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Main Story〜アルファな彼とオメガな僕。〜
04*
しおりを挟む身体がムズムズしている感覚に意識が浮上した。横に居たはずの怖い人が居らず、何か心にポッカリと穴が開いたような感覚に陥る。
しかも、身体は熱く身動ぐと微かに『くちゅり』と後ろの入り口から音がする。泣きたくなった。
フワリと香るあの時嗅いだ匂いに身体がピクリと反応した。先程は気づかなかったが、この部屋はあの匂いが充満している…
そして、最も強く匂いのするモノを探す。少しでも安心できるように…
目当てのモノは直ぐに見つかった。少しだけ離れている場所にあるソファーの背の部分へ雑に掛けられた上着だ。
覚束ない足取りで吸い寄せられるかのようにソファーの元へと向かう。そして、上着を掴むと首元に顔を埋めて匂いを嗅いだ。
やはり自分が可笑しくなったあの匂いだ。胸が一杯になり身体の奥が熱くなる。
スンスン匂いを嗅いでいるとアルファのモノを受け入れる場所が先程よりも濡れている。
足りない…全然、足りない…欲しい、もっと奥に…埋めてほしいもっと奥を…
気がつけばその場に座り込み自分でも触った事のない場所に自ら手を這わし、前だけの刺激では物足りず後ろの入り口を解し始めていた。
匂いを嗅ぐだけでは足りず、上着の一部を口に含んだ。
「んんっ…ふぅんんっ…」
自分の指では奥まで届かない。そのもどかしさに涙が溢れた。直後、身体が浮いた。
「やぁっ…」
驚いた事により上着が落ちてしまった。情けない声を上げて必死に手を伸ばすが届かない…
「蒼」
「っ…」
突如、名前を呼ばれて奥がキュンとした。体勢を変えられると、上着から匂っていた物とは比べ物にならないくらいに強く匂っている。
さらに霞がかった思考では正常に考える事もできず、状況を把握するよりも先に身体が動いた。
彼の首元に自ら鼻を寄せ匂いを嗅ぐだけでは足りず、舐めたり甘噛みをしたりしていた。
*
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