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本編
23ー義輝Sideー
しおりを挟むさらに数十日が過ぎ、錠剤も半分くらいなくなった頃…修兵に飲ませる薬を増やした。
普段朝に飲ませている物とは別の物で夜に飲ませている。修兵は怪訝そうにしていたがソレも一瞬で直ぐに頷いた。
本人が思っているよりも俺に従順なようで、なによりである。
そして、修兵に当てる俺のフェロモンも徐々に強くしていった。それに気づいていないのは修兵だけだろう。
修兵のフェロモンも微弱ではあるが、そのフェロモンに庇護鬼たちも気が付き始めていた。
そんな頃だった…2人で過ごしていると珍しく電話が鳴った。相手は陽斗だ。修兵に断りを入れてから少し離れた。
陽斗は自分の庇護鬼の伝であの場所を見張っていたらしい…そして、元両親のうち、母親の方は父親が役に立たなくなってしまった為に働かなくてはならなくなった。
専業主婦だった女がいきなり働けと言われても働けるはずなんてない。
特許を持っているわけでもなく、即戦力になるわけでもない女に就職先なんて見つかるはずもなく…途方に暮れているようだ。
彼の元父親の愛人だがー…彼女は怪しい男と訳あって番う事になってしまった。だが、その怪しい男も結構なクズだった…というどこにでもある話だ…
まぁ、実際に番ってはいないんだけど…脳内お花畑なバカ女だから大丈夫だろう。
愛人だった女はそういう行為をする場所に半強制的に売られお金を稼ぐ道具のような扱いを受けている。そのお金は全て男の物になっており…搾取されているようだ。
今まであの男に大事にされて元母親を隠れ蓑にし、好き勝手に豪遊してきたツケを…修兵に使われるはずだったお金を使い込んだツケを払わされている事だろう。
女が稼いだお金は好きにして構わないとー…ただし絶対に逃がすな。女が使い物にならなくなれば適切に処理しろと言ってある。
凄腕の奴なので何の問題もない。あの女を適切に処理したのを確認する為に1人だけ秘密裏に庇護鬼をその男につけてある。万が一、を考えてだ。裏切ればその男も処理してしまえば問題ない。
まぁ、少々…勿体無い気もするので調教して従順にするのもありかもしれないが…
今、その話はどうでも良い。
後、元父親本人はというと…愛人がそういう状況に陥っているのを知り、現場に乗り込んだらしい。そして、発狂した。それはそうだろう…愛人は既に件の男に調教されており完璧な犬となっている。
男に跨り、もう2人のモノを扱き、なかなかにハードな事をシながら「あなたも一緒にどうですか?」と愛人に誘われた衝撃と他の男に身体を許している愛人に対しての怒りがキャパオーバーし、殴りかかったようだ。
愛が憎しみに変わったらしい…
あっという間に地獄絵図となるはずだったがー…女は一応、商品である。「家の者に何をするんだ!!」と即座に強面の大柄の男が現れて一撃で沈めてしまった。
『番』に手を出されたアルファらしい行動力には感心するが…俺にとっては修兵を害した敵である男に変わりはない…その男の『番』も俺にとっては敵である。しかも、あの元凶を生んだ女ならばなおさらだ…
情けなくも一撃で伸びた元父親はそのまま引きずり出されそういう趣味のあるアルファの愛妾的ポジションに転職した。
衣食住には困っては居ないが…その生活も相手が飽きるまで…結構、ハードなプレイもヤらされているみたいだ。
そのアルファの本家に身柄を移され日中は馬車馬のように使われ夜間は夜の相手をしている。
働かざる者食うべからずというヤツなのだろう。
そんなハードな生活がいつまで続くか見ものである。
元母親は自分の旦那がそこまで落ちぶれている事なんて知らない。就職先が見つからぬまま焦っているからな…このままいけば夜逃げをしそうである。
その時は修兵が受けた肉体的苦痛をその身に味わった後に朝日を見る事も叶わなくなる日になるだろう…
報告を聞き通話を切ると何食わぬ顔で修兵の元へと戻っていった。
*
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