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乙女日和14
しおりを挟む「ひろ、くん、あの」
桜坂が自らの股間への違和感に気付いたらしい、が黙って続ける。
毛の薄い桜坂のそこは清楚で、潤っていて熱い。指は一本しか入れてない程の狭さで、桜坂のその場所はかなり狭い。
でも構わず、俺は亀頭を押し付ける。
「あ、くるの、ちょっ、いきなりっ」
と零した桜坂の身体が仰け反り、腰が逃げる。桜坂の身体が強張っていてうまく入らない。押し込んだら、たぶん痛がる。
「息、吐いて」
「う、ん、いっつ」
桜坂の胸が上下し、ベッドの上を滑り逃げようとする。それを力づくで戻す俺は、少し鬼畜っぽい。腰を押し付けて、桜坂の腰元に自らを寄せていく。
ありったけの理性を総動員させて、必死に欲を制御する、が限界だ。触れた先端が、その先に進みたくて疼いている。
「いぃ、やぁ」
抵抗感に満ちた声と共に、彼女の顔がくぐもっている。それを知りながら、ちゃんと解っていながら、俺は腰を深く、桜坂に突き入れた。ずぐんと押し入り、刺激。桜坂の尻が震え、腰がぎゅうと締まろうとする。太ももが内股になり、抵抗をしようとする。もう仕方がない。一気に、いく。
「あ、ぐっ」
ずぐりゅんん。音がする程の、抵抗感。
「っ……っぉ?」
「はいっ、た、ぞ」
意味不明な呻き声が桜坂から漏れ、俺の到達の声。ごんと物音が鳴り、桜坂の腰が浮き、全身が上に逃げている。極限にまで背中を仰け反った桜坂が、声にならない声を上げて、全身を痙攣させている。
「桜坂?」
「っ……ぃひぅ」
俺の声掛けと共に、桜坂の全身が大きく震えた。それからがくんと、全身の力が抜け落ちる。何だこれ。まるで木偶人形のように、桜坂の関節のネジが緩み、微かに放屁までする程に意識が飛んでいる。
視線が合わない。首を振り、精神崩壊じみていた。背筋が凍る程に、桜坂が豹変した。
「ぉあ、ぁあ」
「だい、じょぶ、か?」
「ひあぁああああああ?」
桜坂の悲鳴がちょい怖い。桜坂の全身に力が戻り、今度は震えが止まらない。俺は全力で彼女の身体を抱きしめ、意味不明の中、構わずぐんと最後まで入る。腰を何とか密着させて、砕け散りそうな彼女の芯に自らを突き入れる。そして、
「好きだ、桜坂」
「んっぁあ、あぁあ」
俺の声に混ざり、甘い声が、最後に来た。桜坂は身体を震わせている。まるで、達したように、甘くて切ない、可愛い声だった。
「ぁ、あ、あ……いま、何でこれ、ぇええええ?」
「うん。イったな、お前」
あれだけ初心だった桜坂の身体は、たぶん何かを飛び越え、自らの拙さすら凌駕してしっかりと果てたのだ。
その感情を受け切れず、桜坂が軽く崩壊しかかった。それを押し止めたのが俺なのか、それとも彼女の理性なのかはわからない。
「好きだ」
「私も、すきぃっ」
それはまるで、待ち望んでいた俺を受け入れ、満足するかのような声だった。
「いぎっ、ちょ、っとまって、思っていたより、痛い、のにイってわたし、へんたいだよぉ」
「大丈夫、いいんだ。それで、いいんだ」
かなり適当に言う俺の言葉は、彼女の耳には届いていない。全身を震わせて歯を食いしばる彼女が、俺の腕を掴み、爪を突き立てて苦しんでいる。
「奥にずんって、ヒロ君きたって、はいっちゃったって思ったらね? 思ったらもう、わけわかんないっ」
桜坂の独白は切れ切れだった。とても辛そうだが、それでも完全に逃げないのは、彼女なりに頑張っている証拠だろうか。果てたあそこは、恐ろしく締まってくる。
「うっ、いっ。痛い、痛いの。凄い痛いの。でも気持ち良い、やだ、怖い、怖い」
「俺は気持ち良い」
「や、怖い、変になっちゃう、わたし、嫌われちゃうっ」
「大丈夫。俺は、嫌わない」
桜坂が自らの豹変に怯えている。それを必死に抱き留め、大丈夫を言い続ける。
「いいから。全部、受け止めるから」
「受けるの、わたしだもん」
それでも突込みがしっかりと来る程度には回復したらしかった。俺はそれに頷き、ゆっくりと腰を引く。それから、また近付ける。彼女の瞳が大きく見開かれる。
「また、くる?」
「動くぞ?」
「まって、腰、ちょっと、動かさないでっ、痛い、のときもち、いいのでわけわかんないから、ちょっと本当、ひろくん、ちょっと、待ってって」
ぽかぽかと足のかかとで俺の尻を蹴る桜坂が可愛い。その姿勢はしかし、逆に俺のものを受け止める姿勢にしかならず、更に刺激を与えるだけだと気付かないあたり、彼女も相当にテンパっているらしい。
俺も、すぐ果てそうだ。
「もっと名前、呼んで、ヒミコ」
「もぉ、なんでここで、名前いうのぉ」
「ヒミコ……好きだ」
耳元で囁くと、桜坂ヒミコの股に力が入ってくる。きゅうと締まるそこに、俺の欲の側面が包まれ、刺激を生む。酷く、気持ち良い。
「ときめいちゃう、よぉ」
「ヒミコ。熱いよ、ヒミコ」
「もっと、もっと、言ってぇ。嬉しい。嬉しいよお」
彼女に乞われ、俺は何度も彼女の名を呼んだ。喘ぐ度に口付けをして、腰を何度も揺すり続けた。徐々に濡れてきた彼女の股に僅かな破瓜の色が混ざり、涙と共に零れる甘い声が、二人の思考を麻痺させた。
「ぅぅ、また、わけわかんなくなるよぉ」
「またイくのか?」
「うぅ、ぬぐう」
「痛がってくるせに、気持ちいいんだろう?」
「うぅ、意地悪ぅ。でも、うん。気持ち良いっ。入ってるよ、ヒロくんのが、ちゃんと入ってるよお」
ねちゃにちゅと音を立てながら、二人の男女は繋がり続けた。何度も往復する余裕はなく、俺は熱い唇を這わせながら、白濁の液を全て、出し尽くした。
《続く》
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