと俺に捕まってくれた。視線を上げると目が合う。

 俺の様子を見ているのだろう…俺はその手に甘えるように頬擦りをすると、義輝の手の甲にキスをした。
 ピクリと微かに動いた指先へさらにキスをして舌を這わせていると、頭上から溜め息が落ちてきた。

 やっぱり嫌だったのだろうか…と不安になり義輝へと再び視線を戻した直後、何の前触れもなく、ナカに義輝のモノが挿入された。

 「ぁぁああン!!」
 「フッ…乗ってやるよ…」

 低く呻いたようにそう言った義輝に喘ぎながらも首を傾げて問うてみると、返ってきたのは意地悪そうな笑みだった。

 「ひゃあぁぁあ!な、にぃ…」
 「挑発したのはお前だぞ…」

 仰向けになっている俺に覆い被さるような体勢をとり、結構、強引に押さえ付けられた。

 「ッ…やぁああー!!」

 先程よりも深く入り込んできたソレはオメガになって初めて未知なる場所へと入り込む。子宮ではない場所だ。

 「ぁぁああっ…」

 (違う…ソコじゃない…)

 絶望にも似た感情が押し寄せてくる。その思いが顔に現れていたのか、義輝が眉間に皺を寄せる。

 「困ったな…こっちの方が『鬼』の番にとっては少しだけ負担は少ない場所なんだけど…」

 そう言って首を傾げている。

 「やだぁ…」

 (奥は奥でもそっち・・・じゃない…)

 涙声で首を横に振り一生懸命に自分の意志を伝えていると、小刻みに揺れていた腰が完全に止まった。
 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~

めぐみ
BL
☆俺はお前を何度も抱き、俺なしではいられぬ淫らな身体にする。宿命という名の数奇な運命に翻弄される王子達☆ ―俺はそなたを玩具だと思ったことはなかった。ただ、そなたの身体は俺のものだ。俺はそなたを何度でも抱き、俺なしではいられないような淫らな身体にする。抱き潰すくらいに抱けば、そなたもあの宦官のことなど思い出しもしなくなる。― モンゴル大帝国の皇帝を祖父に持ちモンゴル帝国直系の皇女を生母として生まれた彼は、生まれながらの高麗の王太子だった。 だが、そんな王太子の運命を激変させる出来事が起こった。 そう、あの「秘密」が表に出るまでは。

【R18】異世界なら彼女の母親とラブラブでもいいよね!

SoftCareer
ファンタジー
幼なじみの彼女の母親と二人っきりで、期せずして異世界に飛ばされてしまった主人公が、 帰還の方法を模索しながら、その母親や異世界の人達との絆を深めていくというストーリーです。 性的描写のガイドラインに抵触してカクヨムから、R-18のミッドナイトノベルズに引っ越して、 お陰様で好評をいただきましたので、こちらにもお世話になれればとやって参りました。 (こちらとミッドナイトノベルズでの同時掲載です)

側妻になった男の僕。

selen
BL
国王と平民による禁断の主従らぶ。。を書くつもりです(⌒▽⌒)よかったらみてね☆☆

何故か正妻になった男の僕。

selen
BL
『側妻になった男の僕。』の続きです(⌒▽⌒) blさいこう✩.*˚主従らぶさいこう✩.*˚✩.*˚

ハイスペックストーカーに追われています

たかつきよしき
BL
祐樹は美少女顔負けの美貌で、朝の通勤ラッシュアワーを、女性専用車両に乗ることで回避していた。しかし、そんなことをしたバチなのか、ハイスペック男子の昌磨に一目惚れされて求愛をうける。男に告白されるなんて、冗談じゃねぇ!!と思ったが、この昌磨という男なかなかのハイスペック。利用できる!と、判断して、近づいたのが失敗の始まり。とある切っ掛けで、男だとバラしても昌磨の愛は諦めることを知らず、ハイスペックぶりをフルに活用して迫ってくる!! と言うタイトル通りの内容。前半は笑ってもらえたらなぁと言う気持ちで、後半はシリアスにBLらしく萌えると感じて頂けるように書きました。 完結しました。

アーティファクトコレクター -異世界と転生とお宝と-

一星
ファンタジー
至って普通のサラリーマン、松平善は車に跳ねられ死んでしまう。気が付くとそこはダンジョンの中。しかも体は子供になっている!? スキル? ステータス? なんだそれ。ゲームの様な仕組みがある異世界で生き返ったは良いが、こんな状況むごいよ神様。 ダンジョン攻略をしたり、ゴブリンたちを支配したり、戦争に参加したり、鳩を愛でたりする物語です。 基本ゆったり進行で話が進みます。 四章後半ごろから主人公無双が多くなり、その後は人間では最強になります。

ハッピーエンド

藤美りゅう
BL
恋心を抱いた人には、彼女がいましたーー。 レンタルショップ『MIMIYA』でアルバイトをする三上凛は、週末の夜に来るカップルの彼氏、堺智樹に恋心を抱いていた。 ある日、凛はそのカップルが雨の中喧嘩をするのを偶然目撃してしまい、雨が降りしきる中、帰れず立ち尽くしている智樹に自分の傘を貸してやる。 それから二人の距離は縮まろうとしていたが、一本のある映画が、凛の心にブレーキをかけてしまう。 ※ 他サイトでコンテスト用に執筆した作品です。

愛欲の炎に抱かれて

藤波蕚
BL
ベータの夫と政略結婚したオメガの理人。しかし夫には昔からの恋人が居て、ほとんど家に帰って来ない。 とある日、夫や理人の父の経営する会社の業界のパーティーに、パートナーとして参加する。そこで出会ったのは、ハーフリムの眼鏡をかけた怜悧な背の高い青年だった ▽追記 2023/09/15 感想にてご指摘頂いたので、登場人物の名前にふりがなをふりました

処理中です...