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Main Story〜アルファな彼とオメガな僕。〜
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しおりを挟む発情期が終わって意識がハッキリしたのは奇しくもクリスマス…その日だった…しかも、終盤…ほとんど終わっていると言っても過言ではない夕方である…
当たり前だが足が震えて立てない。いつの間に準備をしていたのか…目の前には絢爛豪華な食事…どれも美味しそうだ。
そして、崇陽はクッションを敷き詰めたソファーへ僕を座らせると横に座り食事の入ったお皿を手に持ち、先端がフォークのように割れているスプーンをもう片方の手に持っている。
僕に食べさせる為に準備されたソレに大人しく口を開いた。そうすると崇陽の雰囲気が微かに嬉しそうなものへと変わるのだ。
それに、僕自身まともに箸すら持てない…無駄に抵抗するよりも大人しく食べさせられる方が体力などが戻ってくる時間がその分短くなる。
開いた口に丁寧な動作で食事を入れてくる。思った通り美味しかった。モグモグと食べていると崇陽は優しげな表情を浮かべて僕を見つめている。
目が合うと少し恥ずかしくなった。
「食べ終わったらケーキもあるぞ」そう言ってクスッと笑うとタイミングよく僕の口へと食べ物を運んで来るので、羞恥心を押し殺してひたすら食べ続けた。
適量を食べ終えると目の前には美味しそうな生チョコのケーキが鎮座していた。
大きさを聞かれたので欲張って少し大きめに言うと崇陽は頷いてキレイな動作でケーキにナイフを入れた。
ケーキを食べる頃には握力はそれなりに戻ってきていたので、食べさせてくれようとする崇陽に断りを入れると凄く残念そうな顔をされたが、お皿とフォークを渡してくれた。
ソレを受け取り食べてみると甘さが身に沁みた…身体は糖分を欲していたようだ…
美味しいケーキに舌鼓を打ちながらパクパクと食べている。その様子を見ているだけの崇陽に首を傾げた。
「崇陽は食べないの?」
「俺か?俺にはコレは甘すぎる」
そう言って困ったような笑みを浮かべた。
「代わりに蒼が食べてくれたら助かるんだが?」と言うと僕の口の端に付いていた生チョコを掬い取るとソレを自分の口へと運び舐めた。
「やっぱり甘すぎるな…」
その行動に呆気にとられていたが、徐々に自分の顔に熱が集まってきた事を理解する…
崇陽は僕の熟れたリンゴのように赤いであろう頬を軽く突くと面白いといった感じで微かに口元が上がった。
☆
食べ終わった後の片付けなどは崇陽へ全て一任した。手伝おうと思ったが、崇陽が首を横に振り「動けば犯す」ととんでもな発言をしてくれたので大人しく言う事を聞いておいた。
次に戻ってきた時に崇陽の手にはラッピングされた箱があり、ソレを僕に渡してくる。
言われるがままにプレゼントを開くとブレスレットだった…光沢のある透明な赤い石を眺めていると崇陽が口を開く。
「パパラチアと呼ばれる物だ。邪魔でなければ普段から付けてほしい」
そう言って僕の頭を梳くように撫でる。
「僕、何も準備してない…」
「お前からは沢山貰っているが?」
と言う崇陽に怪訝そうな顔になったのは仕方ないと思う…
崇陽はクスッと笑っただけで先を話そうとはしない…話す気は無いようだった。
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