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本編

(1)可笑しくなった親友ー親之SIDEー

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 俺の目の前にはベッドに横たわった 愛羅あいらがいる。そのベッドの横に腰掛けるのは俺こと 鷹里たかざと  親之ちかゆき。愛羅の親友…まぁ、家も近所で小中学校が同じだった事もあり幼馴染でもある。

 愛羅は小さい頃から変な爺さんやらに襲われそうになるくらいいろんな意味で好かれていたから俺が守ってきた。彼の両親に頼まれたから…というのが始まりだったな。
 何かと一緒にいる事が増えて、愛羅の両親にも良くしてもらったし、俺も愛羅と一緒にいる事が嫌じゃなかったからそうしてきた…この感情が恋愛感情だという事を理解するのに時間はかからなかった…

 大切に守ってきた愛羅が頭をぶつけて倒れたのだから一大事だ。心配しすぎて気が気じゃない。

 早く目を覚ませと時折撫でつつ、椅子に座り壁にもたれて足を投げ出しスマホを弄っていると愛羅が身動いだのが視界に入る。
 スマホを閉じて覗き込むと愛羅の目がゆっくりと開いた。
 そして、俺を見て目を見開いた。

 「あーっ!親之だっ!マジで!これって流行りの転生ってヤツ!?」
 「は?あ、愛羅?」
 「親之がいて愛羅って呼ぶって事は俺、主人公じゃん!」
 「え?しゅ?っていうか“俺”って?」

 愛羅は自分の事を僕と言っていた…しかも、よく分からん事を連呼している。親友が可笑しくなった瞬間である…

 告白する前に失恋した気分になった…
 

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