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7章:12歳になったらしい
68話:礼央王子の悩み
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私が頷いたことに満足そうな顔をしながら手を離し真剣な顔をして小声で礼央様は聞いてきた。
「華美をどうやったらあんな風に笑顔にできるんですか?」
「・・・・・・・・・・・・ん??」
私は自分の耳を疑った。
あの、腹黒で作り笑いしかしない礼央様がどうやって笑顔にできるかなんて聞いてくるなんてぇぇぇぇ!!!!!
ていうか、なんで私ぃぃぃぃ!?!?
「華美が私に見せてくれる笑顔はどうも上っ面な笑みでしかないのですよ。」
寂しそうにそう言う礼央様。
でも・・・礼央様も大して変わらないと思うのですけど!!!
「でも、君が話しかけたりプレゼントを渡した時は本当に嬉しそうな笑みを浮かべていたんです。何故ですか?私がどんなにプレゼントや愛を囁いたとしても作り笑いや冗談だと言ってくるんです。」
眉を下げて本当に寂しそうに言う礼央様。
それだけ華美様のことが好きなんだと伝わった。
「え、えっと、その、礼央様が華美様の本当の笑顔を見たいと言うのは分かりました。でも、その、礼央様は、もう少しですね。華美様のことを理解した方がいいかと思います。だ、だから、話し合ったりして相手のことを理解した方がいいと思います。だ、だからですね。」
俯いていた顔を上げる。
「2人は話し合うべきだと思います。単純なことでいいんです。礼央様は華美様のことを華美様は礼央様のことを。好きなものは何かとか単純なことでいいんです。少しずつ相手のことを知ったらいいと思います。そしたら、相手も自然に笑顔になることが出来るかと思います。で、でも、礼央様の華美様を大事に思う姿は素敵だと思います。だからこそ私の友人を傷つけないでください。」
礼央様の目を見てしっかり答える。
王族相手にこんなこと言っていいことではないけどやっぱり、華美様には幸せになってもらいたいし、礼央様にもしっかり華美様を幸せにして欲しい。
それに、華美様はプレゼントばかりもらっていて申し訳ないと言っていた。
礼央様は少し目を見開くと微笑んだ。
「そうですね。君の言う通り私は私のことしか頭になかった。しっかり相手のことも考えないとですね。華美のことをもっと知っていくためには話すことが必要ですね。ありがとうございます。それと、私は華美のことを傷つけたりはしません。」
嬉しそうにそう言った。
良かった。
もしかしたら不満がられるかもしれないと思っていたけれど、意見をしっかり受け取ってもらえてわたしも嬉しい。
「どういたしまして。華美様を幸せにしてください。」
ぺこりとお辞儀をして私はその場を立ち去った。
♔♕♖♗♘♙♚♛♜♝♞♟
会場の中には数々の料理が並んでいる。
お肉や魚料理にスイーツやフルーツの盛り合わせなどが沢山あって華やかだ。
わああ!どれも美味しそー!!
私はフルーツを食べるためフルーツの盛り合わせになっている場所に来た。
お皿を取ってフルーツを盛り付けていく。
りんごにオレンジにぶどうに桃にオフランスみたいな名前のやつにと色々乗せていったらそれなりの山になった。
私はそれを持ちながら隅の方へ行った。
フォークを持ちりんごを刺す。
ひと口かぶりつく。
シャリッとした食感に口の中に広がるりんごの蜜の甘さ。
「ん~~~!!美味しい~!」
私は次々とフルーツを食べていく。
どのフルーツもみずみずしくて甘くて美味しい!
「ふはっ!ふふふふっ。」
フルーツを黙々と食べていると近くで笑い声がした。
声のした方を向くと口元を抑えて笑っている雪都様がいた。
「!!?え、あ、雪都様??どうされたんですか?」
私は驚いて目が見開いた。
「いえっ。ふふっ。本当に美味しそうに召し上がるなっと思いまして。」
未だに笑い続ける雪都様。
「えー。それって褒めてますか?でも、なんで笑うんですかー!」
雪都様をジト目で見つつフルーツを食べていく。
フルーツを食べ終えたところで雪都様の笑いも収まったらしい。
「すみません。あの、そろそろダンスが始まるので迎えに来ました。」
そう言って私に手を差し出す雪都様。
私はその行動に頭の上にはてなマークが広がる。
握手でもしたいんだろうか??
でも握手なら手のひら横にするよね。
「踊る場所までお皿を置きに行きつつエスコートします。」
おおー、紳士だ!
そんなことを思いつつ私は雪都様の手のひらに自分の手を重ねる。
「えっと、じゃあ、よろしくお願いします。」
「はい。では行きましょうか。」
そう言って私達は踊る場所まで歩き出した。
その姿を睨んでいる人がいるとは知らずに。
「華美をどうやったらあんな風に笑顔にできるんですか?」
「・・・・・・・・・・・・ん??」
私は自分の耳を疑った。
あの、腹黒で作り笑いしかしない礼央様がどうやって笑顔にできるかなんて聞いてくるなんてぇぇぇぇ!!!!!
ていうか、なんで私ぃぃぃぃ!?!?
「華美が私に見せてくれる笑顔はどうも上っ面な笑みでしかないのですよ。」
寂しそうにそう言う礼央様。
でも・・・礼央様も大して変わらないと思うのですけど!!!
「でも、君が話しかけたりプレゼントを渡した時は本当に嬉しそうな笑みを浮かべていたんです。何故ですか?私がどんなにプレゼントや愛を囁いたとしても作り笑いや冗談だと言ってくるんです。」
眉を下げて本当に寂しそうに言う礼央様。
それだけ華美様のことが好きなんだと伝わった。
「え、えっと、その、礼央様が華美様の本当の笑顔を見たいと言うのは分かりました。でも、その、礼央様は、もう少しですね。華美様のことを理解した方がいいかと思います。だ、だから、話し合ったりして相手のことを理解した方がいいと思います。だ、だからですね。」
俯いていた顔を上げる。
「2人は話し合うべきだと思います。単純なことでいいんです。礼央様は華美様のことを華美様は礼央様のことを。好きなものは何かとか単純なことでいいんです。少しずつ相手のことを知ったらいいと思います。そしたら、相手も自然に笑顔になることが出来るかと思います。で、でも、礼央様の華美様を大事に思う姿は素敵だと思います。だからこそ私の友人を傷つけないでください。」
礼央様の目を見てしっかり答える。
王族相手にこんなこと言っていいことではないけどやっぱり、華美様には幸せになってもらいたいし、礼央様にもしっかり華美様を幸せにして欲しい。
それに、華美様はプレゼントばかりもらっていて申し訳ないと言っていた。
礼央様は少し目を見開くと微笑んだ。
「そうですね。君の言う通り私は私のことしか頭になかった。しっかり相手のことも考えないとですね。華美のことをもっと知っていくためには話すことが必要ですね。ありがとうございます。それと、私は華美のことを傷つけたりはしません。」
嬉しそうにそう言った。
良かった。
もしかしたら不満がられるかもしれないと思っていたけれど、意見をしっかり受け取ってもらえてわたしも嬉しい。
「どういたしまして。華美様を幸せにしてください。」
ぺこりとお辞儀をして私はその場を立ち去った。
♔♕♖♗♘♙♚♛♜♝♞♟
会場の中には数々の料理が並んでいる。
お肉や魚料理にスイーツやフルーツの盛り合わせなどが沢山あって華やかだ。
わああ!どれも美味しそー!!
私はフルーツを食べるためフルーツの盛り合わせになっている場所に来た。
お皿を取ってフルーツを盛り付けていく。
りんごにオレンジにぶどうに桃にオフランスみたいな名前のやつにと色々乗せていったらそれなりの山になった。
私はそれを持ちながら隅の方へ行った。
フォークを持ちりんごを刺す。
ひと口かぶりつく。
シャリッとした食感に口の中に広がるりんごの蜜の甘さ。
「ん~~~!!美味しい~!」
私は次々とフルーツを食べていく。
どのフルーツもみずみずしくて甘くて美味しい!
「ふはっ!ふふふふっ。」
フルーツを黙々と食べていると近くで笑い声がした。
声のした方を向くと口元を抑えて笑っている雪都様がいた。
「!!?え、あ、雪都様??どうされたんですか?」
私は驚いて目が見開いた。
「いえっ。ふふっ。本当に美味しそうに召し上がるなっと思いまして。」
未だに笑い続ける雪都様。
「えー。それって褒めてますか?でも、なんで笑うんですかー!」
雪都様をジト目で見つつフルーツを食べていく。
フルーツを食べ終えたところで雪都様の笑いも収まったらしい。
「すみません。あの、そろそろダンスが始まるので迎えに来ました。」
そう言って私に手を差し出す雪都様。
私はその行動に頭の上にはてなマークが広がる。
握手でもしたいんだろうか??
でも握手なら手のひら横にするよね。
「踊る場所までお皿を置きに行きつつエスコートします。」
おおー、紳士だ!
そんなことを思いつつ私は雪都様の手のひらに自分の手を重ねる。
「えっと、じゃあ、よろしくお願いします。」
「はい。では行きましょうか。」
そう言って私達は踊る場所まで歩き出した。
その姿を睨んでいる人がいるとは知らずに。
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