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8章:学園に入学したらしい
99話:空桜の報告
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「今日の放課後までは学園の生徒と教師達は普段通り生活をしていました。」
空桜はそう切り出した。
けれど、言った後になにかに気づいたのかあっ、と呟いた。
「そうだ。雪都様が朝から居ませんでした。華美様に事情を聞きましたが、本人もわからない様子でどこか落ち込んでいるように見えました。」
空桜の言葉に羽流は眉を少し上げた。
「雪都様がいなかったの?・・・しっかりした子が姉である華美様に何も言わないなんて・・・もしかして、今起きていることになにか関係があるのか?」
羽流は憶測を立てる。
「はい。放課後になったすぐあとは特に何もありませんでした。璃杏様達が放課後のチャイムが鳴ったと同時に出ていったの気がかりではありましたが・・・。その50分後くらいに教師の魔力があまり無い方が倒れたんです。その数分後、どんどん教師が倒れ始めて・・・・・・僕は、嫌な予感がして璃杏様たちを探しました。
ですが、校内には璃杏様達は居ませんでした。それと、華美様の婚約者である第二王子礼央様もいませんでした。
寮にも行きましたが、そこにもいませんでした。その、ですが・・・不可解なことに、今日休みのはずの雪都様が寮の部屋にいませんでした。
それと、寮長の話によると雪都様は昨日の夕方からずっと寮に帰ってきていないようです。あと、陽夏凛さんもいなくなっていました。」
空桜の報告に眉を顰める羽流。
「・・・・・・いなくなっているのは、璃杏の身近にいる人?・・・他には異変はなかった?教師で休みの人とか、他にも休んだ人とか。」
羽流の問に空桜は考え込む。
「休んだ人はいますが、璃杏様と関わりがある人ではありません。それに、しっかり休んだ理由もわかっています。理由がわからなかったのは雪都様だけです。教師の休みだった人は・・・居ませんでした。あ、ですが、黒川先生が昼休みの途中で帰ってこなくなりました。」
空桜は今日のことを思い出しつつ羽流に報告した。
「ん~・・・それは気になるな。陽夏凛さんもいなくなったって・・・陽夏凛さん、かあ~。繋がりが見えないけれど、ひとつだけ考えられるとしたら、璃杏達は昨日の夕方からいなくなった雪都様を探しに行ったってことかな。うぅぅ璃杏~。お父さんは璃杏に会いたいよ~うううぅ。」
羽流は重いため息をつき、涙目になりながら机に突っ伏す。
「そうね~全然会えていないものね。それにしても、璃杏ちゃん大丈夫かしら?怪我してないといいけれど。でも、先に心配した方がいいのは私たちのほうね。」
泣く羽流を眺めつつ言う白百合。
「そうね。だんだん魔力がある者も倒れつつあるものね。私達も注意した方がいいわね。陽夏凛さんもどこへいったのかしらね。」
今まで一緒に働いていた侍女のことを心配しつつ白百合の言葉に同意して頷く双美。
「だとしても、どう対策したらいいのか分からないよな。」
楓斗は困った顔をして言った。
「そうだね~。原因は分からないけれど、眠りにつく魔法なら闇魔法があるよね。」
いつの間にか体を起こし真剣な顔をしていた羽流が言った。
「闇魔法?・・・ですが、何故闇魔法がこんな大規模で・・・。」
空桜は唖然とした表情をして羽流に聞いた。
「闇魔法は使える者は光魔法同様、少ない。それに、こんなに大規模となると本当に魔力が強いものが使っていることになる。
それと、眠りにつかせるとなると呪いの一種になるね。憎しみや憎悪そんな負の感情でその闇魔法に触れた者は眠りにつかされる。だから、これは魔力が強い者の仕業だね。」
と羽流は結論づけた。
「それを解く方法は無いんですか?」
空桜は羽流の顔を見つめる。
「無いわけじゃない。でも、今それはできないし、僕達にはできない。だから、僕達はこのまま何も出来ず眠りにつくこととなる・・・・・・願うとするならば、誰かがこの元凶となるものを倒すことだね。」
こまった顔をしてそう言った羽流。
羽流の言葉で執務室の空気は重くなる。
けれど、羽流達は知らなかった。
この闇魔法がとても危険であるということに。
月鍵家の森の中にいる動物も同様に眠りについた。
そして、何十分も眠りについていた鳥は・・・・・・煙のように消えていった。
狗社隼真の放つ闇魔法は、動物も人も殺すとても危険な魔法である。
空桜はそう切り出した。
けれど、言った後になにかに気づいたのかあっ、と呟いた。
「そうだ。雪都様が朝から居ませんでした。華美様に事情を聞きましたが、本人もわからない様子でどこか落ち込んでいるように見えました。」
空桜の言葉に羽流は眉を少し上げた。
「雪都様がいなかったの?・・・しっかりした子が姉である華美様に何も言わないなんて・・・もしかして、今起きていることになにか関係があるのか?」
羽流は憶測を立てる。
「はい。放課後になったすぐあとは特に何もありませんでした。璃杏様達が放課後のチャイムが鳴ったと同時に出ていったの気がかりではありましたが・・・。その50分後くらいに教師の魔力があまり無い方が倒れたんです。その数分後、どんどん教師が倒れ始めて・・・・・・僕は、嫌な予感がして璃杏様たちを探しました。
ですが、校内には璃杏様達は居ませんでした。それと、華美様の婚約者である第二王子礼央様もいませんでした。
寮にも行きましたが、そこにもいませんでした。その、ですが・・・不可解なことに、今日休みのはずの雪都様が寮の部屋にいませんでした。
それと、寮長の話によると雪都様は昨日の夕方からずっと寮に帰ってきていないようです。あと、陽夏凛さんもいなくなっていました。」
空桜の報告に眉を顰める羽流。
「・・・・・・いなくなっているのは、璃杏の身近にいる人?・・・他には異変はなかった?教師で休みの人とか、他にも休んだ人とか。」
羽流の問に空桜は考え込む。
「休んだ人はいますが、璃杏様と関わりがある人ではありません。それに、しっかり休んだ理由もわかっています。理由がわからなかったのは雪都様だけです。教師の休みだった人は・・・居ませんでした。あ、ですが、黒川先生が昼休みの途中で帰ってこなくなりました。」
空桜は今日のことを思い出しつつ羽流に報告した。
「ん~・・・それは気になるな。陽夏凛さんもいなくなったって・・・陽夏凛さん、かあ~。繋がりが見えないけれど、ひとつだけ考えられるとしたら、璃杏達は昨日の夕方からいなくなった雪都様を探しに行ったってことかな。うぅぅ璃杏~。お父さんは璃杏に会いたいよ~うううぅ。」
羽流は重いため息をつき、涙目になりながら机に突っ伏す。
「そうね~全然会えていないものね。それにしても、璃杏ちゃん大丈夫かしら?怪我してないといいけれど。でも、先に心配した方がいいのは私たちのほうね。」
泣く羽流を眺めつつ言う白百合。
「そうね。だんだん魔力がある者も倒れつつあるものね。私達も注意した方がいいわね。陽夏凛さんもどこへいったのかしらね。」
今まで一緒に働いていた侍女のことを心配しつつ白百合の言葉に同意して頷く双美。
「だとしても、どう対策したらいいのか分からないよな。」
楓斗は困った顔をして言った。
「そうだね~。原因は分からないけれど、眠りにつく魔法なら闇魔法があるよね。」
いつの間にか体を起こし真剣な顔をしていた羽流が言った。
「闇魔法?・・・ですが、何故闇魔法がこんな大規模で・・・。」
空桜は唖然とした表情をして羽流に聞いた。
「闇魔法は使える者は光魔法同様、少ない。それに、こんなに大規模となると本当に魔力が強いものが使っていることになる。
それと、眠りにつかせるとなると呪いの一種になるね。憎しみや憎悪そんな負の感情でその闇魔法に触れた者は眠りにつかされる。だから、これは魔力が強い者の仕業だね。」
と羽流は結論づけた。
「それを解く方法は無いんですか?」
空桜は羽流の顔を見つめる。
「無いわけじゃない。でも、今それはできないし、僕達にはできない。だから、僕達はこのまま何も出来ず眠りにつくこととなる・・・・・・願うとするならば、誰かがこの元凶となるものを倒すことだね。」
こまった顔をしてそう言った羽流。
羽流の言葉で執務室の空気は重くなる。
けれど、羽流達は知らなかった。
この闇魔法がとても危険であるということに。
月鍵家の森の中にいる動物も同様に眠りについた。
そして、何十分も眠りについていた鳥は・・・・・・煙のように消えていった。
狗社隼真の放つ闇魔法は、動物も人も殺すとても危険な魔法である。
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