らぶてぃ

古葉レイ

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らぶてぃ3

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 確かに今日は、自分でも恐ろしくなるくらいに大胆だった。お尻を突き出して、スカートはしているけれどパンツは半分脱げている。顔から火が出そうなくらいに恥ずかしくて、心も身体も燃え尽きてしまいそうだった。

 もの凄くはしたない格好をしている自覚はあった。自覚した途端、心臓が高鳴って、肺も苦しい。
 呼吸をしたいのに、先生の目がそんなあたしの意識を石化する。

「昨日、勉強、手に付かなくて」
「それは重症だな? でも嘘だろう?」

 先生がそっけなく言った。図星過ぎて、あたしは失笑した。
 だけど嘘じゃない。
 先生に会えないと思うだけで、あたしの心は居ても立ってもいられなくなった。先生が欲しい。先生に会いたい。明日は二人きりになれるかもしれない。

 そう思うだけで、勉強なんてする気にもなれなかった。一時間程が限界だった。

 先生と居たいと願った。
 先生と生徒の関係は想像以上に苦しい。
 二人きりになるチャンスはあまりない。時間があるとすれば放課後の数時間。ただしいつもは無理で、テスト期間中の部活がない時だけが唯一の時間。

 今日はテスト初日だった。
 だからしばらくあたしは、先生と二人きりになれるチャンスがある。だからあたしは、テスト期間が大好きだ。
 上半身を起こして先生の頬にキスをする。

 今日はあたしの独占日。
 あたしが、先生を独占しても許される日だ。

 そう思いながら、あたしはだから、今日ここでこうして、これをする。

「まあ、無理はするな」

 先生が何かを言った。意味が分からない。ちょっとでも気を抜いたら、息が止まりそうになるから、あたしは必死に呼吸した。少しでも気を許したら、全てを奪われてしまいそうになる。
 壊されてしまうから、あたしは強く胸を張って虚勢を張る。

「先生、したそうだったから」
「そう見えるか?」

 あたしの遅れた返事に、先生が嘲笑う。一度離れた先生の唇が、またあたしを塞いでくる。この目と笑みが、凄く危険なのだとあたしは知っている。

 授業中ですらあたしの意識を石化する先生の視線は、眼鏡がないとなおさら強くなる。今取られている眼鏡がもしあったら、あたしの全ては細部にまで見られている。

 きっと今、こんな格好をしていられるのも、先生に見えてはいないと思うから大胆になれる。
 もし全てを曝け出していたとしたら、あたしは先生に幻滅される。あたしは全然可愛くないし、綺麗でもない。
 大人でもないし、正直好きでいてもらえているのかもわからない。

 だから怖い。
 唇を噛み締める。

 先生に捨てられるくらいなら、あたしはいくらでも先生に尽くす。今のあたしは、先生によって作られている。
 それをあたしは、彼の為にある。そう自覚している。

「脱がすぞ」

 先生の手が、あたしの制服を脱がしていく。
 上着の中に手を入れられ、ブラが持ち上げられる。ゆっくりと丁寧に触れられ、解かされていく。ブラが上に持ち上げられる。すごく丁寧。空気にさらされるあたしの胸に、先生の指が乗ってくる。

 先生の、動きにあたしは付いていけない。
 先生の舌が、あたしの胸の下あたりを撫でた。

「ひゃ、ぁっ、や」
「声、出すなよ」

 薄笑いながら、先生が嗜める。恥ずかしい。けれど舌を止めないあたりが先生だった。あたしは手のひらで自分の顔を覆って、先生の視線から逃げる。

「返事は?」
「わ、かっ、てる」

 先生の声に頷いて、あたしは胸前にある先生の頭を抱きかかえる。先生の舌があたしの胸の先端に来て、溢れる気持ちが下半身にまで落ちていく怖さを必死に堪える。

「ぅぁ、ひぅ」

 あたしは小声で喘ぎを堪える。初めてした時、声はあんまりでなかった。
 先生は笑って、出てたぞと言っていたけれど嘘だと思う。
 それからあたしは、練習して、勉強した。声の出し方とか、先生とのされ方とかを、あたしは今も、勉強した。

「せん、せ、の、舌、いい」
「そりゃどうも」

 先生が笑い、あたしの胸の先端を齧ってくる。冷たい先生の唇が、あたしの熱のせいで少し熱さを増していた。

「ぅんっ、ぁ」

 先生がネクタイを片手で緩めた。色っぽい仕草に、あたしの喉が悲鳴をあげそうになる。先生のズボンのベルトが、さらりと簡単に外された。

《続く》
 
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