上 下
25 / 45
僕の可愛いアルファ君。

21

しおりを挟む
 
 発情期後は仕事にも復帰して在宅ワークに勤しみ、夜は何の気兼ねもなく千歳と身体を重ねた。
 もちろん、次の日に響かないように加減はしてある。
 千歳は対面胡坐に最近、ハマっているようだ…。可愛く強請ってくるから僕も期待に応えている。

 よつん這いになってもらってバックで何回かヤった後、その体勢から寝バックの体勢に変えてめちゃくちゃ犯す事もある…その時は内部の痙攣が止まらなくて千歳がずっとイっている状態になる…。
 けど、大体は可愛い顔を見たいから対面した体勢でよくヤる…

 まぁ、仕事も私生活も充実しているって事…。

 そんな充実した日々を送り、毎日楽しく過ごしていると…招かざる客が現れた…。
 その日も千歳は仕事で外回りをしていて、僕も用事で珍しくマンションの外へ出て、マンションへ帰りマンションの自動ドアを潜ろうとした時にそれは起こった…。

 ちなみに近場だったので車で出ずに歩きだった事を後悔したのはこの日が初めてだった…。

 「ま、雅輝!お前、雅輝だろ?」

 という声に『馴れ馴れしいな…』と内心、舌打ちして振り返れば千歳とは比べるのも烏滸がましいくらいに冴えない男が僕の目の前にいる。

 よく見れば…どこかで見たような気がしなくもない…。考えるのも面倒なので、考えるのを止めた…。

 「誰?馴れ馴れしく呼ばないでくれる?」
 「俺だ!俺!『水美みなみ 拓哉たくや』だ!お前の『つがい』の『拓哉たくや』!!」

 という不愉快極まりない言葉に顔が歪んでいくのがわかる…。何かに気づいたのか驚いた表情で僕を見る。

 「待て…お前…誰かと番ったのか?」
 「神無月産の薬って凄いよね…発狂を抑える薬の他に新たな人生を歩めるようになる手助けまでしてくれるんだから」
 「どうして…」
 「どうして?当たり前でしょう?身勝手に捨てた男をずっと待ってるとでも思っていたわけ?気持ち悪い…」

 そう言って顔を顰めると、有り難くもない壁ドンをされた。しかも、僕の顔の横に肘まで付けたから無駄に顔が近くなった…。

 「ねぇ…離れてくれない?」
 「なぁ…もう1回、俺と番う気はないか?」
 「全くないね。気持ち悪いから他をあたってくれる?第一、君の『運命』はどうしたの?あんなに嬉しそうに捨てて出て行ったのに」

 そう言ってみると…、闇金からお金を借りて凄い額の借金をしたらしい…。この拓哉クソ虫2号がセカセカと賄っていたらしいが…それだけではいくら経っても借金は減らず、おかしいと思っていたらその『運命』が更に借金を増やしていたらしく。自分の収入だけでは生活もままならなくなった頃…『運命』が急死したらしい…。
 死因は事故死であり、その保険金は借金返済で消えた。ちなみに借金も完済したんだとか…

 しかも、話はそれだけでは終わらず…

 ベータの妻から慰謝料の請求まで来たらしい…。ご丁寧に内容証明郵便まで届いたようだ…
 ベータの男性…しかも複数人と火遊びをしていた事が判明…さらに、その男性からは高額な物を自分に貢がせたりしていたらしい…。

 付け加えると、そのベータの男性たちは拓哉クソ虫2号の部下…。『運命』は拓哉クソ虫2号の名前を使い、その権力で好き勝手をしていたのだとか…。

 ベータ男性の中には自分の妻に相談し、話し合いの結果、今の生活が維持できなくなる恐れや、身の危険もある事から夫婦共に泣く泣く拓哉クソ虫2号の『運命』の言う事を聞いていた人も居たのだと…。

 拓哉クソ虫2号は盲目的に『運命』を偏愛していたので、相談しても聞く耳を持たないどころか逆にブチ切れていろいろ・・・・とやらかしたらしく…
 その賠償金的な物まで請求されているとか…なんとか…

 聞いてもいない無駄な・・・事をベラベラとよく喋る虫だ…

 なんて思いながら冷めた目で拓哉クソ虫2号を見る。

 『運命』は死んだ…。

 その一言だけで十分だっての…。
 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

首輪 〜性奴隷 律の調教〜

M
BL
※エロ、グロ、スカトロ、ショタ、モロ語、暴力的なセックス、たまに嘔吐など、かなりフェティッシュな内容です。 R18です。 ほとんどの話に男性同士の過激な性表現・暴力表現が含まれますのでご注意下さい。 孤児だった律は飯塚という資産家に拾われた。 幼い子供にしか興味を示さない飯塚は、律が美しい青年に成長するにつれて愛情を失い、性奴隷として調教し客に奉仕させて金儲けの道具として使い続ける。 それでも飯塚への一途な想いを捨てられずにいた律だったが、とうとう新しい飼い主に売り渡す日を告げられてしまう。 新しい飼い主として律の前に現れたのは、桐山という男だった。

僕が玩具になった理由

Me-ya
BL
🈲R指定🈯 「俺のペットにしてやるよ」 眞司は僕を見下ろしながらそう言った。 🈲R指定🔞 ※この作品はフィクションです。 実在の人物、団体等とは一切関係ありません。 ※この小説は他の場所で書いていましたが、携帯が壊れてスマホに替えた時、小説を書いていた場所が分からなくなってしまいました😨 ので、ここで新しく書き直します…。 (他の場所でも、1カ所書いていますが…)

人体薬物改造 雌開発

オロテンH太郎
BL
知らないうちに母親に売られ、薬でメス開発された大学生の伊藤君が元担任に調教確認レイプされる話

ハイスペックストーカーに追われています

たかつきよしき
BL
祐樹は美少女顔負けの美貌で、朝の通勤ラッシュアワーを、女性専用車両に乗ることで回避していた。しかし、そんなことをしたバチなのか、ハイスペック男子の昌磨に一目惚れされて求愛をうける。男に告白されるなんて、冗談じゃねぇ!!と思ったが、この昌磨という男なかなかのハイスペック。利用できる!と、判断して、近づいたのが失敗の始まり。とある切っ掛けで、男だとバラしても昌磨の愛は諦めることを知らず、ハイスペックぶりをフルに活用して迫ってくる!! と言うタイトル通りの内容。前半は笑ってもらえたらなぁと言う気持ちで、後半はシリアスにBLらしく萌えると感じて頂けるように書きました。 完結しました。

陰キャ系腐男子はキラキラ王子様とイケメン幼馴染に溺愛されています!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 まったり書いていきます。 2024.05.14 閲覧ありがとうございます。 午後4時に更新します。 よろしくお願いします。 栞、お気に入り嬉しいです。 いつもありがとうございます。 2024.05.29 閲覧ありがとうございます。 m(_ _)m 明日のおまけで完結します。 反応ありがとうございます。 とても嬉しいです。 明後日より新作が始まります。 良かったら覗いてみてください。 (^O^)

食われノンケの野球部員

熊次郎
BL
大学野球部の副主将の荒木は人望も厚く、部内で頼りにされている存在だ。 しかし、荒木には人には言えない秘密があった。

蜘蛛の巣

猫丸
BL
オメガバース作品/R18/全10話(7/23まで毎日20時公開)/真面目α✕不憫受け(Ω) 世木伊吹(Ω)は、孤独な少年時代を過ごし、自衛のためにβのフリをして生きてきた。だが、井雲知朱(α)に運命の番と認定されたことによって、取り繕っていた仮面が剥がれていく。必死に抗うが、逃げようとしても逃げられない忌まわしいΩという性。 混乱に陥る伊吹だったが、井雲や友人から無条件に与えられる優しさによって、張り詰めていた気持ちが緩み、徐々に心を許していく。 やっと自分も相手も受け入れられるようになって起こった伊吹と井雲を襲う悲劇と古い因縁。 伊吹も知らなかった、両親の本当の真実とは? ※ところどころ差別的発言・暴力的行為が出てくるので、そういった描写に不快感を持たれる方はご遠慮ください。

ある少年の体調不良について

雨水林檎
BL
皆に好かれるいつもにこやかな少年新島陽(にいじまはる)と幼馴染で親友の薬師寺優巳(やくしじまさみ)。高校に入学してしばらく陽は風邪をひいたことをきっかけにひどく体調を崩して行く……。 BLもしくはブロマンス小説。 体調不良描写があります。

処理中です...